2023年6月6日(火)より東京・PARCO劇場にて、第30回読売演劇大賞 最優秀演出家賞に輝いた五戸真理枝の演出で上演する、PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』。本作』で、主演の木村達成が「ハムレットRap」を歌うことが明かされた。
公式サイトにて公開された独創的でインパクトのある衣裳イメージが示すように、シェイクスピアの四大悲劇の一つと言われる『ハムレット』とは一線を画した作品となっている。
作詞・作曲は、ヒップホップMCのMummy-D(RHYMESTER)が担当。演出の五戸真理枝、そして劇中音楽を担当する斎藤ネコとのやりとりを経て、最先端の音を導入した楽曲が完成した。
エッジでキャッチーなトラックとともに、Mummy-Dが編み直した太宰治の言葉がエンタテインメントへと昇華する。ミュージカルでも活躍する木村が、リリックをビートに乗せて歌う姿は必見だ。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』は、6月6日(火)から6月25日(日)まで東京・PARCO劇場にて上演される。その後、福岡・大阪を巡演予定。
コメント紹介
五戸真理枝
一つの曲でこんなに心を動かされるんだと感動しました。太宰の内省的なつぶやきを180度転換してエンタテインメントにしてくださっています。あまり知られていない、太宰のエンターテイナーとしての一面が音楽になって姿を現した感じです。木村さんはもともとリズム感の優れた方ですが、Mummy-Dさんの歌唱指導でより深みのある歌になりました。素晴らしいラップに負けないように、ほかの場面も丁寧に作っていかなければと思っています。
Mummy-D
斎藤ネコさんから「演劇でラップをやりたいんだけど、誰かいい人いませんか?」と連絡をいただいて。ずっと一緒にやりたかったので「俺、やりますよ」とお返事しました。五戸さんとの話や衣裳や舞台のデザインに触発され、「これは最新の音でいかないとダメなやつだ」と思ってオケを作りました。難易度の高いラップですが、木村くんがすぐ歌いこなしてくれて本当にセンスがあるし、また俺の指導がいいんだなと思っています(笑)。
劇中歌「ハムレットRap」歌詞
馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ 僕は 大馬鹿野郎だ
いったい何のために生きているのか 生きているって言えるのか?
朝起きて 食べて ウロウロ 夜も食べて そのうちウトウト
遊ぶことばっかり考えて 生きた心地がしないじゃないか
僕の胃袋は この空想の胃袋は
人の5倍デカくて 10倍は貪欲 決して満たされることはない
もっともっと 強い刺激 さらにさらに激しい刺激
求めるくせに実は臆病で 怠け者な戯け者さ
心の冒険家 書斎の航海者
悲劇の英雄で 喜劇の名優さ
ドンファン気取って やっと君口説き落として
失うことを恐れて 安住の地を求めてる
僕は馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ 大馬鹿野郎だ
繰り返す 馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ 大馬鹿野郎だ
だって 世界中の女という女 一度はものにしたいのに
隣の娘さん一人に 係(かかずら)うというアイロニー
僕は 尊 敬 されたいんだ 真から敬服されたいんだ
この冴えた頭脳 冴えた手腕 冴えた人格 冴えた風貌 でも
尊 敬 どころか 人に騙されてばかりで
あの淋しい顔したしょうもないヤツが偉そうに見えてしょうがない
ああ、可哀そうだ 人間が 可哀そうだ
ホレーショーもポローニヤスもオフヰリヤも叔父さん、母さん、この僕も
みんな可哀そうだ 存在が 可哀そうだ
この僕の いのちが役に立つ なら今すぐあなたに差し上げます
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ
『新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~』
上演スケジュール
【東京公演】2023年6月6日(火)~6月25日(日) PARCO劇場
【福岡公演】2023年7月6日(木) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【大阪公演】2023年7月9日(日) 森ノ宮ピロティホール
スタッフ・キャスト
【作】太宰治
【上演台本・演出】五戸真理枝
【出演】
木村達成 島崎遥香 加藤諒 駒井健介/池田成志 松下由樹 平田満
あらすじ
デンマークの首府、エルシノア。国王が突然崩御し、弟のクローヂヤス(平田満)が即位、先王の妻で王妃のガーツルード(松下由樹)と結婚する。侍従長ポローニヤス(池田成志)の息子レヤチーズ(駒井健介)が遊学に出かける一方、遊学を認められない王子ハムレット(木村達成)は、定められた運命と、叔父であり義父となったクローヂヤス、母ガーツルード、そして恋人でありポローニヤスの娘でもあるオフヰリヤ(島崎遥香)との関係に思い悩む。
そんな折、友人ホレーショー(加藤諒)から先王の亡霊が現れるという噂を聞きつけ、ハムレットはクローヂヤスが 父親を殺したのではないかと疑念を抱き始める。
泣き虫のハムレット、秘密を抱えるオフヰリヤ、敬語を絶やさない王クローヂヤス・・・『ハムレット』と同じ役名ながらも一味違う、悩める登場人物たちの行く末やいかに!