『Like A』room[002]平牧 仁×石賀和輝インタビュー「オリジナルかつシリーズの醍醐味を」

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2019年1月に上演される『Like A』room[002]。本作は、三浦 香をはじめとする『Club SLAZY』シリーズを手掛けたクリエイター陣が作り出す、新たな完全オリジナル舞台。約1年前に上演された第1弾では、歌やダンス、ピアノの生演奏やラップなど、様々な角度から上質なエンターテインメントが届けられると同時に、物語や登場人物たちに余白のある描き方をし、多くの“謎”が残された。

そんな前作を、FC役の平牧 仁(シキドロップ)と、バトラー役の石賀和輝の二人に振り返ってもらいながら、次回作への構想を聞いた。エンタステージでは約1年前に、アッシャー役の高崎俊吾を含めた初顔合わせを取材。共演を経て、ぐっと距離が縮まった雰囲気の二人の楽しいインタビューを、改めてお届けする。

『Like A』room[002]平牧 仁×石賀和輝インタビュー

――お二人にお話を伺うのは、ちょうど一年ぶりになりますね。

石賀:あの時は初対面だったから、とても緊張していたのを覚えています(笑)。

平牧:そうか、もうそんなに前になるんですね。今日はね、もう僕らの関係も出来上がってますよ~(笑)。

――今回も、たくさんお話を伺えればと思います(笑)。まず前作の『Like A』を振り返っていただきたいのですが・・・やはり、謎多き物語でしたね。

石賀:多分、僕らが感じていることと、お客さんが感じていることは、ほぼ同じだと思うんです。演じている僕らも、すべてが分かっている状態じゃないんです。しかも、自分が出ているシーンでは、後ろで誰が何をやっているか、把握しきれていない部分も多いので、もしかしたら、お客さんの方が分かっていることが多いかも・・・。

平牧:そうそう。舞台セットの中に建物の壁みたいな部分もあったので、その向こう側のこととか、意外と分かってない(笑)。台本を読んだだけの状態と、実際に音楽や照明が入ったものを体感した状態だと、印象もまったく違うし。文字で読むと「なんだったんだろう?」って思うことが、舞台として3次元になると、華やかなエンターテインメントになるんですよね。

――お二人やほかの出演者の皆さんの中にも、謎な部分は残っている状態なんですね。

石賀:真相を知っているのは、それぞれのキャラクターを演じる人だけ、ということもたくさんあるんですよ。前作のDVDを観たんですが、「こんなところにこの人が立っていたの?」とか、「この人は何をしてるんだろう・・・?」という部分がたくさんあって。意味深に去っていったり、意味深な表情を浮かべていたりと、演じている時には見えていなかったことがすごく気になってしまいました。

平牧:ねえねえ、「ムー」(石賀さんが演じるバトラーが大切に世話をしている赤ん坊)はどういう存在なの?

石賀:言えないです!でも、僕は知ってます。・・・お互い、こういう感じなんですよ。脚本・演出の(三浦)香さんは、その役の謎を演じる人だけにしか教えてくれないので。僕もバトラーの謎を皆には言ってません(笑)。

平牧:教えてくれないんだよなぁ(笑)。

『Like A』room[002]平牧 仁×石賀和輝インタビュー_4

――平牧さん演じるFCも謎の行動が多かったように思いますが、皆さんはその理由を知らない、と。

平牧:僕は、初演では・・・結構、知っている前提でやっていたところが多かったかも。

石賀:えっ、そうなんですか?!

平牧:うん、香さんに少しは教えてもらったけど、そんな深いところまでは聞いてなかった。

石賀:FCって、皆の行動はすべてお見通し、みたいな振る舞いをしていたじゃないですか。だから、仁さんはFCとして、ホテルのことも従業員一人一人の過去も、全部知っているのかなって思ってました・・・。

平牧:ぜーんぜん知らない(笑)。こうやっておけば、香さんがあとからこうしてくれるだろう、みたいなことは考えて、知っている風に振る舞ってはいたけど。

石賀:え~!

平牧:香さんからは、無茶ぶりされたんですよ。FCをどう作ろうか相談したら、「突拍子もないキャラにして」みたいなことを言われて。これ、役者として一番言われたくない言葉です(笑)。ざっくりしすぎていて、頭を抱えました。

石賀:だから、ごみ箱から登場していたんですか?

平牧:あれはもう、苦渋の選択(笑)。次のroom[002]について、今聞いている限りでは・・・結構FCが謎を握っている部分もある感じだったので、また稽古に入ったら分かることが増えるのかなと思っています。

『Like A』room[002]平牧 仁×石賀和輝インタビュー_3

――ほかにも、この登場人物の謎気になる、と思っていることはありますか?

石賀:(高崎)俊吾が演じているアッシャーの盗聴癖は、やっぱり気になりますね~。

平牧:分かりやすいからこそ、あやしいよね。そんなあからさまだと、逆に深読みをしちゃう。盗聴ではなく、何か違うことが目的で、はぐらかすためなのかな?とか。

石賀:ふいに現れるイメージがあるんですよね。キーパー(中谷優心さん)とインスペクター(SHUNさん)、二人がしゃべっているところに登場しているシーンがあって、すごく気になりました。偶然居合わせたのではなく、必然的に現れているというか・・・大事なとこで盗聴している気がするので、何かあるんだろうなと思ってます。

――高崎さんだけが知っていることもあるんでしょうか。

石賀:あるのかな~。公演中に、俊吾の動きが変わったところがあるんですよ。

平牧:え、どこどこ?

石賀:キャプテンRにまつわるシーンの出来事だったんですけど・・・。僕が香さんに聞いたことの中で「なるほどね」と思うことがあって、俊吾の動きにも気づいたんです。俊吾も何かその時に聞いて、芝居を変えたのかも。それから、わりと気になっていつも目がいってしまう(笑)。

平牧:ちょっと、気になるじゃん~!DVD観ないと!!

『Like A』room[002]平牧 仁×石賀和輝インタビュー_5

――お客様も、座る座席の位置で、見える景色が違ったのではないかとも思います。

石賀:舞台の上に建物の壁が出てくるから、お客さんも僕らと同じで、見える範囲が場所によって違いましたよね。

平牧:あの壁、room[002]で出てくるとしたら、きっとクリスタルになってるよ(笑)。

石賀:クリスタル(笑)!SHUNさんとか、あの壁の裏に待機していることが多かったから困りそう。

平牧:全部見えちゃうよ(笑)。

石賀:そうですね(笑)。初演で、(内藤)大希さんが歌いだして、皆が困惑するシーンで、壁の後ろに待機しているSHUNさんを僕が引っ張り出すシーンがあったじゃないですか。その時、お客さんに見えないよう、SHUNさんに「引っ張りますよ」って目で合図を送るんです。その時・・・SHUNさんが、途中からすごい変顔をするようになって(笑)。それが、引っ張り出してライト当たった瞬間に真顔になるんですよ!それがもう、おかしくておかしくて・・・。

平牧:それ、クリスタルになったら全部お客さんにも見えちゃうね(笑)!

石賀:バトラーとして崩れないようにするのが大変でした。あのおもしろさ、皆さんにも見ていただきたいです(笑)。

――見えないところには謎だけでなく、そんな攻防も隠されていたんですね(笑)。公演を通して、皆さんがカンパニーとしてとてもいい雰囲気になったこともうかがえます。

石賀:いい意味で、楽屋は部室のようでしたよ。本番に入って、より仲良くなれた気もします。

平牧:楽屋が、全員同じ部屋だったのも、なんか良かったよね。皆で一つの話題で盛り上がることも多かったし、それでお互いを一層深く知ることにもつながって。それが芝居にも、日に日に良い影響を及ぼしていたんじゃないかなと思います。

――今回のroom[002]には、新キャストとして鎌苅健太さんと齋藤健心さんが加わりますね。幼馴染の、伝説の先輩と舎弟という役どころと聞きましたが・・・。

石賀:なんだか昭和のテイストを感じますね(笑)。僕はお二人とも初共演なんですが、以前、健心くんが出ている作品を観に行かせてもらった時に、ご挨拶しました。同じ年なんですけど、ものすごく謙虚だし、いい人オーラ満載。健心くんが演じるプチの設定を聞いて、もう絵が見えました。

平牧:マーマ役のけんけんさん(鎌苅さん)もすごくハマりそうだよね。おもしろくなりそう。

石賀:新しい登場人物たちも、やっぱり香さんのイメージからの宛て書きなのかな。

『Like A』room[002]平牧 仁×石賀和輝インタビュー_2

――物語も、前作とはまた雰囲気が変わり、ハイタイドの幼馴染組が中心となるんですよね。

石賀:初演はホテルの中での話だったので、プライベートな部分、幼馴染たちとの過去のバックボーンは自分たちの中にしかなかったものなんですが、今回はハイタイド(海沿いの静かな街)が主な舞台になります。想像が具現化されていって、前作のホテルの物語を振り返ると、また新しい発見があるじゃないかと。僕らも、個々のキャラクターを深めていけるのが楽しみです。

平牧:幼馴染組がメインとなると、FCはいらないのでは・・・(笑)。

石賀:なんでですか(笑)。

平牧:きっと壁の向こうでピアノを弾いてるので、壁がクリスタルになれば舞台から見える!でも、チケットが売れないと壁をクリスタルにできない・・・皆さん、観に来てください(笑)。

石賀:(爆笑)!!

――三浦さんから構想を聞いて、前作でやったことが今回へとつながっていると感じる部分もありましたか?

平牧:香さん、こちらから発信したことを結構拾ってくださるんですよね。初演で、キャプテンRが海からやってくるシーンがあるんですが、そこでFCがフランスパンを持って登場していたの、分かりますか?あれは稽古中のたわいのない会話の中で、普通のパンからフランスパンになったんです。香さんが「バケツにパン入れて」って言うから、「どういうことですか?」って聞いたら、「釣ったってことにしよう」って言われて(笑)。これが実はroom[002]に・・・。

石賀:繋がっているんですよね。

平牧:香さんは、そういう遊びで作ったものを、ちゃんと回収してくるんです。遊び心満載な部分が、ゾクッとするような秘密というか、含みになっていく。初演で笑えていた部分が、「えっ・・・!」というシーンにつながったりするかもしれません。初見の人は初見の楽しみが、前作を観ているとまた違った驚きのある物語をお届けできると思います。

石賀:僕らもその瞬間がとても楽しみです!

平牧:それから、香さんって、お客さんの反応とか熱を汲み取りながら、物語を作っていくので、お客さんも作り手の一部なんです。それって、オリジナルならではのおもしろさなので、“体験型”のように、皆さんにも感じてもらえたらいいですね。

――今回も、笑ったりゾクッとしたり、一緒に物語を作ることを体感したいと思います。

石賀:観た方が自分の中で想像を広げられる作品でもあります。その場で観ていただいている時間を楽しんでもらうのはもちろん、家に帰ってからも楽しいと思ってもらえるんじゃないかなと。room[002]でも、前回を超えるクオリティと、新しいキャストさんも含め、初めてご覧になるお客さんも、『Like A』の世界に引き込めるようなものを作り上げていけたらと思います。

平牧:脚本、衣裳、音楽、舞台美術、振付、そしてパンの匂い・・・全部含めた、五感で楽しめる総合芸術です!前作を観た人はもちろんですし、初見の方はまず観ていただいて、DVDで前作を観てもう一度観ていただいたら、楽しみが倍になると思います。オリジナル、かつ、シリーズ作品の醍醐味ですから、味わっていただきたいですね。そして、壁をクリスタルに(笑)!

石賀:そこ、こだわりなんですね(笑)。

『Like A』room[002]平牧 仁×石賀和輝インタビュー_6

◆公演情報
『Like A』room[002]
2019年1月12日(土)~1月20日(日) 東京・全労済ホール/スペース・ゼロ
【脚本・演出】三浦 香
【脚本】伊勢直弘
【振付】當間里美
【楽曲制作】Asu(BMI Inc.)

【出演】辻 凌志朗、石賀和輝、SHUN(Beat Buddy Boi)、
中谷優心、高崎俊吾、岩 義人、齋藤健心
橋本有一郎、今井 稜/平牧 仁(シキドロップ)/鎌苅健太

【キャスト別先行(抽選)】
※非売品ソロビジュアルブロマイド付
11月16日(金)11:00~11月25日(日)23:59
受付URL:イープラス

【一般発売(先着)】
12月2日(日)12:00~
取扱プレイガイド:チケットぴあ/カンフェティ/イープラス

【公式HP】http://www.clie.asia/LikeA
【公式Twitter】@clie_seisaku

※辻 凌志朗の「辻」は一点しんにょうが正式表記
※高崎俊吾の「高」は「はしごだか」、「崎」は「大」の部分が「立」が正式表記

(C)2019Like A/CLIE

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