梅雨らしい雨模様が続く6月下旬。今月も多くの新作公演などが発表されました。また、ミュージカルファン待望のミュージカル『レ・ミゼラブル』の帝国劇場クロージング公演のキャストなども明らかになりました。ミュージカル『七色いんこ』、ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』、ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~など、注目作そろいです。そこで今回、5月に発表された新作公演・追加発表された公演の中から編集部が特に気になった作品をピックアップしてみました。
ミュージカル『レ・ミゼラブル』
2024年から2025年にかけて、東京・帝国劇場から始まる全国ツアー上演が発表されていたミュージカル『レ・ミゼラブル』のキャストが発表されました。本公演は帝劇クロージング公演となっており、建て替え前の現・帝国劇場で上演されるのは今回が最後です。
現・帝国劇場の掉尾を飾るクロージング公演および全国ツアー公演のキャストは、以下の通りです。
【配役/キャスト】※★は初出演、☆は役替わり出演
ジャン・バルジャン:吉原光夫、佐藤隆紀、飯田洋輔★
ジャベール:伊礼彼方、小野田龍之介☆、石井一彰☆
ファンテーヌ:昆夏美☆、生田絵梨花☆、木下晴香★
エポニーヌ:屋比久知奈、清水美依紗★、ルミーナ★
マリウス:三浦宏規、山田健登★、中桐聖弥★
コゼット:加藤梨里香、敷村珠夕、水江萌々子★
テナルディエ:駒田一、斎藤司、六角精児、染谷洸太☆
マダム・テナルディエ:森公美子、樹里咲穂、谷口ゆうな
アンジョルラス:木内健人、小林唯★、岩橋大☆
本作でミュージカル初出演の方がいたり、これまでの馴染みのある役から役替わりをした方がいたりと、今回もわくわくする顔ぶれが揃っています。どの組み合わせで見るか・・・候補を絞るのも大変ですね。
コブクロ JUKE BOX reading musical ”FAMILY”
小渕健太郎さん(G&Vo)、黒田俊介さん(Vo)による日本を代表するボーカルユニット「コブクロ」の名曲が、ミュージカル朗読劇になることが決まりました。出演は、日替わりの男性キャスト2名。日替わりキャストはそれぞれ1回のみの組み合わせとなります。
物語は、2人の男の夢や家族、恋など、人生の1シーン1シーンに、コブクロの名曲が重なる形で展開していきます。出演者には、ベテランからフレッシュな若手まで揃っており、個々の演じ方で作品を多角的に楽しめることも本作の魅力の一つとなりそうです。
ミュージカル『ケイン&アベル』
2025年1月から3月にかけて、東宝ミュージカルの最新作、ミュージカル『ケイン&アベル』の上演が決定しまいた。イギリスの国民的作家、ジェフリー・アーチャーのベストセラー小説を原作に、東宝とキューブの製作でオリジナル・ミュージカルを世界初演します。主演を務めるのは、東宝ミュージカル初主演となる松下洸平さん、そのライバル役は松下優也が演じます。
出演者には、松下洸平さん、松下優也さんのほか、咲妃みゆさん、知念里奈さん、愛加あゆさん、上川一哉さん、植原卓也さん、竹内將人さん、今拓哉さん、益岡徹さんらが名を連ねており、そして、宿命のライバル同士にとって最大の衝突を生むきっかけとなる、デイヴィス・リロイ役には、東宝ミュージカルを牽引してきた山口祐一郎さんが決定しています。
ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』
2025年1月から2月にかけて、東京・日生劇場にて上演されることが決定したミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』。本作は、『オペラ座の怪人』の続編となるミュージカル作品で、日本では2014年に初演され、今回が3度目の上演です。
上演発表に併せてファントム役とクリスティーヌ役のキャストも明らかになり、ファントム役は橋本さとしさん、市村正親さん、石丸幹二さん、クリスティーヌ役は真彩希帆さん、平原綾香さん、笹本玲奈さんと、それぞれトリプルキャストを務めます。
『Come Blow Your Horn~ボクの独立宣言~』
2024年10月に、『Come Blow Your Horn~ボクの独立宣言~』の上演が決定。主演を務めるのは、髙地優吾さん(SixTONES)。髙地さんは、これが初の単独主演となる。
本作は小粋なセリフとハートフルな作風で日本でも人気が高い、アメリカを代表する劇作家ニール・サイモンが 3 年半の歳月をかけ何度も何度も書き直しを重ねて完成させたブロードウェイのデビュー作『Come Blow Your Horn』を原作とする傑作コメディ。映画化もされ、日本でも幾度となく上演されています。
髙地さんが演じるのは、兄に触発されプレイボーイに変わっていく、控えめで内気な主人公バディ・ベーカー。そして、その兄アラン役は忍成修吾さんが演じます。
ミュージカル『七色いんこ』
2024年9月に手塚治虫の不朽の名作「七色いんこ」がミュージカル化されることが決まりました。「七色いんこ」は、1981年から1982年まで「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に連載された手塚治虫の漫画作品で、代役専門の天才役者にして泥棒という異色のキャラクター「七色いんこ」を主人公にした犯罪活劇。
代役専門の天才役者にして泥棒、軽妙洒脱な主人公の七色いんこを演じるのは、元宝塚歌劇団男役スターで、多方面で活躍する七海ひろきさん。格闘術と射撃術に秀でた警視庁の刑事で、いんこを追うヒロイン千里万里子役を、元宝塚歌劇団娘役スターで高い歌唱力を持つ有沙瞳さんが演じます。
その他、藤田玲さん、土屋直武さん、古谷大和さん、新正俊さん、大森夏向さん、岡村さやかさん、髙橋果鈴さん、藤本結衣さん、倉持聖菜さん、齋藤千夏さん、高木トモユキさん、郷本直也さんらが名を連ねています。
ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~
ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~が、2024年9月に再演されることが決定。月刊「Gファンタジー」(スクウェア・エニックス刊)で連載中の大人気漫画「黒執事」を原作に、2009年より長きに渡り舞台公演を行ってきました。
今回は、4月から6月にて放送されたアニメ『黒執事 -寄宿学校編-』でも描かれた、原作14~18巻の「寄宿学校編」を、2021年の初演からパワーアップして再び上演します。
前作からセバスチャン・ミカエリスを務める立石俊樹さん、シエル・ファントムハイヴ役の小西詠斗さん、葬儀屋役の上田堪大さんが続投。また、英国屈指の名門寄宿学校・ウェストン校に通う生徒たち、プリーフェクト・フォー(通称:P4)にはエドガー・レドモンドに神里優希さん、ロレンス・ブルーアーに栗原航大さん、ハーマン・グリーンヒルに塩田一期さん、グレゴリー・バイオレットに定本楓馬さんが決定しました。
舞台『応天の門』
2024年12月に明治座にて舞台『応天の門』の上演が決定。併せて、第一弾キャストが発表され、佐藤流司さん、高橋克典さん、花總まりさんが出演することがわかりました。
「応天の門」は、2013年より「月刊コミックバンチ」「コミックバンチ Kai」(新潮社)にて連載中の灰原薬の人気歴史漫画。美麗な筆致を活かし『戦国BASARA2』や『SP 警視庁警備部警護課第四係』など多くのコミカライズを手掛ける灰原は、2017年に第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞するなど歴史漫画として高い評価を得ています。
物語の舞台は、平安時代。学問の天才と称される菅原道真と、都で随一の色男である在原業平がタッグを組み、京の都で起こる怪奇事件を次々と解決。陰謀渦巻く平安京で事件を引き起こすのは、鬼か物の怪か、はたまた人の仕業か・・・。様々な思惑がひしめく平安京に「知力」で挑む道真と業平の息の合ったコンビネーションや、京に住まう人々の生き様が優美に描かれています。
ミュージカル『tick, tick…BOOM!』
2024年10月から11月にかけて、ミュージカル『tick, tick…BOOM!』の上演が決定しました。出演者には、薮宏太さん、梅田彩佳さん、草間リチャード敬太さん(Aぇ! group)が名を連ねています。
本作は、ブロードウェイの歴史を変えたミュージカル『RENT』を生み出しながらも、開幕日を迎える寸前に急逝した伝説的ミュージカル作家ジョナサン・ラーソンの下積み時代の経験をベースに、自身の葛藤と成長を楽曲の数々で綴ったミュージカル作品。2001年にオフ・ブロードウェイにて上演されたことを皮切りに、日本をはじめ、イギリス、カナダなど各国にて上演され、2021年には映画化も果たしアカデミー賞2部門にノミネートされた注目作です。
舞台『鴨乃橋ロンの禁断推理』
大人気漫画「鴨乃橋ロンの禁断推理」(集英社「少年ジャンプ+」連載)が、2024年11月に舞台化されることが決定。併せて主人公・ロンとその相棒・トトが並ぶティザービジュアルも公開、岸本勇太さん・野嵜豊さんがW主演を務めることが発表されました。
「鴨乃橋ロンの禁断推理」は、2020年より連載中の天野明による大人気ミステリー漫画。世界最高峰の探偵養成学校BLUEでトップの成績を修め天才と呼ばれながらも、ある事件により、探偵免許の取得資格を剥奪された訳あり探偵・鴨乃橋ロンが、ピュアでマヌケな警視庁捜査一課の刑事・一色都々丸と鮮烈に謎を解き明かしていきます。
(文・エンタステージ編集部3号)