2024年2月から3月にかけて上演される特殊ミステリー歌劇「心霊探偵八雲」-呪いの解法-。本作はデビュー20周年を迎える神永 学の人気小説「心霊探偵八雲 INITIAL FILE 魂の素数」(講談社刊)を原作とした舞台作品第2弾で、「心霊探偵八雲」シリーズの主人公、赤い左眼で死者の魂を見ることができる斉藤八雲と、同じく神永 学の代表作「確率捜査官 御子柴岳人」シリーズの主人公、イケメンだが毒舌で自由奔放な数学者で大学准教授の御子柴岳人の霊視×数学の最強のバディが新たな事件解決に挑む姿を描いている。
今回、前作に引き続き斉藤八雲を演じる後藤 大、御子柴岳人を演じる笹森裕貴にインタビュー。第2弾公演への意気込みや初対面だった前作でのお互いの印象、アーカイブ配信中である前作の見どころなどを聞いた。
――第2弾公演が決まった時のお気持ちは?
後藤:また八雲の世界に入れると知って嬉しかったです。前回は、初めてのことが多くてそのボリューム感に自分がいろいろと困惑したこともあったのですが、今回はそのボリューム感もわかっているので、もっと気合入れて第2弾に向かっていけたらと思っています。
笹森:第2弾できるかなと期待していたのですが、1年後にすぐにできると知ってとても嬉しかったです! 今回は劇場が変わるということで演出も色々と変わると思うので今からとても楽しみです。
――第1弾で初共演だったかと思うのですが、現場でのお互いの印象はいかがでしたか?
笹森:香さんから「2人はちょっと似てるところがある」と聞いていて。会った時にそれがわかった感覚がありました。僕自身結構人見知りなんですけど、最初からいろいろ話せたんですよね。
後藤:裕貴くんも僕も興味の幅がすごい広くて、演じるということ以外でもいっぱい話したいことがあるんですよね。多分真剣に向き合って話をしたら永遠に話してられそうだなと思うくらい(笑)。
笹森:稽古場では仕事の会話しかできなかったけど、劇場に入ってからちょっと余裕が出来てプライベートなこととかも沢山話したんです。僕が経験したことのないようなお話もあって、それがあるから今の大くんになっているんだなと分かったし、それは強いなと思いました。人として、役として深くなっているんだろうなと。
八雲はセリフ量がとても多くて僕の倍以上あるんですよね。八雲がいないシーンはほとんどないストーリーだったので大変だったと思うんですけど、ずっと明るく振舞ってくれたから現場がとてもいい雰囲気でした。2人で主演という立場だったけど、僕は全く何もしてなくても大くんのおかげでいい現場でした。
後藤:いやいや、僕からしてもらったら本当に逆で! 始めてのことばかりで台本で精一杯になっていて。御子柴もセリフだけでなく動きも多いのにとても気遣ってくれて。裕貴くんにとても助けられました。野球部出身だから男気があってすごいんですよね。最初はかわいらしい方なのかなと思ったんですけど、男気を感じてその真逆なギャップに驚きました。おかげで本当に集中して取り組めました。裕貴くんだけでなくみんなが僕に寄り添ってくださっているのを感じて、みんなで手を繋いで最後まで走り抜けたなと感じています。
笹森:スケジュールすごかったよね。別の撮影を終えてからあの分量の稽古をやって、次の日また朝早くて。ちょっと触ったら倒れそうな感じでした。それが八雲にも活きている部分なのかなって。そんな大くんが真ん中にいたので、僕は「よっしゃ行こうぜー!」ってやっているだけでした(笑)。
後藤:今度もそんな笹森君でいてほしい。僕、集中しちゃうから。
笹森:任せておいて!
――後藤さん、笹森さんが演じるからこそ感じる八雲と御子柴の魅力的な部分は?
後藤:裕貴くんはこのスタイルで芝居に歌もダンスも器用に何でもできるし、小道具の使い方だったり白衣の使い方だったり、魅せ方がとても美しくて細かいところのこだわりもすごく感じて、絵を描いている者としてそういう美的センスがすごく素敵だなと思いました。発声だったりにも美しさや華やかさがあるし、器用に自分の体を操られているのもすごいなと。身長高いとダンスとかも難しいんですけど、うまく自分のものにして御子柴に落とし込んで、さらにとても楽しそうに演じているからより御子柴が魅力的に見えたのかなと思います。物語の内容はヘビーだけど、やっぱり御子柴が出てくると明るくなりましたね。
笹森:八雲はローテンションなキャラクターで、そういうキャラクターって縛られがちなところもあると思うんです。でも大くんはその中でも表現力が深くて惹きこまれるんですよね。その深みはこれまでの人生経験からくるものなんだろうなと思うんですけど。稽古場や劇場でいろんな話をする中で、「この人はなんでこんなに深いんだろう」と思っていたものが納得できるような経験をたくさんしてこられたというのが分かったんです。それが八雲に投影されているから深かったからだなって。だからこそ僕の御子柴とのコントラストが出て、相乗効果でいいコンビネーションになったんじゃないかなと思いました。
――前作が配信中で第2弾公演までに見ることが出来るのですが、お二人が特に注目してほしい場面や印象的だったシーンを教えてください。
後藤:僕は最後の御子柴と水川さんと3人で話すシーンが好きなんですよね。それぞれ抱えているものをいろんな角度で捉えられる話だったんですけど、回を重ねる度にいろいろ変わるものもあって。大千秋楽の最後のシーンは、なんかもう本当にそこに八雲と御子柴と水川がいる感覚になって。初めての感覚でした。
笹森:僕も感じました。時が止まったよね。27公演芝居をしていると、大体空気感が出来上がっていて、このセリフはこう来るなとか頭に入ってるような感じなんですけど、大千秋楽のそのシーンは、最後にチェスをするシーンまでこれまでに感じたことがないような空気感があって鳥肌が立っていたんです。
後藤:変な重力がかかったような感覚で。裕貴くんもやっぱり感じていたんだなと思うし、その時「役者ってめっちゃ楽しい!」って改めて思えたシーンだったので皆さんにも見てほしいですね。
笹森:その感覚は僕らにしか分からないかもしれないですけど・・・。
後藤:でも最後のシーンをぜひ何回でも見てほしいですよね。
笹森:そうですね。あ、あと御子柴がアメを何本食べたのか注目してみていただければ(笑)。27公演で100本ぐらい食べたんですよ(笑)。
――最後に第2弾公演を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
後藤:第2弾は劇場が変わって品川プリンスホテル クラブeXになるので、また少し違った八雲、作品の世界観を見せられるようにできればと思っています。もっと小説を読み込みつつ、神永さんともまたお話しできる機会を設けていただこうと思うので、そこでもっと「どうして八雲が生まれたのか」「御子柴がどのように生まれたのか」「なぜこの話を書き始めたのか」など、そういう部分も掘り下げて、八雲をより繊細に演じられたらと思っております。
そして、香さんと新しいキャストの方々と一緒にやれることが本当に嬉しいので、みんなで手を繋いで最後まで走り抜けたいなと。今回はちゃんと座長らしく頑張りたいと思います。裕貴くんという心遣いがすごい人いるので、頼れるところは頼って、頼ってもらえるところは頑張って、楽しんでやっていきたいと思います。
笹森:前回に引き続き、御子柴が演じられるということがとても楽しみです。実は前回を振り返ってやり残したことはなかったなと思っています。それは個人的にはすごく珍しいことで、大体は公演終わってから少し経った後に見返して「もっとこうすればよかった」「今だったらこれできるのに」と思うことがあるのですが、前回の公演では自分の最大限できることを120%全力でやった自信があります。
第2弾で脚本が新しくなって、新しいキャラクターが増えて八雲と御子柴を取り巻く環境が変わってくるとは思うのですが、今回も最大限、全力を出して臨めたらと思っています。楽しみにしていてください。
(取材・文・撮影=エンタステージ編集部3号)
特殊ミステリー歌劇『心霊探偵八雲』-呪いの解法-公演情報
スケジュール
2024年2月21日(水)~3月3日(日) 品川プリンスホテル クラブeX
チケット
【公式サイト2次先行】
受付期間:2023年12⽉27⽇(水)12:00~2024年1月8日(月・祝)23:59
結果発表:2024年1月11日(木)
【一般発売日】2024年1月21日(日) 10:00
スタッフ・キャスト
【原作】神永 学 「心霊探偵八雲 INITIAL FILE 魂の素数」(講談社刊)
【脚本・演出】三浦 香
【作詞】堤 泰之 三浦 香
【音楽】KYOHEI
【振付】IYO-P
【キャスト】
斉藤八雲役:後藤大
御子柴岳人役:笹森裕貴
矢口皇聖役:永田聖一朗
水川栞役:齋藤かなこ
白井解役:土屋直武
松永弦太役:前田隆太朗
川端上也役:広井雄士
前山田アンカ役:髙橋美海
横澤健一役:小黒直樹
矢口更紗役:髙橋果鈴
塩谷冨美香役:橘二葉
縦川雅巳役:福島海太
右手川雷人役:吉澤翼
左近字宗介役:長塚拓海
七目秀樹役:鎌苅健太
前山田一歩役:田中涼星
御子柴岳彦役:佐野大樹(友情出演)
【公式サイト】https://yakumo-stage.jp
【公式X(旧Twitter)】@stage_yakumo