『Like A』room[003]平牧 仁×内海啓貴×前田 陸インタビュー!「“なんとなく”とか“とりあえず”で出来ているものは一つもない」

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2019年8月に、再びその扉を開くオリジナル舞台『Like A』。上質な音楽と、ミステリアスな物語が、観客の心を捉えてやまない。前作[room]002では、ホテル「ペルマネント」のホテルマンたちの過去と、彼らが暮らす街「ハイタイド」を取り巻く謎が少し明るみに出たと思ったら、ますます深まっていった・・・。そんな秘密めいた物語の第3弾には、新キャストとして内海啓貴、古賀 瑠、前田 陸が加わる。

初演から本作を引っ張る一人である平牧 仁を交え、初参加の内海と前田にシリーズ参加へ向けた意気込みを聞いた。

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――まずは平牧さんにお伺いしたいのですが、[room]002でいろいろと「ハイタイド」のある世界の片鱗が見えましたね。手応えはいかがでしたか?

平牧:手応えも心境も、初演の時とは全然違いました。初演の時は、みんなで必死になって手探りで作り上げている感覚だったんですが・・・とはいえ、公演の最後の頃はだいぶ余裕が出てきて、役の上で遊び始めてしまったんですけど(笑)。ある程度、掴めた状態で取り組めた[room]002では、新キャストが加わりつつもすでに絆が出来ていたので、ある程度目指す場所が見えていたんです。鎌苅健太さんというハイパーお兄さんもいましたし。メンタル面にも余裕が生まれて、僕自身も[room]002では周りのことを見れるようになったり、自分が何を求められているのか、こうした方がおもしろいんじゃないかと、初演とは違った挑戦ができたと思います。作品としても、チームとしても、個人としても、[room]002は一段上にいけた感覚もあり、楽しかったなと思える作品でした。

――初演ではほぼ初対面だった皆さんの間にできた絆、見えた気がします。内海さんと前田さんは、本作に新キャストとして加わることになりますが、作品にどんな印象を持ちましたか?

内海:僕は『Like A』と同じクリエイターの方々が作られた『Club SLAZY』と同じDNAを持った作品だと、強く感じました。謎が謎を生むミステリアスな音楽劇なので、探偵のような感覚で謎を解きながら、世界に入り込むように観てしまいました。曲もおしゃれだし、毎回いいタイミングで曲に入るのがとてもスタイリッシュだし、ダンスも歌も生演奏もある盛りだくさんな感じですけど、おなかが一杯になりきらない。不思議な感覚なんですが、引き込まれる作品だなと思いました。

前田:自分も音楽にすごく惹きつけられました。今まであまりこういった作品には触れてこなかったので、新鮮でした。初演もroom[002]も、こんなに歌って踊るのかという内容だったので、いざ自分がここに参加すると思ったら・・・楽しみでもあり、大緊張、なうです。

内海:大緊張なうですか(笑)。

前田:なうです(笑)。

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――ぜひ、平牧さんに稽古場の様子をお伝えいただきたいです(笑)。

平牧:あのね、机の上にあるものがすぐ飛んでくるんだよ・・・。

前田:・・・ん!?

内海:おっと!?

平牧:蜷川幸雄さんばりに・・・。

前田:ええ、そんな厳しいんですか・・・。

平牧:というのは冗談で。体育会系ではあるけど、物は飛びません(笑)。

前田:あぁ、よかった(ほっとした様子の前田さん)。

平牧:熱のある現場ですよ。いい意味でざっくばらん。アットホームだけど、やることはしっかりやろうという空気があります。ちょっと、他では味わえない感覚かも。みんな本気で、パッションを持っているから、生まれてくるものが本当に生きているんですよ。振付も音楽も、もちろん演技も。「なんとなく」とか「とりあえず」で出来ているものは一つもないんです。全部に責任が生じるから、ある意味恐ろしいんですけど(笑)。これってどんな芸術にも大切なことだと思うので、すごく素敵な現場だなって思います。気持ちのいいカンパニーですね。

内海:平牧さんのお話を聞いて、どんどん想像をふくらませて稽古場でチャレンジしたいなって思いました。原作のないオリジナル作品だからこそ、相乗効果で生まれるものが大きそうです。

前田:まずは、モノが飛んでこないようにがんばります!

平牧・内海:(笑)!!

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――『Like A』の登場人物は、演じる皆さんにあてがきされた役だと以前教えていただいたのですが、お二人は、ご自身の役どころについてどう感じていますか?

内海:今の段階のお話だと、僕は似ていると感じました。真逆!っていうのもおもしろいと思うんですけど(笑)。これまでの登場人物は、原作があるのではと思うぐらい、個々のキャラクターが強く出来上がっていたので、僕もどんどん自分を出していけたらいいなと思います。

前田:前回、伊勢直弘さんとご一緒させていただいた時に、「そのまんま(役に)陸を乗せちゃうよ!」みたいなことを言われたんですが、三浦 香さんとは初めてなんですよ。伊勢さん経由で、どう伝わっているのか・・・(笑)。

――内海さん、前田さんは初めてご一緒される方も多いんですよね。

内海:そうですね。主演の辻 凌志朗さんはミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで一緒だったり、ケンケン(鎌苅)さんとは別のミュージカル作品でご一緒したことがあります。

前田:僕は完全に全員初めましてです!

平牧:そうなんだあ。

前田:SHUNさんは、もともと「Beat Buddy Boi」で知っていました。さっき、同い年ということも知りました。皆さんに、早くお会いしてみたいですね。

内海:僕は(中谷)優心さんがオーディション番組(『Sing! Sing! Sing!』)に出られているのを、一視聴者として見ていました。

前田:俺も観てた!

内海:僕、一番応援していた方でした。

前田:一番かっこよかったですもんね。

平牧:あの頃の優心は、かっこよかったよね。

前田:あの頃・・・?そういう感じなんですか!?

内海:今は違うんですか・・・?

平牧:身近に優心のファンがいるんですが、その人に優心のかっこよさを力説されながら動画を見せてもらったら、今よりシュッとしていて、なおかつエロパーマみたいなのをかけていて、確かにこれはめっちゃかっこいいなって思ったんです。だから稽古が始まって仲良くなってから、優心に「この頃になりなよ」って言ったのを覚えています(笑)。

前田:独特の雰囲気出ていて、めちゃくちゃかっこよかったです。

内海:僕の中のイメージは、そのままなんですけど・・・。

平牧:ふふふ(笑)。マスコットキャラクターみたいな、愛らしいヤツですよ、優心は。

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――『Like A』というと、やはり独特の音楽が印象的なのですが、皆さん音楽に関してはどんなルーツをお持ちですか?

内海:僕のおじいちゃんおばあちゃんは、スナックを経営しているんです。子どもの頃は、花金に「安全地帯」とかを歌っている大人を眺めながら、コーラを飲んでいたんですよ(笑)。だから、だいたいの曲はご本人が歌っているのを聞いて知るより、お客さんが歌っているのを聞いて覚えたんです。「啓貴、歌えよ!」とか言われて、人前で歌ったりもしましたし、お店のお客さんと一緒に盛り上がるのが好きでした。今は自分からいろんな曲を聞くようになったんですが、ルーツというと、歌謡曲ですね。

前田:自分は・・・なんだろうな。HIPHOPばかり聞いていましたね。日本のもの、海外のもの問わず。まぁでも、それに限ることはなく、オールジャンル聞いてますね。

平牧:僕は、ずっとエレクトーンをやっていたので、ヒットチャートに上るような曲にひたすら触れていました。音楽番組大好きっ子だったので、ドJ-POPS育ちです(笑)。ヴィジュアル系に行ったり、ロックに行ったりしながらも、今はピアノの音楽に落ち着きました。

――『Like A』の曲は、同じ曲でも場面によって聞こえ方が多彩ですよね。

平牧:僕はピアノとしても参加しているので、その点は特に考えるんですが、その曲が、そのシーンのそのタイミングで、その人が歌うことに意味がないと、成立しないと思うんです。

ただ曲がいいだけでもいけないし、自分の感情をたくさん込めて弾くだけじゃダメだから、『Like A』の曲はすごく難しい。

[room]002の時、キーパー(中谷)が吐露する静かなバラードが入る位置を、大移動して演出から何からがすごい変えたことがあったんです。本番でご覧いただいたのは、優心や香さんと相当話し合って、試行錯誤の結果です。歌単品としてももちろんいい曲なのですが、物語のどこに組み込まれるかによって歌の存在意義が変わってくるので、とてもデリケートに扱っています。

内海:ミュージカルともまた違った感覚になりそうですね。舞台の役として、台詞の延長線上で動く感情を大切にできたらと思います。

前田:ここまで歌うのもバッキバキに踊るのも初めてなので、とにかくド緊張です。楽しみですけど、ド緊張。

――ちなみに、前回インタビューさせていただいた際、平牧さんはスケルトンのピアノを希望されていましたが・・・。

そうですよ!チケットの売行き次第です。ピアノも、壁もスケルトンに・・・。そちらの方もこうご期待です(笑)。

内海:僕も観ていて、座る席によってお客さんが受け取るものも違うんじゃないかなと思いました。

平牧:そうなんです。スケルトンになれば、また変わりますから。

前田:(爆笑)!!

――[room]003では、どんな謎が生まれ、明らかになるのか、楽しみにしております。

内海:初参戦なので、作品の雰囲気を壊さず、それでいて新しい風を吹かせたいです。どんな役になるのか、まだ明らかになっていませんが、全員キャラが濃いので(笑)。僕も負けじと、新たな『Like A』の一部になりたいと思います。劇場も、初めて立つ場所なので、楽しみです。

前田:まだ何も役のことが分かっていないんですが、自分が入ったことで何か変化をつけられて、作品のスパイスになれたらと思っていますし、今までも相当おもしろい作品を、プラスアルファおもしろく!自分が入ってよかったと、自分自身も思いたいですし、皆さんにも思ってもらえるよう、がんばります。歌やダンスの面で、足を引っ張らないようにがんばります。

平牧:3作目になりますが、『Like A』の世界に初めて触れる方でも、見応えのあるダンスと歌、そして生演奏をご用意していますし、新キャストも増え、登場人物が増えたことでミステリー要素も深まると思います。僕自身、この作品、そしてカンパニーが大好きなので、もっともっと『Like A』の良さが広まって、大きくなっていけるような[room]003にしたいですね。

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◆公演情報
『Like A』room[003]
2019年8月7日(水)~8月14日(水) 東京・新宿FACE
【脚本・演出】三浦 香
【脚本】伊勢直弘
【振付】當間里美
【楽曲制作】AsuA(BMI Inc.)
【企画・製作】CLIE

【出演】辻 凌志朗、SHUN(Beat Buddy Boi)、中谷優心、高崎俊吾、内海啓貴、齋藤健心、古賀 瑠、前田 陸、橋本有一郎、今井 稜、平牧 仁(シキドロップ)/鎌苅健太

【公式HP】https://www.clie.asia/LikeA/
【公式Twitter】@clie_seisaku

※辻 凌志朗「辻」は一点しんにょうが正式表記
※高崎俊吾の「高」ははしごだか、「崎」は旧漢字が正式表記

(C)2019 Like A/CLIE

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