秋元康プロデュース劇団4ドル50セント。演技経験がほぼゼロの状態からスタートし、今では、映画やドラマなどの俳優業以外にも各劇団員の個性に合わせてバラエティ、モデル、音楽など多岐に渡る芸能活動をしている。今回は、2018年11月22日(木)よりオルタナティブシアターで公演される第2回本公演「ピエロになりたい」でW主演を務める湯川玲菜と仲美海に、dTVで独占配信される(11月20日より)前回の旗揚げ公演『新しき国』に出演したときの気持ちや、今回『ピエロになりたい』の主演に決定したとき想い、これからのことなどを聞いた。
――劇団4ドル50セント旗揚げ本公演『新しき国』がdTVで配信となります。この公演を今振り返ってみていかがですか?
湯川:『新しき国』の時は未経験な部分が多くて、とにかく“声を出すこと”と“台詞を届ける”ことしか頭になくて、それを一生懸命になることしかできてなかったと、今振り返ると思います。今は、台詞をどう言ったら伝わるかとか、言い方とかを考えることが少しできるようになったりとか、サブテキストという台詞の裏にある台詞を考えたりすることができるようになりました。
仲:私は『「新しき国」で初めて役名のある役をもらったんです。役作りというものが初だったので、そこにまず戸惑いがあって、プレ公演の時は、とにかく自分を表現すればよかったけれど、『新しき国』ではその時とは全然違って苦労しました。でも、公演が終わった時に、ちゃんと果林(役名)でいられたなと思えたので、この公演で役作りができたということが、公演前と変わったとこかなと思います。
――旗揚げ本公演『新しき国』の見どころはどこですか?
湯川:やっぱり、最後の水を使った場面かなと思います。あとは、劇団全員で歌う楽曲が、秋元さんの劇団ならではの魅力だと思います。
仲:私は、水のシーンはもちろんなんですが、個人的には、家族のシーンが好きです。家族ごっこをするシーンで、劇団4ドル50セント自体が家族みたいな感じなので、その雰囲気がシーンに活かせて、とても印象に残ってます。
――第2回本公演『ピエロになりたい』でW主演が決まった時の、率直な感想をお聞かせください。
湯川:私は、最初本当にびっくりして、主演に決まったということを頭でなかなか認識できてなくて、何も考えられなかったんですが、周りのみんなに「主演おめでとう」とか「がんばってね」と言われるようになってから、「あ!主演なんだ」と徐々に実感が湧いて、そこからどんどん、この劇団を背負わないといけないという責任感が生まれてきました。少し不安にもなったのですが、今は、もうやってやろう!という気持ちでいっぱいです。
仲:私も驚きが一番でした。びっくりしすぎて、空いた口がふさがらない状態で、ずっとやばいやばいやばいってなっていました。演じるという感覚は変わらないので、主演だということは今でもあまり実感がないので、これからどんどん感じていくのかなと思います。特に、本番の挨拶とかで感じていくのかな。この舞台での挨拶が一番怖いです(笑)。
――お二人が演じるポーカーは、どんな役柄ですか?
湯川:ポーカーは感情がない、と台本に書かれているんですけど、ただ感情がないわけではなく、意志をちゃんともっている子で、作品の中で、どんどん成長してみんなに意見を言えるようになるので、強い子だと思います。
仲:意志が強く、皆に「こうした方がいい」と言えるポジティブさがあって、すごくかっこいいなと思います。私は皆に言う勇気とかないので、真逆な性格です。強くて、決して完璧じゃないけれど、憧れるような応援したくなる子です。
――そんなポーカーと自分との共通する点はありますか?
湯川:不器用なところです。劇中に登場するジャグリングも、最初不器用でとても苦手で。そういう部分を克服するために、不器用なりに頑張るところが似てるかなと思っています。
仲:ほとんどないかなぁ(笑)。意志も強くないし・・・。でも、共通するところは、最初のポーカーの、全然発言できないところとか、周りに合わせてポーカーフェイスになってしまうところは似ているかなと思います。
――『ピエロになりたい』で、観てもらいたいポイントはどこですか?
湯川:ジャグリングのパフォーマンスのシーンです。稽古で、自分で出番じゃない時、舞台袖から観た時に、サーカスを見ている気分になって、そこすごくいいなと思ったので、ぜひ観てほしいです!個人的には、ポーカーがパントマイムをする場面があって、そこも見どころかなと思っています。
仲:私もジャグリングです!簡単そうにみえて実は、とても難しくて、皆でたくさん練習したので、ぜひ観てほしいです。みんなでカスケード(ジャグリングの技)するシーンは、旗揚げ本公演『新しき国』の水を使用した雨のシーンのように、今回の公演の見どころになると思います!
――今回の第2回本公演の稽古での劇団の雰囲気はいかがですか?
湯川:前回の『新しき国』が全然考えてなかったわけではないんですけど、今回の稽古を通して思うのは、皆プロ意識が高くなったというか、いろんなことに目を向けて、見られることも考えられるようになったり、こうやったら“もっといいものになると思う”という意見を言い合って、皆で一つの作品を作ってるという感じになっているなと思います。
仲:お互いを見て「ここはこうした方がいい」とか、思っていることを言い合えるようになりました。
湯川:皆がいいものにしようという気持ちが一緒だから、意見を言われた側も素直に意見を聞き入れられるようになりました。
仲:前は、ただただがむしゃらだったのが、今は少しだけど、冷静に見ることができるようになってきたからかもしれません。
――脚本・演出の丸尾丸一郎さんからは、どんな指導をされましたか?
湯川:この舞台は、秋元さんの舞台だから、ミュージックビデオみたいなものだと言われました。楽曲をたたせるために物語があって、さらに、その物語からの楽曲があって、そのながれが大事になってくると言われて、自分は今まで一つ一つ繋がってなかったなと感じて、そこから自分の考え方も変わっていきました。
仲:一つ一つのシーンを重ねていって、人物の成長が分かるようにしてほしいと言われました。今回の『ピエロになりたい』では、一つのシーンとシーンの間に、時間経過があるので、そこの差はちゃんと見せてほしいと言われました。
湯川:あとは、今回はやはりサーカスなので、とにかく生き生きとしようと言われました。
――今後、やってみたい役はありますか?
湯川:私は、これまで、弱い人を演じることが多かったので、強い人の役や、悪い役をやってみたいとずっと思ってたんです。それが、今回の舞台でもう叶っちゃったんです(笑)。今回W主演なので、美海ちゃん(仲)が主演の回は、違う役として舞台に立つんですが、その役がハーレークィンで悪い役なんです!本番までにしっかり役を作って、これまで見せてこなかった違う湯川の一面が見てもらえるように、がんばります!
仲:私は、大人の女性を演じてみたいです。かわいらしい役が多いので、落ち着いた役をやってみたいです!
――2018年も残り少なくなってきました。この1年は、どんな年でしたか?
湯川:今までに経験したことのなかった、はじめてのことをたくさんやらせてもらったので、あっという間に感じました。今年は、毎日いろんなことをして、新しい人に会って、いろんな“初めて”があって、成長できた年になりました。
仲:前よりちゃんと考えるようになったなと思います。初めてのことを経験していく中で、全然違う考えを持っている方々の言葉を聞いて、自分の中で固定概念を持つことがなくなりました。
――来年、2019年はどんな年にしたいですか?
湯川:もっと大人になりたいなと思います。考え方とか、まだまだ子どもだなと思うことがたくさんあるので、もっと成長していきたいです!
仲:いろんなものを吸収して、インプットしたものをアウトプットしていける年にしたいです。今年はたくさん初めての経験をして、ひたすらインプットする年だったので、インプットして知識を貯めたものを、来年はアウトプットもちゃんとできるようにしていきたいです!
◆公演情報
劇団4ドル50セント第2回本公演『ピエロになりたい』
2018年11月22日(木)~12月2日(日) 東京・オルタナティブシアター
【トータルプロデューサー】秋元康
【脚本・演出】丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
【振付】CRE8BOY
【出演】
湯川玲菜、仲美海、本西彩希帆、前田悠雅、福島雪菜、蕪祐典、奈波慎剛、岡田帆乃佳、長谷川晴奈、ほか劇団4ドル50セント劇団員 計25名
※青木瞭・國森桜・菅原麻由佳は都合により出演なし
※主役を務めるWキャストの湯川・仲は、主役でない公演もそれぞれサブキャストとして出演
◆旗揚げ公演『新しき国』dTV独占配信は詳細はこちら
(取材・文・写真/オフィシャル提供、編集/エンタステージ編集部)