梅津瑞樹と橋本祥平の「言式」第2弾!『或いは、ほら』で広げる可能性【レポート】

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2024年12月19日(木)に東京・I’M A SHOWにて、言式『或いは、ほら』が開幕した。初日前には、言式の梅津瑞樹と橋本祥平が取材に応じ、意気込みを語った。

目次

言式とは

「言式」『或いは、ほら』舞台写真

「言式」は、梅津瑞樹と橋本祥平による演劇ユニット。ユニット名には、“「試み」の分解であり、常にやりたいことを試みる”という意味が込められている。2023年10月には旗揚げ公演『解なし』を上演した。オムニバス形式で、様々な仕掛けが施されたエピソードを展開。梅津の感性が光る脚本と演出と、橋本祥平という“表現者”のパワーが掛け合わせた「試み」は、観る者の心を掴み好評を得た。

梅津瑞樹&橋本祥平「我々は胸を張って演劇をやっております!」【会見レポ】

「言式」『或いは、ほら』舞台写真

初日を迎えるにあたり、「昨日は眠れなかった」という橋本。「いよいよこの日が来たのか、というのが率直な今の気持ちでございます。去年の旗揚げ公演後から、すぐに次の打ち合わせをして未来に向かって進んでいたんですよ。今年の前半は、特に梅津さんと別作品でもご一緒する機会が多くて、その空き時間や移動中も、ずっと言式の話をしていました。それもあって、温め続けてきたものがいよいよ皆さんの元に届くと思うととても嬉しいです」と挨拶した。

脚本・演出も手掛ける梅津は「今回はちょっと不可思議なセットになっております。 旗揚げ公演では、“言式”という文字が書かれた箱が並べられていたんですけれども、今回はさらにシンプルな箱と布。前回に続いていろんな試みをしている舞台になってるのですが、それが皆さんの目に触れた時に、どのように評価されるのか。怖いというより、ワクワクしてます。こうして“0”から何か“1”を生み出すことは、自分が生きていく上での原動力だなと思います。1年という長いスパンで考え積み上げてきたものを披露できるので、気持ちよく年を越せそうという気持ちです(笑)」と語った。

新たな作品を生み出す上で「前作の『解なし』に大変なご好評をいただきまして。今回はあれを超えるものをどのように提供するのかという部分に、1年間頭を悩ませてきました」という梅津。本作については「今回も前回と同じくオムニバス形式の公演になっているのですが、また少し趣の違った作品になったかなと思っているので、皆さんにまた0から評価し、楽しんでもらえるかなと思っております」とコメント。

「言式」『或いは、ほら』舞台写真

その傍ら、橋本は梅津の向こうに新たな“未来”が見えたという。「僕らは普段、役者として一緒に舞台に立たせていただいているんですけれども、今回、脚本家、そして演出家としての道を行く梅津先生の新たな“可能性”が垣間見えた稽古期間でした。今回の作品は、スタッフさんたちにご意見をいただきながらも、ほぼ100%僕らで考えたものなので、前回以上に濃厚なものになったんじゃないかなと思います」と橋本。

「言式」『或いは、ほら』舞台写真

その言葉に、「ないない(笑)」笑っていた梅津だったが、演出面では「演劇として、2人だけで成立させること」にこだわったという。「自分たちの中でどこまで想像を膨らませて、役者のスキルをフルに使って挑戦して、その想像を実現するか悩みました。前回以上にシンプルなセットなので、稽古場には(箱以外)何もなかったんですよ。もしかしたら、稽古中はみんな不安だったかもしれません」と梅津。

すると、橋本は「でも(梅津さんには)見えていたわけじゃないですか。こうなるんだっていう絵が。僕も小屋入りして実際に見て、想像以上の驚きがあったので、この方は本当すごい人だなと改めて思いました」と、絶大な信頼を寄せた。

「言式」『或いは、ほら』舞台写真

言式の公演を「できたら1年に一度実現したい」という橋本は、「たくさんの方が『言式』楽しみって言ってくださって、ありがたいなと思っております。この企画って、僕らの頭の中を見てもらうような感覚なので、僕らはとにかく全力で。未来に繋がるような公演にできたらと思いますし、皆様の心にずっと残り続ける作品になるように、精一杯、千秋楽までがんばっていきたいと思います」と意気込む。

最後に、梅津は「稽古場で、いろんなスタッフさんから『演劇をやっているね』と声をかけていただくことが多くて、それが我々にとっても大変励みになりました。これから観にいらっしゃるお客様方にも、『我々は胸を張って演劇をやっております!』『楽しい演劇が劇場で待っているよ』と、自信を持ってお伝えしたいと思います」と会見を締めくくった。

『解なし』で導き出した言式の新たな「色」と「可能性」

「言式」『或いは、ほら』舞台写真

旗揚げ公演『解なし』を経て、彼らは「自分たちのやりたいこと」をという大きな「解」を導き出したようだ。梅津と橋本の新たな“試み”は、一層自分たちの「色」を出し、「可能性」を広げるものとなっていた。

オムニバスと謳いながらも、通して見ると一つの世界が浮かび上がる。劇場という空間をどこまでも大きく広げ、あるいは、とんでもなく小さく畳んでいく。

「言式」『或いは、ほら』舞台写真

橋本が、稽古場で聞いた梅津の「役者のフィジカルを使って、演劇というフィルターを通して(あらゆることを)可能に変えるんだ」という言葉が印象に残っている、と言っていた。作品を通して観て、梅津の中にある「役者・橋本祥平」の存在の大きさがにじみ出ていると感じた。

2024年の最後、最高に演劇している二人の役者を見て、胸がすく想いがした。「やっぱり演劇っておもしろい」。

「言式」『或いは、ほら』舞台写真

言式『或いは、ほら』は、12月19日(木)から12月29日(日)まで東京・I’M A SHOWにて上演。

言式 ライブ配信あり

なお、12月29日(日)12:30公演と17:30公演が、シアターコンプレックスにてライブ配信される。
【配信サイト】https://www.theater-complex.town/ja

言式 公演情報(チケットなど)

【公式サイト】https://genshiki.com/
【公式X】@genshiki_info

(C)言式

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

 
「言式」『或いは、ほら』舞台写真

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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