2017年10月8日(日)に東京・帝国劇場にて、ミュージカル『レディ・ベス』が開幕した。英国女王として約45年間君臨したエリザベス一世の若き日々から女王に即位するまでの波乱の人生を描いた本作は、2014年に同劇場でミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイ、そして日本の小池修一郎によって生み出された作品。それから約3年の月日が流れたが、メインキャストがほぼ全員変わることなく再演の日を迎えることとなった。
初日前日には囲み会見が行われ、レディ・ベス役をWキャストで演じる花總まりと平野綾、そしてロビン・ブレイクをWキャストで演じる山崎育三郎と加藤和樹が登壇した。
花總は「3年ぶりの再演ですが、初演時のような濃密な稽古をしました。舞台に立ってからもいろいろと変更が入って、バタバタなんです(笑)」と笑う。とはいえ、再演における様々な変更については「(演出の)小池先生とリーヴァイさんとの間で作られていく物語がより深くなり、ベスの両親との関係性もより深く描かれるようになりました。その結果、作品の芯が太くなった気がします」と語った。
平野も、再演について「作品として、ブラッシュアップされたなと。初演より登場人物の心情がより深く描かれ、人と人の繋がりも表現されている気がします。それから、作品にシリアスな部分が増えてきたようにも・・・」と明かし、「当時のイギリスの時代背景とか、ベスとロビンとの恋もより詳しく描かれます」と加えた。
最近は、映画やTVドラマといった映像の仕事が多かった山崎。意外にも本作が今年初の舞台となる。「久しぶりに稽古場に行ったら『皆、声がでかい!』って思いましたよ。ミュージカル俳優って声が大きいなあって(笑)。まあ、僕も3日で元に戻りましたけどね」と笑いを誘いつつ、その上で「この3年間で、自分も皆もいろいろな経験をし、ここに集まりました。きっと濃密な舞台をお見せできると思います」と自信をみなぎらせた。
そして加藤は「初演を迎えるような気持ちです。皆、役は変わっていないんですが、3年の時を経て自分が演じる役に対するアプローチの仕方に変化が出ていて、それがおもしろかったです」と振り返る。初演時は、ロビンという役どころについて「架空の人物なのでどういうスタンスでいればいいのか悩みました」と言うが、「でも再演では、それぞれの役に奥行きが出てきたので、初演ではなかった一面をも見せることができると思います」と、自身の変化を感じている様子。
また、この日(10月7日)は加藤の32歳の誕生日。さらに翌日(10月8日)は、平野が30歳の誕生日を迎える。平野は「ついに30歳になります!」と照れつつ報告し、「30歳になって初めての仕事がこの作品で本当に嬉しいです」と笑顔を浮かべていた。
再演となり、初演時より様々な部分で手が加わった『レディ・ベス』。ベスが最後に歌う曲も変わるそうだ。花總は「初演をご覧になれなかった方はもちろん、ご覧いただいた方にもぜひまた今回の再演を観ていただきたいです」とメッセージを送った。
ミュージカル『レディ・ベス』は10月8日(日)から11月18日(土)まで東京・帝国劇場にて、11月28日(火)から12月10日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)