昨年末、再演&映画化が発表になっていた、スペクタクル超大作舞台『真田十勇士』。本作は、豊臣・徳川の最後の決戦“大坂の陣”から400年となる2014年に、脚本をマキノノゾミ、演出を映画監督の堤幸彦で上演され大ヒットを記録した作品だ。その映画版のクランクアップ報告記者会見が、2016年3月17日(木)に都内で行われた。
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「映画」と「舞台」を同時期に公開・上演するという、映画界・演劇界にとって史上初の画期的な試みとなる本プロジェクト。和太鼓団体、信州上田・真田陣太鼓保存会による勇壮な和太鼓演出披露のあと、劇中の甲冑や着物に身を包んだキャストが登場した。これまで出演が発表になっていた猿飛佐助役の中村勘九郎、霧隠才蔵役の松坂桃李、火垂役の大島優子に加え、永山絢斗、加藤和樹、高橋光臣、駿河太郎、村井良大、荒井敦史、青木健の十勇士メンバー、さらに加藤雅也、大竹しのぶ、石垣佑磨、そして、監督の堤の総勢14名が勢ぞろい。
会見では、まず主演の勘九郎が「2014年の舞台中に“映画にしてくださいよ~”と冗談で言っていたら本当になって、さすが堤監督だなと」と明かした。約2ヶ月半の撮影については覚悟はしていたものの予想以上に過酷だったと言うが、「セットは豪華で、ロケ地も広大、夢みたいな2ヶ月半でした。飛べない設定なのでワイヤーアクションはなかったのですが、松坂くんに抱えられて飛ぶシーンがあってとても楽しかったです」と振り返った。
松坂は、「台本からは想像できないことがたくさん起こりました。“馬と一緒に走ってください”と堤監督に言われて、“馬に乗るんですか?”と聞き返したら、“いや、馬と一緒に並走して走ってください”と言われて。何を言ってるんだろうか?と思ったのですが(笑)」と不可能を可能にする堤のオーダーを暴露。大島も「監督はなんでもやらせるんです(笑)。私は木を縦に走るアクションをワイヤーでやりました。なかなか難しかったですが、いい経験になりました。堤監督は何度かご一緒させていただいていますが、イチイチすごいなと」と笑った。
そんなキャストからの声を受け、堤は「とにかく面白いものにしなくてはいけないというプレッシャーを受けています。なにしろ役者の熱量が半端ないです。日本映画でできるあらゆることを詰め込みましたので、盆・暮れ・正月がいっぺんにくるような映画に仕上げたいと思っています」。そして、舞台については「再演は、さらに上回ることをしなければいけない。初演では役者さんはバックヤードでは針治療を受けながら舞台に出ていてツラい状況だったのですが、再演はもっとすごいです。再演は映画を上回るものにしたいですし、映画は相乗効果で映画の最高峰を狙っていき、パワーをたたきつける作品にしたいです」とその熱い想いを語ってくれた。
最後は、登壇者一同で威勢良く“出陣のご発声”を行い、熱のこもった会見を終えた。映画『真田十勇士』は、2016年9月22日(祝・木)より全国公開。
【あらすじ】
天下の名将と名高い真田幸村は、実は腰抜けだった・・・幸村を本物の立派な武将に仕立てるため、猿飛佐助が大博打に打って出る。抜け忍仲間の霧隠才蔵を筆頭に、才蔵の手下である三好兄弟(清海・伊三)、数々の戦を戦い抜いてきた由利鎌之助や筧十蔵、頭脳明晰な海野六郎や真田幸村の息子・真田大助。その大助の剣術指導者・望月六郎、更に十勇士の成りすましとして拘束されながらも、最後に迎えられる根津甚八。超個性的な10人が集まり、「真田十勇士」を結成。いざ、徳川軍との決戦に挑んで行く!