2018年7月11日(木)に東京・TBS赤坂ACTシアターにて音楽劇『コインロッカー・ベイビーズ』が開幕した。本作は、村上龍のベストセラー小説を原作に、コインロッカーに置き去りにされたハシとキク、二人の少年が運命に翻弄されながらも発する魂の叫びを描いた作品。2016年にA.B.C-Zの橋本良亮と河合郁人を主演に迎え初舞台化され、今回の再演では、続投する橋本と河合がハシ・キクの両役を演じる新たな試みが用意されている。
初日前にはフォトコールと囲み会見が行われ、橋本、河合に加え、山下リオ、シルビア・グラブ、ROLLYが登壇し、開幕を迎える心境を語った。
橋本は、2年前の初演終了時、プロデューサーに「次はキク役がやりたい!」と伝えていたという。「そうしたら、再演では(河合と共に)ハシとキク、両方演じることになりまして。『・・・やっちまった!』と思いましたね(笑)。でも、本当にキク役をやりたかったんです」と、笑いを交えながら経緯を明かした。
それに対し、河合が「(キク役をやりたいと思ったのは)「俺のキクがかっこよかったからだよね?」と振ると、「・・・この顔見て」と無表情を突きつける橋本。しかし、本当の理由を問われると「・・・(河合が)カッコよかったからです(笑)」と破顔し、河合を爆笑させた。
そんな河合は「僕も(ハシ役に)挑戦してみたいという思いは持っていたんですけど、まさか交互でやるとはおもっていなかったので。でも、新たなチャレンジができるということで、再演ですが初演のつもりで」と意気込む。
新キャストとして加わったアネモネ役の山下は、これが舞台3作目の出演。「すごくプレッシャーはあったんですが、大きな挑戦の場をいただいたなと思っています」とコメント。
シルビアとROLLYは続投キャストだが、ハシとキクが入れ替わることで、様々な違いを感じたという。ハシのパートナーとなるニヴァ役を演じるシルビアは、二人について「全然違うんですよ!新しい方の役の方を多く稽古していたんですが、(初演の役に)戻ると『おぉ・・・!そうだった・・・!』ってなります」と、新鮮な感覚を抱いていると明かした。
ハシを歌手として育てるプロデューサー・D役のROLLYは、劇中でハシとエロティックに絡むシーンがあることに触れながら、二人の違いについては「手触りが違うんです」とニヤリ。その上で、この挑戦を「ビートルズで言うならば、ジョン・レノンがポール・マッカートニーになって『Yesterday』を歌うようなすごさがありますね」と例えた。
両役をやるにあたって「『A.B.C-Z』ってグループはすごいなって思われたいんですよね。それが目標です」と河合。橋本も「お客さんに(初演の役のバージョンを観た時に)やっぱりこっちの方が良かったな、とは思われたくないです」と力を込めた。
最後に、河合は「前回よりも世界観が分かりやすくなるよう作ってきました。僕の中では残酷なフィナーレなんですけど、ものすごく明るく終わるのがかっこいいので、ぜひ観てほしいです最後まで突っ走りたいと思います」、橋本は「再演と聞くと、前回観に来てくださったお客様は構えると思うんですが、それ、越えます。自信はあります。自信しかないです。なので、期待して観に来てください」と呼びかけ、会見を締めくくった。
公開されたフォトコールでは、赤ん坊の格好をしたキャストたちが表題曲「コインロッカー・ベイビーズ」を歌い踊るシーンや、ハシとキクの再会、ハシとプロデューサーDの妖艶な絡み、ハシ・キク・アネモネがそれぞれの決意を歌う場面、ニヴァの前で狂っていくハシの姿などが披露された。
このほかの出演は、秋山大河(MADE/ジャニーズJr.)、福士申樹(MADE/ジャニーズJr.)、大西多摩恵、岡田あがさ、梅澤裕介、塩野拓矢、野田裕貴、加藤貴彦、藤岡義樹、菅谷真理恵、小板奈央美、伊藤彩夏、中西彩加。
『コインロッカー・ベイビーズ』は7月11日(水)から7月29日(日)まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演される。その後、大阪、富山を巡演。日程は以下のとおり。
【東京公演】7月11日(水)~7月29日(日) TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】8月11日(土)・8月12日(日) 豊中市立文化芸術センター 大ホール
【富山公演】8月18日(土)・8月19日(日) オーバード・ホール
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)