2019年1月9日(水)から1月11日(金)にかけて行われる『ヴォイス・オブ・ウエストエンド』。本公演では、ミュージカルの聖地、ロンドン・ウエストエンドで活躍するトップスターたちが日本で共演し、“最高の歌声”を聞かせてくれる。
今回来日するのは、ジョン・オーウェン=ジョーンズ(『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』)、ケリー・エリス(『ウィキッド』『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』)、ハドリー・フレイザー(『オペラ座の怪人』『ヤング・フランケンシュタイン』)、ベン・フォスター(『ジーザス・クライスト=スーパースター』『オペラ座の怪人』)、ソフィー・エヴァンズ(『オズの魔法使い』『ウィキッド』)の5名。
本インタビューでは、『ウィキッド』で英国人として初めてエルファバ役を演じたケリー・エリスに、公演に向けて話を聞いた。
――はじめまして。今回、日本に初来日していただけますね。
はい。今から、日本の皆さんにお会いできることを本当に楽しみにしています。皆さんのために歌える日が待ちきれません。
――ケリーは、『ウィキッド』のエルファバ役をイギリス人として初めて演じましたね。オーディションはどんなものだったんですか?
それはそれは大変でした(笑)。7回か8回、オーディションを受けたと思います。
――その役だけで?
そうです。オーディションでは、いろいろやりましたよ。「ディファイング グラヴィティ」を歌ったり、いくつかのシーンを演じたり。他の人との絡み・・・グリンダやフィエロとのシーンをやったりもしました。オーディションでは「ディファイング グラヴィティ」を何回歌ったか分かりません。本当に歌えるのか、ただのまぐれではないことを知るためですね。本当に大変でした(笑)。
でも、私にとっては新しい世界への一歩だったので、ワクワクしていました。私は、ショーのことをあまり知らなかったんです。ショーというのは奥深い世界なので知識がないこともありましたし、見たこともなかったんですよ。その頃は、今のように「YouTubeでどこでもなんでも見られる」という環境はありませんでしたから。知らないことが多い世界だったけれど、それが逆に、私にとっては大きな発見をもたらしてくれたんです。
役も得た時の電話は、今でもよく覚えています。当時『レ・ミゼラブル』に出ていたんですが、ショーの合間、電話が鳴って誰かが叫んでいるの。一緒に仕事していた人たちが、劇場の窓から乗り出して「あなたが取ったわよ!」と教えてくれて。これには驚きました。その時のことを思い出すと、今でも鳥肌が立ちます。本当に、魔法のような出来事でした。
――ケリーは「ディファイング グラヴィティ」を収録したCDを出したり、ロックバンド「Queen」のブライアン・メイとのコラボレーションの中でもロックスタイルで聴かせてくれたりしていますね。
ええ。今、私は「ディファイング グラヴィティ」を様々な方法で歌っています。レコーディングをしたのは、私が初めてだったわ。ブライアンは、ショーを観に来た時にあの曲に恋してしまったの。だから、二人で少しロックアレンジしたバージョンで歌うことにしたの。だから、ブライアンと私の関係上、二人であの曲に挑戦することは当然だったわけです。
「ディファイング グラヴィティ」を歌い続けることは、私にとって“やるべき”ことだと感じたの。歌い続けるには、私にとってやや個人的なものにしたかったというのもありました。ロックテイストは、ブライアンのセンスが作り出したもの。いろいろな方法で歌ってきましたが、今は、より多くの歌える機会があることに感謝しています。
――『ヴォイス・オブ・ウエストエンド』でも、歌っていただけると聞いています。
ショーでは、本当に重要な、第1幕の最後で歌ってきたし、これからも歌い続けるわ。コンサートでは、私のすべてを込めます。「ディファイング グラヴィティ」は、いつ歌っても新鮮で、多分、昔よりもっとこの歌を歌うことが好きになっています。アコースティックでも歌えるし、オーケストラでも歌える。この歌についてはしっかりと理解をしているので、異なる環境の中で、どう歌えるかという多様性を楽しんでいます。
――『ヴォイス・オブ・ウエストエンド』での共演者について、聞かせていただけますか?
ジョンは、長年に渡ってよく知っています。2005年には『レ・ミゼラブル』で一緒でした。多くのコンサートでも一緒に歌っています。私は彼の大ファン。笑わせてくれるし、並外れた声の持ち主であることは間違いないわ。ベンは、数年来、お互いによく知る仲です。一緒にショーに出演したことはまだありませんが、コンサートでは一緒に歌ったことがあります。ソフィーとも共演をしたことはないのですが、彼女は美しい人ですね。彼女と一緒に歌えるのが楽しみです。一緒に日本の街をブラブラしたいわ。ハドリーの追加出演も決まったし、本当に素敵で驚くべき才能の持ち主が集まったわ。
――観客は、あなたたちにどんな期待をして劇場に向かえばいいですか?
観客の皆さんを、旅に連れて行きたいです。ロック風のアップテンポな楽曲であろうと、『レ・ミゼラブル』の「アイ・ドリームド・ア・ドリーム」のような感動的な歌であろうと、何かを感じ取ってほしいのです。それから、できれば笑わせたいし、泣かせたいし、歌ってもらいたいし、微笑んでもらいたいし・・・一つのショーで、観客に感情のすべてを伝えて、一夜の“感情のジェットコースター”を差し上げたいわ。
――最後に、公演を楽しみにしている方へメッセージを。
私は、皆様へ私たちのショーをお見せえできることを本当に楽しみにしています。今回の来日では、『ヴォイス・オブ・ウエストエンド』のほかにも、ソロコンサートも待っています。つい最近、「20周年記念ツアー」としてイギリス全土で行ったショーを、日本でも行うことができます。これは20年間の私の歴史と、今後の新しい未来への展望を祝うという意味を込めたコンサートになります。どちらも、日本の皆さんのために公演できることが待ちきれません。劇場で、お会いしましょう!
◆公演情報
ミュージカルコンサート『ヴォイス・オブ・ウエストエンド』
2019年1月9日(水)~1月11日(金) 東京・Bunkamura オーチャードホール
【出演】ジョン・オーウェン=ジョーンズ、ケリー・エリス、ハドリー・フレイザー、ベン・フォスター、ソフィー・エヴァンズ
【セットリスト(予定)】
The Music of the Night(ミュージック・オブ・ザ・ナイト):『オペラ座の怪人』より
Defying Gravity(ディファイング・グラヴィティ):『ウィキッド』より
Somewhere Over The Rainbow(虹の彼方に):『オズの魔法使い』より
『レ・ミゼラブル』メドレー
Tonight(トゥナイト):『ウエスト・サイド・ストーリー』より
ほか
※2018年11月時点での予定、曲目は変更になる場合あり
【公式HP】https://www.voiceofwestend.com/
ケリー・エリス ファースト・ソロコンサート
2019年1月12日(土) 東京・よみうり大手町ホール