映画と舞台を同時期に公開&上演という、映画界・演劇界にとって史上初の試みとして、上映中の映画版『真田十勇士』。その大ヒットを祝して、2016年10月5日(水)に東京・新宿ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が行われ、主演で猿飛佐助役の中村勘九郎、真田幸村役の加藤雅也、監督を務めた堤幸彦が登壇した。
公開から2週間ほどが経ち、改めて映画について聞かれると、勘九郎は「二人の子どもたちが十勇士ファンなので、映画を観た後は、子どもたちと十勇士ごっこをしています。みんな佐助なんです(笑)」と家族との微笑ましい様子を明かし、続いて加藤は「外国人の友達が『字幕版が何故ないんだ?』と言っていました。外国の方が観れないのはもったいないですね」と周囲の反応を語った。
勘九郎と加藤は、2014年の舞台初演から映画、舞台再演と、役柄同様に長い時間を共にしてきた、いわば戦友。お互いに対する初対面の頃と今の印象の変化を聞かれると、勘九郎は「かっこよく近寄りがたく怖い人なのかなと思っていたんですが、3年ほどご一緒させていただいて『こんなに天然な人はいないな』と思うようになりました」と答え、さらに「マキノさん(脚本)が当て書きしたんじゃないかと思うくらい、幸村様ですね(笑)」と加えると、加藤から「役作りですよ!普段から一生懸命役作りしてるんです(笑)!」という訂正が入り、会場は笑いに包まれた。そんな加藤は、勘九郎を「稽古をすごくされる方なので軸がぶれないし、勉強させていただくところが多く、完璧なリーダーとして信頼しています」と称賛。
また、堤は加藤について「一種の男の理想型。撮りがいがありますね」と男前ぶりに終始感心していたと明かし、勘九郎については「日本の芸の宝、ある種の象徴じゃないかと思います。形も完璧で重力がかかってないんじゃないかと思わせるほど。すごいなと思います」と加藤と同様に大絶賛した。
舞台版でもずっと一緒に仕事をしてきた3人は、映画でも激しいアクション、過酷なロケに挑んできた。撮影当時について話が及ぶと「寒かったですね・・・」と勘九郎が一言。堤は、オーストラリアの砂漠ロケでも雨に降られた経験を持つほど“荒天を呼んでしまう”そうで、勘九郎は「和歌山では絶対雪降らないと聞いていたのに、初日に雪降ったんですよね(笑)」と本作でも堤の力がいかんなく発揮されたことを思い出として振り返った。
この日は「申年」公開と「猿飛佐助」にちなみ、日光さる軍団の猿たちがスペシャルゲストとして登場。花束贈呈や『真田十勇士』ならぬ『さる田十勇士』のお芝居披露などを行った。また、“猿”飛佐助を演じていた勘九郎が猿まわしに挑戦する一幕も。
最後に、改めて堤が「二人を先頭に、キャスト、スタッフ一丸となって寒い冬を乗り切りました。思い出すと涙が出てくるようなことが色々とありましたが、自分にとって誇らしい代表作となりました。ぜひご覧になってください」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
映画版『真田十勇士』は、大ヒット公開中。
(C)2016『真田十勇士』製作委員会