アート×ファッションで拡張する世界！「HELI-X VISUAL ART EXHIBITION」展示会に【行ってみた】

2023年5月26日2024年7月31日

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アート×ファッションで拡張する世界！「HELI-X VISUAL ART EXHIBITION」展示会に【行ってみた】

2023年6月2日（金）より、新作舞台の開幕を控える舞台『HELI-X』シリーズ初の展覧会『HELI-X VISUAL ART EXHIBITION （ヘリックスビジュアルアートエキシビジョン）』が、東京・ラフォーレ原宿5階「MAKE THE STAGE」で開催中だ。

舞台だけではすべてを伝えにくい「アート」と「ファッション」表現の高さに改めてスポットを当てたこの展示会に、実際に足を運んでみた。展示スタートに先駆けて行われたレセプションパーティーの写真を交えながら、展示会の模様をご紹介する。

『HELI-X（ヘリックス）』は、既存コンテンツの舞台化ではなく、オリジナルストーリーをライブで客席に問い、舞台発で共に育てようと、毛利亘宏（脚本）と西森英行（脚色・演出）のタッグでスタートさせた舞台プロジェクト。

2020年12月にシリーズ第1弾を上演後、2021年に『HELI-XII～アンモナイトシンドローム～』、2022年に『HELI-X III～レディ・スピランセス～』を上演。6月2日（金）には『HELI-X～スパイラル・ラビリンス～』の開幕を控えている。

「”性別“を自由に選択できる」世界という、極めて難しいテーマに踏み込みながら、現代人の心理に深く切り込む物語の展開と、迫力あるアクションでエンターテインメント性に富んだ演出で独自の世界観を構築してきた本シリーズは、SF的で耽美な世界観を演出するビジュアルクリエイションも特徴的。

物語性をより拡張するファンタジックな写真とクールな宣材美術を手掛けるのは、独自のコンセプトでイノベイティブな表現を追求するフォトグラファー・アートディレクターの古田亘。

そして、『HELI-X』という世界のジェンダー環境をビジュアライズする衣裳は、すべて衣裳プランナー・メイキャップアーティストの鈴木真育が手掛けている。

レセプションパーティーは、西森・古田・鈴木のクリエイター陣に加え、歴代の出演者たちが大集合。西森による毛利のモノマネ（激似！）挨拶などを交えながら、和やかにスタートした。この模様は、平野良（オシリス役）司会のもと、ニコニコ生放送（チャンネル生放送）にて中継が行われた。

https://live.nicovideo.jp/watch/lv341297180

まず、スペースに入って目を引くのは、壁一面に飾られたフォトアート。これらは、パンフレットなどのビジュアル撮影時の未発表テイクを、古田の感性を交えながら特殊技法でそれぞれの役柄を象徴するモチーフやグラフィックと溶融させ、一つの作品に進化させたものだという。

撮影時、顔がはっきり見えないなど、舞台のビジュアルとして採用されない写真も多数ある。そこに、物語と各人物の造形を俯瞰しつつ、演じる役者が放つ気などを微細なフックを拾い上げ、古田のイメージに取り込むことで、さらに『HELI-X』という世界を拡張させるようなアートが生まれていた。

写真にはすべて、光沢エンボス加工ができる特殊プリント方式「グロスプリント」を採用。主にイラスト作品に用いられるこの方式を写真と融合させることで、まるで油絵具のように凹凸のある、立体的な作品に仕上げている。そのため、角度によって見え方が変わってくるので、ぜひ足を運べる方はご自身の目で体感してみてほしい。会期中は、古田が在廊していることが多いそうなので、ぜひ話しかけてそのイメージの源を聞いてみては。

そして、フロアでのメインは鈴木が手掛け実際に舞台で使われた衣裳が、細部までこだわったデザインの全貌を360度観賞できるように展示されている。また、鈴木がゴシックロリィタファッションの人気セレクトショップ「ATELIER-PIERROT」とコラボし、星元裕月が演じるサッドネスの衣裳をイメージしたアパレルアイテム2種類も展示。