平野啓一郎による長編小説「ある男」(2018年9月文藝春秋刊/英訳版“A MAN”も2020年6月に世界に向けて発売)が、2025年8月にミュージカルとして舞台化され、世界初演されることが決定した。
平野啓一郎の読売文学賞受賞作「ある男」
「ある男」は、「マチネの終わりに」などで知られる平野啓一郎が、小説家デビュー20年目に発表した作品。2019年に読売文学賞を受賞している。2022年には映画化(出演:妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝 ほか)もされた。
弁護士の城戸章良は、かつての依頼者である谷口里枝から「ある男」についての奇妙な相談を受ける。宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。
ある日突然、「大祐」は事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に「大祐」が全くの別人だったという衝撃の事実がもたらされる・・・。
その男は、本当は何者だったのか。
ミュージカル『ある男』世界初演のキャストは?
ミュージカル化の音楽を手掛けるのは、『デスノート THE MUSICAL』(編曲・オーケストレーション)、『生きる』『東京ラブストーリー』(作曲・オーケストレーション・編曲)に携わったジェイソン・ハウランド。脚本・演出は瀬戸山美咲、歌詞は高橋知伽江が手掛ける。
W主演を務めるのは浦井健治と小池徹平。浦井と小池は、『デスノート THE MUSICAL』以来の共演となる。このほか、濱田めぐみ、ソニン、上原理生、上川一哉、知念里奈、鹿賀丈史など、オリジナルキャストとして豪華な顔ぶれが集った。
ミュージカル『ある男』は、2025年8月に東京建物 Brillia HALLにて上演される。広島、愛知、福岡、大阪でツアー公演の予定あり。
ミュージカル『ある男』クリエイター・キャストコメント
音楽:ジェイソン・ハウランド
この度、日本の皆さまに、新しいミュージカル作品『A Man』をお届けできることを大変楽しみにしています。この物語の核心にあるストーリーには、外面的なミステリーと内面的な葛藤を同時に解き明かしていくという、非常に心を動かされる魅力があります。そして、この物語は音楽のために生まれたような豊かな要素を持っています。
希望、愛、喪失、切望、痛み、そしてユーモア——まさに人間のあらゆる感情を描いた歌が詰まっています!作曲家にとって夢のような才能あふれる素晴らしいキャストの皆さんとともに、この物語がどのように展開していくのか、観客の皆さまにご覧いただける日が待ちきれません。この作品がどのように響くか、一緒に体験できることを心から楽しみにしています!
脚本・演出:瀬戸山美咲
ミステリーでもあり、人間の心の奥底を見つめる優れたヒューマンドラマである平野啓一郎さんの原作をミュージカルにします。生きづらさを抱える人たちにそっと寄り添えるような作品にしたいと思います。お客さまの心の奥に届くよう、ジェイソン・ハウランドさんと高橋知伽江さん、そしてこれ以上ない素晴らしいキャストのみなさんとともに、この「心の旅」を繊細に積み上げてまいります。ミュージカル『ある男』、どうぞご期待ください。
歌詞:高橋知伽江
目の肥えた大人も楽しめる粋な舞台誕生の予感に胸を躍らせています。現代社会が抱える問題がいくつも描かれ、その陰影の中に永遠に輝く真実が見えてくるという繊細なストーリーです。『生きる』でご一緒したジェイソン・ハウランド氏の音楽は今回もまた自由自在で魅力的。脚本と演出担当の瀬戸山美咲さんは、複雑な原作をていねいに読み解いてくださるので、私も歌詞担当として一生懸命に伴走していきます。熱意と才能あふれるスタッフ・キャストの皆様と共に、深い感動をお届けできる日が楽しみです。
城戸章良役:浦井健治
ある男。この素晴らしい小説を、まさかミュージカルに!?しかもキャスト陣の凄い顔ぶれに興奮しています!
ジェイソンさんとは、『デスノート THE MUSICAL』からお世話になっていて、ただただ信頼しかありません。物語に寄り添い、余白までも豊かに膨らんでいく楽曲。そして、台詞の後ろに流れる音達も、豊かで、多彩で、音で「思想」までも表現し、我々をその世界に誘って下さる。音の中に役を演じる上での「道標」もある。ジェイソンさんとオリジナルミュージカルを立ち上げる創作現場で組めること、心から幸せに思います。
最高の座組で挑みます!!
ある男・X役:小池徹平
今回、『デスノート THE MUSICAL』以来の共演となる浦井健治さんをはじめとした素敵なキャスト、スタッフの皆さんと共に、新しい作品に携われる事にとても気持ちが高揚しております。
皆さんに楽しんでもらえる作品になる様に、全力で励んで参ります。
ミュージカル『ある男』ご期待下さい。
後藤美涼役:濱田めぐみ
新しい世界の幕開き。どんな舞台に仕上がるのか今から興味深々です。
それぞれの生き様、考え方、捉え方。生々しくリアルにかつ不思議で、それでいて身近で共感出来る様な舞台。
ドラマチックな展開で、皆様と一緒にラストまでの旅を楽しみたいと思います。
これからゼロから立ち上げるオリジナル作品。全力で挑みたいと思います。
谷口里枝役:ソニン
この作品に参加する事は、私の人生にとって意味のあるものになると思うので、どのような景色が見えるのだろうと胸を膨らませています。
キャストのほとんどの方が、何度も共演経験ある気心知れた方々なので心強く、切磋琢磨しながら良い作品に作り上げていく事、また、演出家の瀬戸山さんとの初のお仕事も、2度目ましての作曲家ジェイソンとの再会も、とても楽しみにしています。
谷口恭一役:上原理生
お話をいただいて原作を読むことから始めたのですが、人が名前や戸籍、その素性を全部脱ぎ去った時に残る「培ってきた時間」や「愛情」は本物なのか、「人」とは何を基準に存在するものなのかを考えさせられました。
平野啓一郎さんの緻密で濃密なヒューマンミステリーがどんな舞台作品になるのか、そしてこのオリジナルミュージカルをゼロからどんなふうに作り上げていくのか今から楽しみでなりません。ご期待ください。
谷口大祐役:上川一哉
カンパニーの一人としてこの作品に携われる事に、心から感謝いたします。
海外でも人気の高い小説がどのような形でミュージカルとして誕生するのか、今から期待と興奮でいっぱいです。
この作品には、今を生きる我々に問いかけるメッセージがたくさん描かれていると思いますので、その一つ一つをお客様に丁寧にお届けできるよう、全身全霊で務めさせていただきます。
城戸香織役:知念里奈
日本で新しく生まれるオリジナルミュージカルに参加できることを嬉しく思っています。
原作が面白くて映画も拝見していたので、この物語がミュージカルになったときにどんな魔法がかかるのか、私自身とても楽しみです。
素敵な作品になるように、カンパニーの皆さんと一緒にベストを尽くします。
どうぞご期待ください。
小見浦憲男/小菅役:鹿賀丈史
新作のオリジナルミュージカルに出演できることを非常に嬉しく思っています。
特に今回は2役、2人の人物を演じるということです。それも2人は真逆な性格の持ち主で、それぞれ歌うナンバーも当然違ってくるわけで、非常に楽しみにしております。
かなり面白い作品になると思いますので、皆様もどうぞご期待していただきたいと思います。
1つ付け加えますと、相変わらず1番年上の役でございます(笑)。