2015年9月5日(土)・6日(日)に東京・天王洲 銀河劇場にて『7seconds~決断の瞬間まであと7秒~』が上演された。本作は、2014年4月に上演された『あの日、星は重かった』に続く、歌と朗読で表現する新しい形の朗読劇。耳馴染みのある昭和の歌謡曲から最近のJ-POPまでを織り交ぜて、物語を綴る。
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出演者には、前作引き続きの出演となる人気声優の小野大輔に加え、ヴォーカリストの藤岡正明、女優の肘井美佳、お笑い芸人の金成公信(ギンナナ)、元宝塚歌劇団男役出身の樹里咲穂と、まったく違うジャンルで活躍してきたメンバーが顔を揃える。描かれるのは、“人生の決断”にまつわる時を切り取った5つのストーリー。
タイトルにもあるsecond=秒。人は、常に一瞬一瞬を選び取る“決断”を繰り返している。後で冷静になると「どうしてあんなことを…」「あそこで違う決断をしていたら…」と思うこともしばしばだが、その瞬間は誰もが必死。懸命に刻んだ一瞬が消えない痕になり、積み重なって人生となるのだ。5つのストーリーの中で訪れる、7つの決断の瞬間、決断に至るまでの緊迫の7秒。その向こうに見えてくるものとは―。
劇中では、「贈る言葉」(海援隊)、「男」(久宝瑠理子)、「ちっぽけな勇気」(FUNKY MONKEY BABYS)「空と君のあいだに」(中島みゆき)、「守ってあげたい」(松任谷由実)といった数々の名曲が登場し、藤岡、樹里を筆頭に素晴らしい歌声を聴かせてくれる。物語に寄り添う形で歌い上げられる曲たちは、新しい意味をまとって心に届く。ふと振り返ると、自分自身にも音楽とともに思い出される記憶がたくさんあることに気づいた。
様々な役を声だけで演じ、歌うことで感じる芝居の奥深さ、朗読と音楽が出会うことで生まれる広がる魅力。朗読劇の新しいスタイルに触れ、人生の“瞬間”として記憶に刻める作品となっていた。
写真/狐塚勇介(本文1枚目)