2016年にA.B.C-Zの橋本良亮、河合郁人主演で初舞台化された『コインロッカー・ベイビーズ』が、2018年7月に再演されることが決定した。本作は、1980年に発表された村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」を原作とした今日の若者を表わす、激しくも切ない音楽劇。
主演は前回からの続投で橋本と河合が務めるが、今回は公演日によって橋本がキク役、河合がハシ役と、お互いの役を入れ替わって演じるダブルキャストに挑戦。初演当時からの「お互いの役に挑んでみたい」という二人の願いが、ついに実現した。
共演者は、初演に続いてハシのパートナーとなるニヴァ役のシルビア・グラブ、ハシを歌手として育てる猥雑なプロデューサーD役のROLLYら。さらに新キャストとしてアネモネ役の山下リオが出演する。再演決定にあたり、橋本と河合からコメントが届いている。
◆橋本良亮(A.B.C-Z)
――2016年初演時の思い出は?
初演をご覧いただいた方からは「(原作に登場する)ハシは橋本君だったんだね」と「それほどハシ役に入り込んでたね」と言っていただき、自分の中でも手ごたえがありました。公演初日から「この役は他の人にやってほしくない」と思っていましたし「ハシができるのは僕だ」と自信を持っていました。それこそ、後輩がやっているのなんて絶対に観たくないです(笑)。
初演で演じたハシは、すごくネガティブで常に落ち込んでいる役だったので、ハッピーなシーンがなくて演じていても本当につらく、いい意味で楽しかったシーンはなかったです。稽古場でも、演出の木村信司さんを筆頭に皆さん熱い方ばかりだったので、ケンカしたり意見がぶつかったりしながらも、刺激をいっぱい受けて、最終的にいい作品に仕上がったと思います。
――再演が決定した時の感想は?
最初に再演の話を聞いた時は、生意気かもしれませんが「やっぱりそうだよな。再演もするし、演じるのはこの二人だよな」と思いました。それほど自信がありましたが、一方で「またできるんだ」とホッとしました。
今回はハシだけでなく、キクもできるのが本当に楽しみです。キクはハシとは全く逆のキャラクターなので気持ちの入れ替えが大変だと思います。セリフも歌のハモリも二人分覚えないといけないので怖い部分もありますが、お客様に「橋本はキクもできるんだぞ!」とアピールできるようにがんばります。
――本作への意気込み
今回は、ハシだけでなくキクも演じるので「(河合君から)絶対にキク役を奪うぞ!」という気持ちで挑みます。前回を越えるような芝居とパワーアップした歌で皆様に届けたいと思います。
◆河合郁人(A.B.C-Z)
――2016年初演時の思い出は?
『コインロッカー・ベイビーズ』は、初めて「お芝居って面白いな」と思えた作品で、観に来てくださった方からも「今まで見たことのない河合君だったね」と言っていただきました。ファンの方たちもキクのような役の河合郁人が好きなようで、以降、色々な役を演じていてもキクと比べられるほどに影響力がありました。
劇中、ハシが刑務所に入って頭がおかしくなったのを見たキク自身の感情を歌うシーンは、歌に感情を乗せるのが凄く難しく大変でしたが、キクが答えを見つける瞬間の歌で、とても大事な歌だったで、去年のA.B.C-Zのライブでも歌いたいと思うくらいに大好きな曲になりました。
演出の木村さんはかなり熱い方で、本読みの段階から軍隊のような熱い稽古でした(笑)。一緒に悩んでくれる方で、ご自身で先に演じてみて危険がないかを確認してから演出してくださるので、余計にがんばらないといけない気持ちになりました。
――今回、再演が決定した時の感想は?
あの『コインロッカー・ベイビーズ』の世界にまた入れると聞いた時は、緊張よりワクワクの方が強かったです。初演の時は20代だったのですが、今は30代になりました。最初は10代の役をやるのは大丈夫かなと思いましたが、まだまだ若いので大丈夫だと思います。前回の大成功以上のものを見せないと、というプレッシャーもありますが、自信を持って再演ができるなという思いが強いです。
さらに、今回はハシもキクも演じます。一つの作品で二つの役を入れ替わって演じるのは初めての経験ですが、それによってお芝居の幅が広がったらいいなと思います。何よりも話題性がありますし、真逆なキャラをそれぞれ違うバージョンで見られるので、原作ファンの方にも楽しんで頂けるのではと思います。
――本作への意気込み
再演ということで、前回よりもパワーアップした『コインロッカー・ベイビーズ』を見せつつ「河合郁人とはこんなにも色々なことができるんだ」という発見も見られるような作品にしていきたいと思いますので、チーム一丸となって頑張ります。
『コインロッカー・ベイビーズ』は7月11日(水)から7月29日(日)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演される。その後、大阪、富山を巡演。日程は以下のとおり。
【東京公演】7月11日(水)~7月29日(日) TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】8月11日(土)・8月12日(日) 豊中市立文化芸術センター 大ホール
【富山公演】8月18日(土)・8月19日(日) オーバード・ホール