1980年の発表で世間に強烈なインパクトを与えて以来、第3回野間文芸新人賞を受賞するなど今もなおロングセラーを続ける村上龍による小説『コインロッカー・ベイビーズ』。この大人気小説が、音楽舞台として2016年6月4日(土)より、東京・赤坂ACTシアターにて上演されることが決定した。当時起こったコインロッカー幼児置き去り事件を題材にした本作は、若者の「魂の叫び」を感じると称賛され、今回ついに初舞台化されることとなった。
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原作タイトルの「コインロッカー・ベイビーズ」とは、コインロッカーに置き去りにされた主人公・ハシとキクを指し、彼らを主軸に、現代の若者に対する痛烈な批判の意味も込められている。密閉されたコインロッカーで何も出来ない、何をしても無駄に終わってしまうという、無力感や葛藤、屈服、反抗、逃走…、そうした姿で今日の若者を表す、激しくもせつない物語。東京の破壊だったり、妊婦を殺そうとして音を求めたりと、あらがえない壁を壊そうとするが、殺害や破壊では求めるものが手に入らないことを知る…。
ハシ役は、パフォーマンスユニット「A.B.C-Z」で活躍中の橋本良亮、キク役には、同じくA.B.C-Zの河合郁人が抜擢。キャスティングの理由について本作のプロデューサーは「お芝居と歌の表現力が長けていて、作品のメッセージにある、若者の持つエネルギー、純粋さ、可能性を、二人が秘めていると感じた。さらに、透明感あふれ、この役を演じる役者さんとして、最もふさわしいと実感した」と語っている。
原作の持つ強烈なメッセージを、音楽舞台というこれまでアプローチされたことのない方法で表現する舞台『コインロッカー・ベイビーズ』は、2016年6月4日(土)~6月19日(日)まで、東京・赤坂ACTシアターにて上演される。