2026年5月27日(水)、東京・東急シアターオーブにてミュージカル『BOOP! The Musical ブープ! ザ ミュージカル』が開幕を迎えた。初日に先駆けて行われた開幕前取材会には、主人公ベティ・ブープを演じる礼真琴をはじめ、松下優也・水江建太、大澄賢也・東山義久、柚希礼音、そして本作の演出・振付を手掛けるジェリー・ミッチェルが登壇。終始ハッピーな空気に包まれた会見の模様をレポートする。

BOOP! The Musical』とは?ブロードウェイ話題作が日本初上陸
世界中で愛されるポップカルチャーアイコン“ベティ・ブープ(ベティちゃん)”を主人公にした本作は、白黒のアニメーションの世界からカラフルな現実世界のニューヨークへと飛び出したベティの冒険を描く、エネルギッシュなガールパワー・ミュージカル。
音楽をデイヴィッド・フォスター、作詞をスーザン・バーケンヘッド、脚本をボブ・マーティン、演出・振付を『キンキーブーツ』や『プリティ・ウーマン』でおなじみのジェリー・ミッチェルが手掛けている。
2023年のシカゴでのトライアウト公演を経て、2025年春にブロードウェイで初演されたばかりの新作が、早くも日本にやってきた。なお、本作がブロードウェイ以外で上演されるのはこの日本版が初となる。

今回、日本版で主人公のベティ役を務めるのは、宝塚歌劇団退団後初のミュージカル出演となる元星組トップスターの礼真琴。さらに、同じく元星組トップスターであり、礼にとって憧れの先輩である柚希礼音が共演することでも話題となっていた。
ジェリー・ミッチェル、礼真琴&柚希礼音ら日本版キャストを絶賛

会見では、まず演出・振付のジェリー・ミッチェルがキャスト陣を見渡しながら「この人たちのおかげで本当にスペシャルな日本版ができました。全員、本当に素晴らしいです。全員が素晴らしい才能を持ったスターです。8週間ご一緒させていただいていますが、毎日が喜びで溢れていました。皆さん、この人たちと同じ時代にいられるなんて、皆さんはラッキーですよ!心からそう思っています」と讃えた。
そして「ずっと宝塚のファンでした」というジェリーは、礼と柚希の二人に視線を向け、「お二人とご一緒して感じたことは、宝塚は本当に素晴らしい訓練をしているということです。私がお願いしたことは何でもできました。本当に素晴らしい才能です。同世代の柚希さんは、僕よりもダンスが上手い!信じられないほど素晴らしいダンサーです」と、宝塚歌劇団とスターたちの才能へのリスペクトを口にした。
礼真琴、宝塚退団後初ミュージカルへの想い「生まれ変わった気分」

宝塚退団後、初めてのミュージカル出演であり、女性役という大きな転換期を迎えた礼真琴。現在の心境について問われると「大緊張はしておりますが、共演者の皆さんが本当にスペシャルな方ばかりで。そんな方々と毎日一緒にやることのほうが緊張したので、今日からは思いっきり楽しみたいなぁと思ってます」と率直な思いを語った。一方、男役からの変化については「私は慣れましたけど、ファンの皆さんは、びっくりするだろうなあと思っています(笑)」と茶目っ気たっぷりに笑った。
ベティというアイコニックなキャラクターの役作りについては、「ジェリーさんからは、稽古中に『カートゥーンらしさ、アニメらしさを』というアドバイスをいただいていたので、冒頭、ベティのアニメから始まりグランパと一緒に芝居していく下りでは、特にアニメらしさが出たらいいなと意識しました。そこから、二幕に向かってだんだんとリアルな心が芽生えていく様子も大切にしたいなと思っているところです」と緻密な演技プランを明かした。
礼といえば鍛え上げられた筋肉も魅力の一つだが、女性らしいボディメイクについて尋ねられると「今もなお、頑張っている最中です。博多の大千秋楽まで努力し続けたいと思います」と力強く宣言。普段の洋服選びからも心構えを作っていたようで、「ベティちゃんは基本ミニスカートなので、ある時に決意を固めて、行ったことのないお店でミニスカートをいっぱい買いました。・・・この先、そのミニスカートの出番があるのかは不明ですが(笑)」と、様々なアプローチをしていたことを伺わせた。

また、退団後の振る舞いについては先輩の柚希に相談をしまくったという。「『質問があります』とちえさん(柚希)にたくさんお聞きしました。『明日は何を着るんですか?』『持ち物はなんですか?』『この時はメイクをするんですか?』とか、そういう初歩的なことから全部聞いていました」と、宝塚時代から続く微笑ましい師弟関係が垣間見える。
「声も仕草も動き方も、苦労したけど、生まれ変わった気分でやっているので、それも幸せな時間だったと思います」と笑顔を見せた礼。白黒の世界から飛び出したベティのように、スターは新たな世界で色鮮やかに輝き始める。
柚希礼音、後輩・礼真琴との共演に感無量

後輩の新たな門出に、柚希も「ぐっときております。感無量、大歓喜。真琴ちゃんの退団後初のミュージカルに関われることができて本当に感動しております。のびのびと公演できるようにみんなで支えていきたいと思います」と喜びを隠しきれない様子だ。
「私なんて、退団後ぎくしゃくしながら歩いていたのに、早くも女性として素晴らしく演じているし、アニメの『ベティちゃん』としても成立させているし、声の高さからしても素晴らしい!もう何にもかも素晴らしいです」と言う柚希に、かわいらしいベティの声で「ありがとうございます!」と応える礼。

そして、「ちえさん(柚希)がいてくださることで、私もここまで元気に来れました。この場を借りてお礼申し上げます。でも、舞台上(劇中)ではなかなか会えないんですよ。だから、会えた瞬間はその喜びをその場で爆発させたいと思います」と、深々と頭を下げながら敬愛する先輩への感謝を述べた。
松下優也&水江建太、大澄賢也&東山義久が語る“ジェリー・マジック”

ドウェイン役をWキャストで演じる松下優也と水江建太からも、和気あいあいとした稽古場の様子が伝えられた。
松下は「さいっこーに楽しいです!僕らは男として礼さんにツッコまれないように一生懸命頑張っていました。『それちゃうんちゃう?』とか言われるかもしれないじゃないですか(笑)」と声を弾ませる。礼から「お二人ともしっかりリードしてくださいました」と言われると、「ちえさん(柚希)には結構いろいろアドバイスをしてもらいました」と、しっかりサポートが入っていたことを種明かしをする一幕も。

一方で「僕は結構、リードしていただいたかも・・・(笑)」と切り出した水江に、礼は「失礼いたしました(笑)!」と爆笑。学びが多かったという水江は「本当に助かりました。いろんなことを勉強させていただいて、毎日明るく稽古できたので、すごく幸せでした」と稽古の様子を振り返った。

グランピー役をWキャストで演じる大澄賢也と東山義久は、ジェリーの手掛ける演出や振付、通称“ジェリー・マジック”の素晴らしさを力説した。「ジェリー・ミッチェルの作品にずっと出たい出たいと思っていた」という大澄は、「今回、ジェリーのディレクション、振付を受けられた毎日が本当に幸せで、僕にとってかけがえのない宝物になりました。ジェリーが魔法をかけてくれました」と喜びを語る。

東山がおどけて「いろんな不安もあったんですが、賢也さんのご指導のもとここまで来れたのは嬉しい限りです。賢也さんからは“全部俺の真似をしろ”と言われました」とコメントすると、大澄がすかさず「それはジェリーが僕につけてくれたものを映しただけだから(笑)!」と濡れ衣(?)晴らそうとカットイン。ベテラン二人は、Wキャストのため一緒の舞台に立つことはないが、息ぴったりで一つの役を作り上げた様子をうかがわせた。
礼真琴らキャスト陣が語る『BOOP! The Musical』の見どころ
劇中、終始ハッピーでキュートな空気に満ちている本作。「見逃せないポイント」について、礼は「全部なんですけど」と前置きしつつ、アンサンブルキャストの奮闘を取り上げた。
「今回、アンサンブルの皆さんがとにかく歌って踊って動き回って、パワフルにこの作品を盛り上げてくれています。本当に目が足りない作品なので、隅々まで見ていただいて、何回も来て、今日はここ、今日はあそこって楽しみながら観ていただきたいです」とアピールした。

松下がおすすめするのは2幕後半のシーン。「一つ上げるとするなら、僕がすごく好きなのは2幕の後半のベティのソロナンバー」と語り、「毎回すごく感動するし、僕がお届けするシーンではないんですけれども、礼さんが本当に素晴らしいので、見ていただけるのが今からすごく楽しみです」と礼のパフォーマンスを絶賛した。

一方、水江は「やっぱり、演出ですかね」と、舞台上の仕掛けに注目する。「何かが消えたり何かが現れたり、場当たりの時に客席から見ていたんですけど、本当に驚きがたくさん。これが“ジェリー・マジック”か!と思いました」と一観客目線で魅了された様子。

大澄は「僕はダンサーから出てきた者なので、ジェリーの振付を踊るアンサンブルのみんなのチームワークや心意気を楽しみにしていただきたいなと」とダンサーならではの見どころをピックアップ。同じく、ダンスを武器にしてきた東山も「一番最後にオールキャストでやるナンバーがあるんですけども、あそこの演出とダンスが僕はめちゃくちゃ好きで。きっとお客さんもご覧になったらうわ~!ってなると思います」と胸を張った。
柚希からは、今回の日本版ならではの特別な見どころとして、振付に関する大きな変更点が語られた。「ブロードウェイ版と違うバージョンとして、ジェリーさんが日本版で新たに振付を増やしてくださっています。日本版ならではの見どころで楽しんで観ていただけたらなと思います」。

さらに、物語のベティと現実の礼を重ね合わせて見ているという。「ベティちゃんが、いろんな愛によってカラフルに色づいていく。それはお花が開いていくようで、いつもすごく感動して見ているんです。その様は礼真琴とも重なります。愛で満ちた時の礼真琴が、もうすごく輝き出すのでその様子を見ていただけたらと思います」と、ファン目線も交えて熱弁した。
新たな世界の幕開けに「フルアウト!」

『キンキーブーツ』『プリティ・ウーマン』でも、愛とリスペクトを持って日本版のカンパニーを作ってくれたジェリーは、「ニューヨーク以外で『BOOP!』をやるのはこれが初めてです。だからこそ、彼らの『BOOP!』にしたかったんです。たくさんの喜びが溢れる舞台になりました。ご覧になっていただければ分かっていただけると思います」と、今回も絶大な信頼を寄せる。
会見の最後、ジェリーが「Full out! We’re gonna be full out!(フルアウト!全力でいきます!)」と大きな声で表明すると、一同は大盛り上がり。その熱気のまま、大千秋楽までハッピーな空気を届けてくれそうだ。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
『BOOP! The Musical ブープ!ザ ミュージカル』公演情報
| 公演情報 | |
|---|---|
| タイトル | 『BOOP! The Musical ブープ!ザ ミュージカル』 |
| 公演期間・会場 | 【東京公演】2026年5月27日(水)~6月21日(日) 東急シアターオーブ 【大阪公演】2026年7月4日(土)~7月22日(水) 梅田芸術劇場メインホール 【福岡公演】2026年7月30日(木)~8月16日(日) 博多座 |
| スタッフ | 脚本:ボブ・マーティン 音楽:デイヴィッド・フォスター 作詞:スーザン・バーケンヘッド 演出・振付:ジェリー・ミッチェル 美術:David Rockwell 衣裳デザイン:Gregg Barnes |
| キャスト | 礼真琴 松下優也・水江建太(Wキャスト)、鈴木瑛美子・藤森蓮華(Wキャスト)、渡辺大輔・中河内雅貴(Wキャスト)、まりゑ、青柳塁斗 大澄賢也・東山義久(Wキャスト) 柚希礼音ほか |
| チケット情報 | 一般発売: 【東京・大阪】2026年5月10日(日) 【福岡】2026年6月27日(土) |
| 公式サイト | https://www.umegei.com/boop2026/ ブロードウェイ版HP:https://boopthemusical.com/ |







