2023年5月4日(木・祝)に東京・博品館劇場にて、舞台『漫才ギャング-リローデッド-』が開幕した。初日前には公開ゲネプロと取材会が行われ、本作のW主演である馬場良馬、菅田琳寧(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)、演出のマギーが登壇し、初日に向け今の気持ちや作品の見どころを語った。
原作はお笑い芸人・品川庄司の品川ヒロシによる小説『漫才ギャング』。2011年には品川自らが監督・脚本を担当し映画化された。舞台では脚本を岩崎う大(かもめんたる)、演出をマギーが担当。タイトルに“リローデット”と付いた通り、舞台版として新しく生まれ変わった作品となっている。
本作はW主演となり、ネタを書きボケを担当する黒沢飛夫役に馬場良馬、ツッコミ担当でヤンキーの鬼塚龍平役を菅田琳寧(7MEN侍/ジャニーズJr.)が演じる。黒沢の元相方・石井保役に児玉智洋(サルゴリラ)、借金取りの金井役に宮下雄也、黒沢がお笑いを目指すきっかけとなった芸人・河原役を坂田聡が演じ笑いの部分を支える。
お笑いコンビ・ブラックストーンの飛夫(馬場)は相方の保(児玉)に一方的解散を告げられる。そんな中、飛夫はトラブルに巻き込まれて留置所に入れられてしまう。しかし留置所で出会った龍平(菅田)との会話に天性のツッコミセンスを感じ、一緒にお笑いコンビを組もうと誘う。二人はお笑いコンビ・ドラゴンフライとして道を歩みだしていくのだが・・・。
舞台セットはパネルを中心に、場面によりテーブルや椅子が出現することでファミレスや居酒屋に変わっていく。日常の場面を中心に描かれることで、物語の後半のパネルが大きく動きどんどん展開していく場面では緊張感をより感じられた。
セットはシンプルだが、中で繰り広げられる物語は熱で溢れている。馬場演じる飛夫は個性の強いキャラクターたちに振り回されながら、汗をかきながら終始奮闘。内に秘めた熱さが伝わってくる。菅田演じる龍平は、最初斜に構えているように見えるが、どんどんお笑いを楽しんで成長していく姿が微笑ましい。菅田の龍平からは純粋で無垢さが伝わってくる。
2人を支える龍平の妹・千波(夏目愛海)、友達のマヤ(富田真帆)、龍平の親友・トラキチ(木村優良)の暖かい空気感、龍平が元所属していたスカルキッズの佐山(碕理人)と城川(大崎捺希)からは哀愁が漂う。“漫才”と“ギャング”が重なっているのだが、本作からは“漫才”の印象から受ける温かさをより感じる作品だ。
そして笑いの部分では、ドラマ『ブラッシュアップライフ』で“粉雪の加藤”として話題となり、放送中のドラマ『だが、情熱はある』などでも熱量の高い芝居で注目を浴びている宮下が爆発。お笑いを本職としている児玉や坂田との掛け合いには、静かになりがちなゲネプロの客席も爆笑。ドラゴンフライの息の合った漫才も注目だ。最初のぎこちない二人が作中で成長していく様もポイントだ。
取材会で、現在の心境について馬場は「本作はお客様の笑い声があって完成する作品です。明日の初日からお客様のレスポンスや笑い声が組み合わさって、どういう作品になっていくかが楽しみです」とコメント。菅田も「漫才の舞台ですので、お客様の笑い声が僕らキャストとのコミュニケーションだと思います。明日からめちゃくちゃ楽しんで行きます!」と元気に語った。
タイトルに“リローデット”が付き新たな作品となっていることについて、演出のマギーは原作者の品川から「う大が書いて、マギーが演出するなら自由にやってくれ」と言葉をもらったことを明かした。また漫才師の相方との関係を夫婦に例えたりすることで、本作を“普遍的なラブストーリー”だと位置づけ、“若者たちのエモい青春”が見どころだと話す。
またマギーは作中二人の漫才シーンについて「漫才に出会った時の龍平の『楽しいものを見つけた!』ということの熱だったりとか、漫才をやっているときの飛夫の『俺これが好きなんだよ!』っていうその夢中さだったり、漫才のテンポリズム笑いのもっと根っこにある『漫才をやってるのが楽しい!今俺たち幸せ!』という“エモさ”が伝われば嬉しい」と演出のポイントを語った。
稽古場では菅田が一人でツッコミの練習をしていると、馬場がボケて寄り添い、二人は初共演だがすぐに良い距離感で打ち解けられたという。菅田は事務所外の舞台出演は2作目となり、今作の明るい現場の雰囲気に驚いたそうで「最初は探り探りだったんですけど、この現場は楽しくやることが一番なんだなと思って、すごく楽しくやらせていただきました」と笑顔を見せた。
また役作りで苦戦したところについて、菅田は普段はツッコミも大声を出したりもしないそうで、そこが苦戦したと語った。またマギーに相談することで不安なども解消されて、役を作り上げていくことができ、現場が温かく心地よい環境だったことを明かした。馬場も若手が多い現場だったのでマギーが演出と共に芝居やコミュニケーションの大事さを稽古場でも説いたことで、改めて芝居の根本的なことを自分で見つめなおす機会になったと感謝を述べた。
そんな様子にマギーは「恥ずかしいので止めてください!」と照れつつ、皆が日々成長していき、自分の投げかけた言葉にくらいついてくる意識の高さに稽古場に行くのが楽しかったと話す。そして菅田に対しては「最初は“筋肉隆々の雛鳥”って感じだったのに、本番を前に大きな翼を手に入れて、明日からどんどん羽ばたくのではと楽しみにしております」と笑いかけた。
最後に本番への意気込みについて馬場は「個性的なキャラクターたちが一生懸命生きる姿が皆さんの心になにか響けばいいなと思います。辛いことや悩みがある人がこの作品を観て、ちょっとその悩んでいることが馬鹿馬鹿しくなるくらいこの作品が響くように観に来てくださったら嬉しいです」と会見を締めくくった。
舞台『漫才ギャング -リローデッド-』は、5月4日(木・祝)から5月21日(日)まで東京・博品館劇場、6月2日(金)から6月4日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。上演時間は約1時間50分を予定。
(取材・文・撮影/一本柳歌織)
舞台『漫才ギャング -リローデッド-』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2023年5月4日(木・祝)~5月21日(日) 博品館劇場
【大阪公演】2023年6月2日(金)~6月4日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
スタッフ・キャスト
【原作】「漫才ギャング」品川ヒロシ
【脚本】岩崎う大(かもめんたる)
【演出】マギー
【出演】
馬場良馬、菅田琳寧(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)(※W主演)
夏目愛海
富田麻帆
木村優良
碕理人
大崎捺希
もりももこ
児玉智洋(サルゴリラ)
宮下雄也
坂田聡
公式サイト
【公式サイト】https://manzaigang-stage.com
【公式Twitter】@manzaigangstage