『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 田村 心×小林亮太インタビュー!超えていく覚悟

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『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 田村 心×小林亮太インタビュー!超えていく覚悟

2023年4月末から5月にかけて上演される『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー。『僕のヒーローアカデミア』(ヒロステ)の舞台化が始まって早4年。ついに、物語は「プロヒーロー仮免試験」へと辿り着く。

緑谷出久(みどりやいずく)役の田村 心と、爆豪勝己(ばくごうかつき)役の小林亮太は、初演の頃からこのエピソードを意識していたという。思い入れの強い物語に向けて、二人の今の気持ちを聞いた。

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『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 田村 心×小林亮太インタビュー!超えていく覚悟

目次

僕らが「やりたい」と思っていたエピソードに辿り着く

――「ジャンプフェスタ」でも4作目への並々ならぬ想いを聞かせていただきましたね。

田村:想いは強すぎるかもしれないです。出久(緑谷出久)とかっちゃん(爆豪勝己)にとって大事な話になると思うので。初演の頃から、どこか意識していたエピソードでもあるんです。だから、思い入れもあるし、楽しみもあるし。その分、怖さもあるし。

小林:僕らが「やりたい」と思っていたエピソードに行き着くということは、今までの自分たちが「ヒロステ」で歩んできたことが全部詰まっていると思う。オールマイトという憧れを失ってなお、超えていかなければいけないエピソード。ずっとこの瞬間を思い描いてきたからこそ、いざ目の前にすると怖いですね。でもそれ以上に楽しみなんです。

――初演からお二人とずっと一緒に歩んできたオールマイト(マッスルフォーム)役の岩永洋昭さんのお名前が、出演者にないことに重みを感じました。

田村:ヒロさんは、初演の時から本当に自由な人で。明るくて、いつも僕らを笑顔にしてくれて、本当にオールマイトみたいな存在なんです。オールマイトのヒーロー引退と同時にヒロさんが座組からいなくなるというのは、結構ヒロステにとって大きな影響がある気がしていて。

だからこそ、3作目が終わった時には、ヒロさんに「このカンパニーは大丈夫だ」って思ってもらえるようにしたかったし、千秋楽の円陣でもそういう話をしていました。きっと今回も観に来てくれると思うから、改めて客席からヒロステを観てもらった時に「いいカンパニーになったな」って思ってもらえたら嬉しいなと思っています。

小林:今日、取材の前に「平和の象徴」の映像を見返していたんですよ。最後のオールマイトの雄叫びは、劇場でやっていた時はもちろん、映像で観てもその熱量はすさまじいものがあって。作中で誰もが憧れた「背中」を、ヒロさんがしっかり体現してくれたから、今の僕らはきっと、出久やかっちゃんに近しい感情になっていると思うんですよね。その上で、演劇として面白いものを僕らは作らなきゃいけないという責任感のようなものを感じています。

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雄英高校1年A組、ついにヒロステに勢ぞろい!

――一方で、ついに雄英高校の1年A組がヒロステで勢ぞろいしますね。

田村:念願叶った!ずっと言ってましたから。誰かしらいないんですよ、いてほしいのに(笑)。これまでも、稽古をしながら「ここでアイツにいてほしいのに、なんでいないんだよ~」って思うことが初演からずっとあったので。今回は、そのジレンマがないと思うと楽しみですし、なんか嬉しいですね。

小林:ほんとだね。尾白くん(尾白猿夫・おじろましらお)とか、しっぽだけだったからね。

田村:ほんとだよ~、よく許されてたよ(笑)!

小林:演劇的手法を駆使してね(笑)。

田村:きっと葉隠(葉隠 透・はがくれとおる)と口田(口田甲司・こうだこうじ)も何かしらの方法で出てくるだろうから、本当に全員集合だね。人数が増える分、芝居としては難しいことも出てくるとは思うけど。

小林:今回、台本を読んでいても、1ページ全員違う人がしゃべってる、みたいな状態で(笑)!台詞がない間、僕らはその間も芝居で埋めなきゃいけない。それには、僕らがここまで培ってきたものをしっかり出す必要があるなと。

田村:飯田くん(飯田天哉・いいだてんや)の気持ちを考えるともう、いたたまれない(笑)。

小林:自由な人たちがさらに増えてね(笑)!彼はクラスをまとめないといけないので大変だ。

田村:実際、1年A組の芝居ってこれまでも一番難しかったんですよ。教室のシーンとか、群像劇みたいな性質が強いから。それを思い出すと、今回は割とそういうシーンが多いからきっと大変(笑)。だから、新しい子たちが楽しんで挑戦できる環境は作りたいね。

小林:そうだね。最初は悩んじゃうからね。“個性”と一緒で、自分が持っている色を出せる場にしてあげたい。初演からいる自分たちだからこそできることはしてあげたいです。

――1年A組の子たちは、今回、親元を離れて学校の寮に入るという大きな転機を迎えますよね。あの年代の子どもたちにとってはすごく大きな出来事の一つだと思うのですが・・・。

小林:寮のお話って、自分を子どもと認識できるエピソードなんですよね。初演から4年が経つので、演じる僕らもちょっとずつ大人になっていて、前回「もうちょっと高校生らしさを・・・」って言われることもあったりして(笑)。そういう意味でも原点回帰じゃないですけど、親とのシーンが描かれることによって、まだ一人前ではない、彼らはまだ未熟な子どもなんだっていうことを客観視できる。

田村:かっちゃんは割とすんなり行く方だもんなぁ。母ちゃんにスパーン!っとやられるけど(笑)。出久としては、気持ち的には結構しんどい。僕としては芝居力が求められるなって思ってます。出久、お母さん、オールマイトの3人のシーンになるだろうから、集中して臨まないといけないなって。

――お部屋バトルもどんな風に表現されるのかも気になります。

小林:僕、参加しない人です・・・。

田村:そうだ(笑)。でも、新しいキャストにスポットが当たるいいシーンだよね。音楽とも絡んで面白いシーンになるんじゃないかな。あとは峰田(峰田実・みねたみのる)くん次第!

小林:そうだね、峰田くんがどれだけ楽しめるかにかかってる(笑)。峰田、今回もすごくいいんですよ。

田村:前回もいてほしかったもん。ツッコんでほしいところいっぱいあった(笑)。

小林:峰田くん本当にいいキャラだよね。

――そして「プロヒーロー仮免取得試験」という山場も迎え、士傑高校というライバルも登場します。

田村:僕、夜嵐イナサ(よあらしいなさ)役の白柏寿大くんとは面識があるので、共演できるのが楽しみですね。士傑高校の面々は、1年A組に刺激を与えてくれる存在なので、いろんなディスカッションをして、いい関係を築ければと思っています。

小林:同年代の関わりで見えるものってあると思うので、新しい風を吹かせてくれるのではないかと。

田村:また新しいチームができそうだよね。

小林:確かに!

田村:1年A組は1年A組、ヴィランチームはヴィランチームみたいな感じで、今までもなんとなく稽古場でチームが出来ていたんですよ。だから、士傑は士傑のチームができそう。

小林:今回はヴィランチームがいないから、それもまた違った雰囲気になるかもね。

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ヒロステは毎回がプルスウルトラ!

――公開されているビジュアルでは、出久とかっちゃんが対峙する姿と「憧れの、その向こうへ。」というコピーが印象的ですが、改めてヒロステを振り返って、乗り越えてきたものってありますか?

田村:・・・喉じゃない?

小林:(爆笑)!!

田村:俺たちの喉、毎回プルスウルトラしてるよね。

小林:そうそう。次もプルスウルトラしないと、多分やってられない(笑)。

田村: 初演の頃はまだコロナ前だったので、地方公演の終演後とかみんなでごはんに行ったりしていたんですよ。でも、僕らは喉がキツすぎて、二人だけ弁当買ってホテルの部屋に帰って・・・みたいな感じだったので、みんなが羨ましかったし、寂しかった(笑)。それぐらい、喉とは戦って乗り越えてきましたね。

小林:あとは、2作目は本当に苦難の連続だったね。リベンジできた時は本当に嬉しかった。

田村:公演が中止になった時、めっちゃ泣いたもんなあ。大阪で電話しながら。そう思うと、毎回プルスウルトラだね。

――いろいろ踏まえての4作目、今回も細部までヒロアカ愛を感じられる台本になっていましたね。

田村:ヒロステは、いつも原作愛を感じる作りになっているなと、演じる僕らも思うんですよね。今回も、今本誌で進んでいる内容を見て取り入れたんだろうなと思うシーンもあったし。原作を深掘りして、しっかり台本に起こしてくださっているなと感じます。見方によっては、ちょっと新しいヒロステになるかもしれない。

小林:原作も、現在進行形で未来が見えて、過去が明かさていく熱い展開が続いていて盛り上がっているから、僕らもそれに負けないものを作らないといけないと思うので、モチベーションは高く挑みたいなと思います。

田村:今回、全二幕なんですが、一幕の最後も「そこで終わるんだ!」という驚きがありつつ納得の終わり方になっているし。二幕の最後も「あ、そこで終わるの?!」って思ったんですよ。

小林:面白いよね、その終わり方なのか!って感じると思う。でも、そこに僕らの成長を見せたい。多分、初演の頃の僕らだったら、今回の終わり方ってすごく難しくて悩むだろうなって思うんです。でも、今だったらそれを成立させられる。そういう自分たちでありたいと思うことで、結果的に役者としての成長も見せたいです。

田村:でも、できる気がしてる。今なら。

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ヒロステは、田村 心にとって、小林亮太にとって「◯◯な物語だ」

――では、ヒロステを「自分にとっては◯◯な物語だ」とそれぞれ定義するとしたら?

小林:僕にとってヒロステは「“今”を懸ける物語」です。初演から携わらせていただいていることもすごく大きいですし、イチからものづくりができるということは、責任も伴うけれどすごく楽しいことだと思うから。ここ数年、ヒロステの舞台に立つことで自分の中の照準を合わせていたこともあって、帰れる場所なんだと思います。

田村:僕は、「みんながいたからできた物語」かな。オールマイト(マッスルフォーム)がヒロさんだったから、尊敬できたし、 愛せたし、ずっと憧れていられたし。同じよう懸けるに、かっちゃんが亮ちゃんだから、年下だけど一番身近な憧れだし。みんながみんな、出久にとっての〇〇であったように、田村 心にとっての◯◯であり、大事な存在です。田村 心を出久にしてくれるのはみんなだし、みんながいるからできているのがヒロステ。そういう意味で、「みんながいたからできた物語」です。

――お二人の作品にかける熱い気持ちが伝わってきて、ぐっときてしまいました。4作目も、皆さんの作り上げるヒロステを楽しみにしています。

小林:ありがとうございます。前作の最後で大人が命をかけている姿を目の当たりにさせてもらいました。すごく憧れました。ただ憧れているだけでは越えられない。けど、今までやってきたこと、自分たちを信じて、お互いを信じて、1歩踏み出して、より良いものをお届けできるようにがんばりますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

田村:僕らは、辿り着きたかったエピソードということもあるし、内容的にも相当な覚悟と信念を持って作品に臨みますが、それが結果として皆さんの「楽しかった」という満足に繋がったらいいなと思っています。お客さんには、ただ楽しみな気持ちだけを持って劇場に来ていただきたい。いい公演を届ける覚悟がありますので、ぜひ観に来てください。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年4月29日(土・祝)~5月7日(日) 天王洲 銀河劇場
【兵庫公演】2023年5月12日(金)~5月14日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
【東京凱旋公演】2023年5月19日(金)~5月21日(日) 日本青年館ホール

<チケット>
【一般発売】2023年3月26日(日)10:00~

スタッフ・キャスト

【原作】堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
【演出】元吉庸泰
【脚本】西森英行
【音楽】和田俊輔
【振付】塩野拓矢(梅棒)

【出演】
緑谷出久:田村 心/
爆豪勝己:小林亮太
麗日お茶子:竹内 夢
飯田天哉:武子直輝
轟 焦凍:北村 諒/
蛙吹梅雨:野口真緒
切島鋭児郎:田中尚輝
上鳴電気:佐藤祐吾
青山優雅:橋本真一
八百万 百:山﨑紗彩
峰田 実:奥井那我人
常闇踏陰:松原 凛
耳郎響香:川上明莉
瀬呂範太:池田 慎
芦戸三奈:永利優妃
障子目蔵:大久保圭介
尾白猿夫:茶谷優太
砂藤力道:坂上翔麻/
夜嵐イナサ:白柏寿大
現見ケミィ:竹井未来望
肉倉精児:今井俊斗/
イレイザーヘッド:瀬戸祐介
プレゼント・マイク:岡本悠紀
ミッドナイト:木内海美/
オールマイト:吉岡 佑

<オールラウンダー>
田邊 謙 辻村晃慶 大原万由子 師富永奈 松岡歩武 中沢凜之介

<声の出演>
葉隠 透:名塚佳織

公式サイト

【公式サイト】https://heroaca-stage.com/
【公式Twitter】@heroaca_stage

(C) 堀越耕平/集英社・「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 製作委員会




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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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