ただ今、赤坂ACTシアターで公演中の『真田十勇士』。2013年夏の初演が好評を博し、早くも再演となった話題作だ。上川隆也演じる真田幸村を支える十勇士の一人、猿飛佐助を演じるのは柳下大。ストーリー上重要なキャラクターであるだけでなく、アクションも多いという大役、待望の再演に思うこととは?
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――いよいよ再演が始まりますが、最初に再演の話を聞いた時の感想はどうだったんですか?
一回じゃ終わらないだろうな、とは思ってたんですけど、こんなに早く決まるとは…というのが正直な感想でした。初演の時、会場との一体感というか、お客さんが本当に楽しんでくれる拍手…喜んでくれている、というのをすごく感じられたんですね。初日や千秋楽にそういう空気を感じるのはよくあるんですけど、この作品に関しては全ての公演でそれが感じられたので、この公演を観られなかった人、まだ観ていない人に観て欲しい…という想いは初演の時から強くありました。
――役柄的にかなりの大役ですし、アクションも多い。初演の時は大変だった部分もあったのでは?
もちろんそういう部分はあるんですけど、それよりも楽しさのほうが勝ってましたね。始まってしまうとあっという間でした。それだけ作品が魅力的だったんだと思うんです。作品力もそうですし、演出もそうですし、共演の方も素敵な方が集まっていて……勉強になりましたし、自分の向上心にもなりましたね。止まっている時間がなかったです。
――共演者の方も、ベテランから若手までそうそうたるメンバーですよね。
コミュニケーションや役へのアプローチ…芝居の面、芝居以外の面、本当にいろんなことを教えてもらいました。
――近年はさまざまな舞台作品に出演されていますが、こういったエンターテインメント性が強い作品はご自身はお好きだったんですか?
僕、もともと劇団☆新感線が大好きなんです。「中島かずきさんの脚本で役を演じたい」という念願がこの作品で叶いました。また再演で大好きだった役を演じることができる、という嬉しさはありますね。
――満を持しての再演、というわけですね。今回、再演を迎えるにあたって初演と変化を感じられている部分はありますか?
カンパニーに関して言うと、やはり上川さんがムードメーカーでありトップを走ってくれるので、現場の空気は変わらないですね。でもキャストが少し変わったことで、作品全体の空気感は少し変わったんじゃないかな。あと、よりそれぞれの役の個性が出た気がしますし、それでいて団結力も増したんじゃないかな。
――ご自身の役柄に関してはどうですか?
初演の時は体が思うように動かない部分があったんです。今回は再演の話を早めに聞いていたので、半年くらいかけて体を作っていきました。実は初演の時、台本には殺陣の部分が具体的には書いてなかったんですね。稽古をしつつ、殺陣師の渥美さんがそれぞれの技量を見ながら作り上げていって出来上がったものなんです。なので今回はそれぞれの動きに対して余裕ができましたね。殺陣の一つ一つを丁寧に、より緩急を付ける……というのが僕なりの今回の課題です。
演技に関してもそうですね。出す部分はより大きく、引くときはより大きく引く、強弱の幅をつける。大役ですし、前回はこのキャストの中でやらせてもらえるらえるということで、もう何も考えずに必死についていくという部分が多かったんです。今回はそれをもう一歩超えた段階。キャストの皆さんとの信頼関係もありますし、役に関してもより細かく考えられるようになりましたね。
――最後に、観に来られる方にメッセージをお願いします。
今回はじめて観る方はもちろんですが、チームワークやそれぞれのキャラクター、雰囲気が今回変わっているので、前回観た方もぜひ観て欲しいですね。また今回は名古屋、大阪に加えて九州公演もあります。僕、親戚が福岡にいるんで嬉しいんです。遠くて前回観に行けなかったっていう方にも、ぜひ観に来ていただきたいと思っています。
■柳下大(やなぎした とも)プロフィール
1988年6月3日生まれ 神奈川県出身。2006年俳優デビュー。TBS『タンブリング』、舞台『熱海殺人事件 Battle Royal』、ブロードウェイ・ミュージカル『アダムス・ファミリー』などにも出演。2015年は現在上演中の『真田十勇士』に加え、2月24日(火)から『つかこうへいTriple impact いつも心に太陽を』に主演、そして5月21日(木)からDステ16th×TSミュージカルファンデーション『GARANTIDO』に出演予定。
■舞台『真田十勇士』あらすじ
時は慶長19年。徳川の大坂(豊臣)攻めが間近となった頃。はぐれ忍びの猿飛佐助と由利鎌之助が、徳川家康の首を狙って待ちかまえていた。そこに現れたのは霧隠才蔵ら手練れの者と彼らの首領・真田幸村。そして、服部半蔵を伴った家康。家康は幸村を徳川方へと誘うが、幸村は豊臣方につく意思を伝える。
一方、大坂では豊臣秀頼と淀の方が、幸村が味方につくことを喜んだものの、実戦経験の少ない幸村の扱いは決して良いものではなかった。
幸村のあとを追ってきた佐助らが家来に加わり、ついに真田十勇士が誕生する。しかし、とある失態で大坂城から放逐されそうになる幸村は、これを逆手にとって大坂城のさらに外に真田の兵が守る出丸を建築することを提案する。
徳川と豊臣、そして真田幸村、一世一代の合戦が今始まる―。
『真田十勇士』
2015年1月8日(木)~25日(日)東京・赤坂ACTシアター
2015年1月31日(土)~2月1日(日)愛知・中日劇場
2015年2月5日(木)~8日(日)大阪・梅田芸術劇場メインホール
2015年2月13日(金)~15日(日)福岡・キャナルシティ劇場
【キャスト】
真田幸村:上川隆也
猿飛佐助:柳下 大
ハナ・花風:黒川芽以
霧隠才蔵:葛山信吾
服部半蔵:山口馬木也
由利鎌之助:松田賢二
真田大助:渡部 秀
豊臣秀頼:相馬圭祐
大野修理治長:小須田康人
根津甚八:粟根まこと
望月六郎:鈴木健介
三好清海入道:吉田メタル
大野治房:俊藤光利
三好伊佐入道:佐藤銀平
穴山小介:玉置玲央
筧 十蔵:三津谷亮
淀の方:賀来千香子
徳川家康:里見浩太朗
【スタッフ】
脚本:中島 かずき
演出:宮田 慶子
主題歌:中島 みゆき
「月はそこにいる」(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
題字:紫舟
Photo:高橋将志