7 MEN 侍／ジャニーズJr.の中村嶺亜「元気と希望と明るいものを受け取って」ミュージカル『DADDY』レポート

2023年4月4日2024年7月31日

当ページには広告が含まれています

7 MEN 侍／ジャニーズJr.の中村嶺亜「元気と希望と明るいものを受け取って」ミュージカル『DADDY』レポート

2023年3月31日（金）にミュージカル『DADDY』が東京・サンシャイン劇場にて開幕した。初日前には公開ゲネプロが行われ、ゲネプロ終了後には中村嶺亜（7 MEN 侍／ジャニーズJr.）、小山十輝（ジャニーズJr.)、横山だいすけが舞台挨拶を行った。

本作は、子どもソングのヒットメーカー新沢としひこ＆中川ひろたかの名曲（「にじ」「世界中のこどもたちが」など）にのせて贈られる、演出家・河原雅彦が手掛ける自身初のファミリー・ミュージカル。子どもたちに大人気のTV番組『ニッチ・スケッチ・しんのすけっち☆』のスタッフ、こーすけがとつぜん未来から来た迷子の少年に「ダディ」と呼ばれたことがきっかけで始まる少年を未来に帰すための”親子旅”と、そこで2人が出会う様々なダディを通して、こーすけの亡き父への思いと成長を描く。

さらに、音楽家で絵本作家でもある中川による絵本「こぶたのブルトン」「ショコラちゃん」シリーズからお茶目な人気キャラクターたちである、こぶたのブルトン、いたちのアンドレ、だるまのタカサキさん、そしてショコラちゃんたちも絵本から飛び出し、こーすけ＆少年と一緒に大冒険を繰り広げる。

出演は、主演の中村が本作の主人公こーすけ役を、小山が未来からきた迷子の少年役を務め、こぶたのブルトン役を大和田美帆、イタチのアンドレ役を川久保拓司、だるまのタカサキさん役を玉置孝匡、ショコラちゃん役を野口かおる、こーすけたちが旅で出会う“海賊ダディ、恐竜ダディ、宇宙ダディ、おばけダディ“といった様々なダディを横山だいすけが演じる。さらに、バンドマスターとなぞのおじさんとして中川も出演。

物語は、小さな子どもたち向けのTV番組『ニッチ・スケッチ・しんのすけっち☆』の撮影スタジオでの、主人公しんのすけっちや、こぶたのブルトン、イタチのアンドレ、だるまのタカサキさんたちによる楽しい歌とダンスシーンからスタート。そこに、子供ソングが大嫌いだという番組スタッフ、こーすけが登場。やる気のないこーすけは、撮影中にセットに頭をぶつけて気を失ってしまう。

謎の少年から声を掛けられて、目を覚ますこーすけ。自分のことをこーすけの子供だと話す少年と、現れたブルトン、アンドレ、タカサキさんに、こーすけは困惑する。こーすけは、少年の「音楽をたどっていけば、もとの世界に戻れるかもしれない」という言葉を頼りに、みんなで旅をすることに。だが、その旅には様々なダディと、絵本とは一味違うショコラちゃんが待っていた･･･。

全編を通して、見るも楽しいキャラクターたちと、にぎやかで楽しい歌とダンスにあふれたミュージカルシーンが満載という本作。こーすけと共に冒険を繰り広げる愛らしい仲間たちに、冒険の旅で出会う個性豊かなダディたちとユニークな世界、新沢と中川によるバリエーション豊かなミュージカルナンバーと、子どもたちを惹きつける要素が盛りだくさんとなっている。

ファミリー・ミュージカルとして子供を夢中にさせる要素がたっぷりの作品だが、もちろん大人でも楽しめる舞台となっている。そこかしこに散りばめられた大人向けの台詞の数々や、絵本とは一味違うショコラちゃんの暴走っぷりに笑いを誘われ、様々なダディとの出会いを通して描かれるこーすけの心の変化が、観客の大人たちの胸を打つことだろう。

ゲネプロ終了後に、中村は「こうして無事に全員揃って初日を迎えられること本当に嬉しく思っています。今回はファミリーミュージカルということで、いつも支えてくれている皆さま、そしてファンの皆さま、そして、今回は特に小さなお子様も来られるということで、すごく楽しみにしています」と初日を迎えての喜びを露わにした。

続けて「そして何よりも僕自身、小さい頃に連れて行ってもらった舞台やミュージカルというのがすごく印象に残っています。同じ道ではなくても、目標を掲げた時に、あの人も頑張っていたから僕もがんばろうだとか、その時の記憶がよみがえってきます」と思い返すと、「小学校の時に観に行った作品で、ダンサーの方が転んじゃったステージがあったんですけど、転んでも立った瞬間の笑顔を見て、すごく前を向いている姿がかっこいいなと思いました。それもあって、今の僕がここに立っているので、たくさんのお客様、お子様の皆さまに元気と希望と明るいものを受け取ってもらえたらと思います」と期待を寄せた。

そんな中村は、序盤のやる気のない今どきの若者こーすけから、様々なダディの世界での謎の少年たちとの冒険によって成長していく姿や、ソロナンバーでのダディへの切ない思いを歌い上げる歌唱シーンなどで、心揺さぶられる演技を見せてくれる。

続いてコメントを求められた小山は「中学1年生の小山十輝です！」と元気よく挨拶。ゲネプロを終えた心境を「ゲネプロでは最初めちゃめちゃ緊張しました！舞台でミスったらどうしようとか、稽古が始まる前はそう思っていました」と心境を明かしつつも、だけど、演出家さんやキャストの皆さんが、いろいろなことで慰めてくれたおかげでここまで来られたと思います。まだまだ千秋楽まであると思うんですけど、頑張っていくので応援よろしくお願いいたします！」と感謝を込めながら意気込みを語った。

コメント中も愛くるしい笑顔を振りまいていた小山は、物語のキーパーソンでもある謎を秘めた少年という難しい役柄を、表情豊かな演技と若さあふれるミュージカルシーンで演じきり、ステージを盛り上げてくれる。

様々なダディを演じる横山は「皆さん、ミュージカル『DADDY』を楽しんでいただけましたでしょうか？」と観客に呼びかけると、ゲネプロに集まった子どもたちや大人たちから大きな拍手が巻き起こり、登壇した3人も大喜び。

そして、横山は「ファミリー・ミュージカルとして、子供から大人まで幅広い世代の人たちに楽しんでもらえたらいいなという思いを、キャスト、スタッフ全員が思ってここまで来ました。僕はうたのおにいさんを9年務めさせていただいて、たくさんの歌を子どもたちに届けてきましたけど、このミュージカルでは、お父さんの気持ちとして子供にどういうことを届けたいかなというのを考えながら、役を務めさせてもらいました」と役作りを説明。

加えて、「そうやってやってみると、みんなのそれぞれの思いが温かさとなって皆さんに届いたんじゃないかなと思います。自分がいつか年をとって死ぬ時に、子供にこういう言葉をと気持ちを残したいなとなりました。親子の本当の気持ちやメッセージというものがたくさんつまっている温かいミュージカルです。嶺亜くんを中心として、みんなで走って行きたいと思います」と見どころをアピールしつつ、意気込んだ。

様々なダディを生き生きと演じる横山。うたのおにいさんとして培ったステージ上で子どもたちの注目を集めて、引き込み楽しませるという彼ならではの魅力は健在。それだけでなく、大人たちの心に突き刺さるストーリーの要を担いつつも、お得意の変顔もたっぷりと込められているので、横山の魅力を存分に楽しめるステージとなっている。

コメント会の最後に、中村は「今日、僕のマイ・リアル・ダディの誕生日なんです！」と告白し、「お父さん、お誕生日おめでとう！」とお祝いの言葉を述べつつ、笑顔を見せた。

とにかく愉快で楽しく、最後には心を温かい気持ちで満たしてくれるファンタジックなミュージカルである本作。公開ゲネプロに集まった子どもたちだけでなく、大人たちからの笑い声と拍手も巻き起こっていたのが印象的で、キャスト・スタッフたちの思いが確実に届いてるのだろうと思わせる公演だった。

ミュージカル『DADDY』は、2023年3月31日（金）から4月9日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演後、大阪、金沢、新潟、仙台、福岡の全国6都市にて上演。上演時間は約2時間30分（休憩20分含）を予定。

（取材・文・撮影／櫻井宏充）

ミュージカル『DADDY』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年3月31日（金）～4月9日（日）　サンシャイン劇場
【大阪公演】2023年4月13日（木）～4月16日（日）　森ノ宮ピロティホール
【金沢公演】2023年4月19日（水）　本多の森ホール
【新潟公演】2023年4月22日（土）　新潟県民会館大ホール
【仙台公演】2023年4月29日（土）　電力ホール
【福岡公演】2023年5月2日（火）～5月3日（水・祝）　ももちパレス