玉城裕規、菊池修司らが紡ぐ愛と未来を賭けた戦い！舞台『HELI-X Ⅲ～レディ・スピランセス～』公演レポート

2022年6月13日2024年7月31日

当ページには広告が含まれています

玉城裕規、菊池修司らが紡ぐ愛と未来を賭けた戦い！舞台『HELI-X Ⅲ～レディ・スピランセス～』公演レポート

脚本を毛利亘宏、脚色・演出を西森英行が手掛けた舞台『HELI-X Ⅲ～レディ・スピランセス～』が上演中。性別を自由に選択できる技術「TRANS(トランス)」を生み出した世界を舞台に、“HELI-Xヘリックス”と呼ばれる“能力者”たちの戦いを描いてきた本作。W主演を務めている玉城裕規と菊池修司の他、宇野結也、久世星佳、後藤大、松田昇大、星元裕月、杉江大志、平野良らが出演し、新キャストとして元宝塚歌劇団男役の彩凪翔、天真みちるらも物語をかき回す新キャラクターとして登場し話題となっている。

『HELI-X』は、脚本を毛利亘宏（少年社中）、脚色・演出を西森英行（Innocent Sphere）が手掛けるプロジェクト。全世界を巻き込んだ第三次世界大戦後、超大国「ユナイト」の占領下となった極東の島国「大和」を舞台に、遺伝子工学の進歩により性別を自由に選択できる技術「TRANS（トランス）」のエラーから生まれた特殊能力者「HELI-X（ヘリックス）」たちの物語を描いている。

第一弾では元大和自治軍の軍人アガタ（菊池）と、恋人を失った暗殺者ゼロ（玉城）、運命的な出会いを果たした２人を中心に、人知を超えた様々な特殊能力を持つ人々の最初の戦いが描かれ、第二弾では、HELI-X犯罪を専門に扱う「螺旋機関」で玉城演じるゼロと菊池演じるアガタがバディを組み、新たな事件に挑む中で、アガタがかつてゼロと壮絶な別れを迎えた恋人が「TRANS（トランス）」を経た姿であることが判明した。

新たな物語が紡がれる第三弾では、その事実を知ったゼロが螺旋機関を抜け、「アンモナイトシンドローム」の首謀者であるオシリスと共にHELI-Xが支配する世界を作り上げようと暗躍する場面から始まる。そこにアンモナイトシンドロームの計画を阻止しようとするクライ（宇野）、ワカクサ（立道梨緒奈）の組織「ツインイプシロン」が立ちはだかり、ゼロはワカクサの能力により“悪夢”にうなされる。その痛々しさは体中から発せられる悲しみ、苦しみから感じ取ることが出来、ゼロ演じる玉城の慟哭は見る者の心を締め付ける。この痛みが、アガタへの思いの強さが、このシリーズに一区切りをつけることとなる。

その後、アガタが自分の中に押し込めていた思いを爆発させゼロに付き添うことを決意したことで、痛みに熱が高ぶった体がようやく落ち着き、赤子のようにアガタの胸に飛び込むゼロ。そしてそれを全身で受け止め包み込むアガタの姿は愛に溢れ、2人は不穏な世界の中でつかの間に“希望の光”を浴びてとてつもなく美しかった。ゼロとアガタの幸せを願わずにはいられない見どころのひとつだ。

そして、カンザキ大佐（久世）率いる「螺旋機関」には、「国際平和連盟」のセーレ（彩凪）とフルカス（天真）と名乗る2人が現れる。2人は螺旋機関の指揮権は国際平和連盟が持つことになったと告げ、「アンモナイトシンドローム」「ツインイプシロン」両組織の幹部の抹殺という指令を下す。しかし、この指令にも何者かの謀略が絡まり、これによって螺旋機関が危機的状況を迎えることに。さらに、オシリスの元にとある男が人間とHELI-Xにとって都合の悪い衝撃的な事実を伝えに来たことで、ゼロとアガタにこれまでとは比べようもない命の危機が訪れることになる。

共に行動するクライやサッドネス（星元）、そしてカンザキ、リュウジン（輝馬）、シデン（後藤）、ワカクサ、シュンスイ（松田）、イモータル（杉江）らHELI-Xは、自分の置かれた立場や信念、さまざまなものを天秤にかけながら何を大切にすべきか、誰を守り、誰を切り捨てるべきか、オシリスが差し出す究極の選択に迫られていく。最後まで緊張感に満ちた、“未来”を変えるための戦いから目が離せないだろう。ゼロとアガタの愛の物語の行方、そしてHELIXたちが選ぶ未来とは･･･ぜひその目で見届けてほしい。