ステアラ閉館･･･「IHI ステージアラウンド東京」跡地はどうなる？

2024年4月10日2024年9月26日

当ページには広告が含まれています

「IHI ステージアラウンド東京」（略称：ステアラ）が閉館したことが、公式サイトにて正式に告知されました。同劇場は、2017年3月30日開業し、2023年3月から4月にかけて上演された『新作歌舞伎ファイナルファンタジーX』の告知時に、ファイナルシーズンとなることが発表されていましたが、2023年度の営業を終え、7年間の歴史に幕を下ろしました。

「観客を乗せたまま座席スペースが回転する劇場」という、国内で他では経験できない唯一無二の観劇体験をもたらしてくれたステアラに感謝を込めて、ステアラがなぜ閉館するのか？跡地がどうなるのか？（2024年9月26日追記）どんな作品が上演されてきたのか、まとめてご紹介します。

IHI ステージアラウンド東京（ステアラ）とは

IHI ステージアラウンド東京（ステアラ）は、アジア初の没入型エンターテインメント施設として、東京・江東区豊洲で2017年春に開業した劇場です。1,300人以上の観客を乗せ、座席が360°回転する劇場として、様々な公演が上演されてきました。

「IHIステージアラウンド東京」のシステムは、2010年10月にオランダのアムステルダム郊外（Theater Hangaar）で誕生したものです。日本では、TBSテレビがシステム使用独占権を獲得し、アジア初・世界で2番目の同機構を持つ劇場として話題となりました。

FF歌舞伎上演時にファイナルシーズンと発表

「IHIステージアラウンド東京」は、もともと期間限定の劇場として2020年12月に解体される予定でしたが、新型コロナの流行による情勢変化、オリンピックの開催延期などの影響もあってか、営業期間が延長されてきました。

しかし、『新作歌舞伎ファイナルファンタジーⅩ』の上演発表時、2023年度がファイナルシーズンとなり年内に閉館することが告知されました。2023年度、つまり2024年3月末が期限だったようです。

ステアラはなぜ閉館？閉館後は取り壊しか

「IHIステージアラウンド東京」（ステアラ）があったのは、豊洲市場の近く（最寄り駅：ゆりかもめ「市場前駅」）です。現状、跡地に何になるのか明らかになってはいませんが、ステアラのある新豊洲地区では、2025年から東京ガスによる大規模開発の予定が発表されています。東京ガスグループの2023-2025年度中期経営計画「Compass Transformation 23-25」によると、商業施設ビルが建設されるようです。

東京ガス不動産HPより引用

東京ガス不動産：https://www.tokyogas-re.co.jp/about/toyosu22/

閉館した「ステアラ」をリノベーション！2025年春に「CREVIA BASE Tokyo」開業へ

2024年5月17日に、「ステアラ」の跡地について新しい動きがありました。

建物のネーミングライツを伊藤忠都市開発株式会社が取得し、「CREVIA BASE Tokyo」と命名したと発表（伊藤忠都市開発株式会社といえば、分譲マンションの「CREVIA」が有名ですね）。「ステアラ」の建物はそのままリノベーションして再利用され、2025年春に開業するとのこと。

そして、伊藤忠都市開発株式会社は、NEON Group Limitedと共同で、NEONの保有するコンテンツやエキシビションのノウハウを日本で展開するための日本法人としてNEON JAPAN株式会社を新たに設立。日本国内における「体験型エンターテインメント事業」の運営に参画するそうです。

NEONと言えば、ウォルト・ディズニー・カンパニーやマーベル・エンターテインメントとのパートナーシップを結んでおり、エンターテインメント体験の制作・プロデュースにおけるグローバルリーダー的存在。ジュラシックワールドやアバターなどの映画や、ラムセス二世、マチュピチュの文化遺産等の国宝に関する知的財産ライセンスを多数保有し、世界各国でエキシビション事業を手掛けています。

日本における事業進出を図るNEONと、事業の多角化・既存事業の強化を目指す伊藤忠都市開発。この2社が手を組むことで、世界的な「エンターテインメント体験」が日本でさらなる広がりを見せそうです。

なお、第1弾の企画として、2025年春に「CREVIA BASE Tokyo」で「ラムセス大王展ファラオたちの黄金」展の開催が決定しています。

リノベーションされた同施設で演劇が上演される機会があるのかは不明ですが、香取慎吾さんの個展が「ステアラ」で開催されたりもしていたので、もしかしたら･･･？ということも考えてしまいますね。今後の動向にも注目です。

『推しの子』アニメシーズン2に「東京ブレイド」上演劇場としてステアラが登場

2020年4月より「週刊ヤングジャンプ」にて連載され、「ヤンジャン！」「ジャンプ＋」でもWEB連載されている漫画作品「推しの子」。2024年7月より上演されているシーズン2では、舞台「東京ブレイド」の上演される過程が描かれていますが、その上演劇場として、実は「IHI ステージアラウンド東京」が登場しています。

劇場はなくなってしまいましたが、実際に劇場で様々な公演を楽しんだ身としては、アニメにその姿が残るのはとても嬉しいものです。

なお、「推しの子」は実写プロジェクトのドラマ版が2024年11月28日からPrime Videoにてプライム会員向けに世界独占配信され、その続きとなる映画が12月20日より全国公開されます。

そして、舞台化も！『演劇【推しの子】2.5次元舞台編』として、「東京ブレイド」が実際に舞台として上演されることも発表されました。上演は、2024年12月13日（金）から12月22日（日）まで東京・シアターH、12月26日（木）から12月29日（日）まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。「ステアラ」が存在していれば･･･！という思いがちょっとよぎります（笑）。

舞台にも「ステアラ」は登場するのか？上演が楽しみです。