【ネタバレ】「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 田村 心×小林亮太インタビュー「今のメンバーだから届けられるヒロステ」

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【ネタバレ】「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 田村 心×小林亮太インタビュー「今のメンバーだから届けられるヒロステ」

「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーローが、まもなく大千秋楽を迎える。「平和の象徴」を失った子どもたちが、それでもなお歩みを進める姿を描いた、シリーズ4作目となるヒロステ。

今回、U-NEXTで行われる大千秋楽の配信に向けて、内容に踏み込んで創作現場の裏側を聞く【ネタバレ】インタビューを実施した。緑谷出久(みどりやいずく)役の田村 心と、爆豪勝己(ばくごうかつき)役の小林亮太が、おもしろいエピソードを交えながらも、稽古場での試行錯誤の様子を語ってくれた。

(※本記事では、公演の具体的な内容に触れた内容となっております)

U-NEXTにて大千秋楽日を配信!

視聴ページ▶5月21日(日)13:00公演
視聴ページ▶5月21日(日)18:00公演(大千秋楽)

※マルチアングル配信はスイッチング配信と全景映像を自分で切り替えながら視聴可能
※U-NEXTに遷移します

目次

「作って壊したい」8分超えの大ナンバーで印象付けたヒロステの変化

――今回の創作はいかがでしたか?

田村:僕、今回みんなより遅れて稽古に合流だったんですよ。だから、いっぱいいっぱいで。いつもより余裕がなかったかもしれない。

小林:結構序盤に、演出の元吉さん(元吉庸泰)が「作って壊したい」とおっしゃっていたんです。1回できた場面でも“本当にこれでいいのか”という疑いをかけたい、もっとベストはないのか探りたいって。自分たちの気持ち的としても今まで以上に懸けるものがあるし、最後の最後まで「もっとよくできたらいいな」という気持ちを持って臨んでいました。

――この記事は「ネタバレ」記事となっております。まず、ヒロステと言えば血の滾るオープニングですが、今回は「平和の象徴」の地続きのような始まり方でしたね。

小林:僕、今回の上演にあたってこれまでのヒロステを見返してみたんですけど、今までとガラッと印象が違いますよね。お客様も「そういう入りか・・・!」って驚かれたんじゃないかなって。僕らとしては、今までのヒロステ3作と違ってパワーで押さないんですよ。だから、こちらが感じている感覚をきちんと客席に共有できないと、導入としては成り立たないので、イントロダクションとして見せるM1の「Lost of the HERO」の完成度はより一層高めないと、という思いがありました。

田村:そうだね、今までの楽曲と違う印象の曲だから、最初、結構ハードルが高いなって思った。新曲だから歌詞が聞こえなかったりしたらきっとストレスだろうし、引き込めないから。M1の「Lost of the HERO」、家庭訪問前のM2「New Life」、プレゼントマイクのMCで始まるオープニングのM3「Be the Top One」までは流れは、特に大事にしなきゃいけないなと。特に「Be the Top One」は今までの「I want to be a HERO」のポジションになるので。

――音楽でも、オールマイトの喪失を表現されているんですね。

田村:そうですね。「Be the Top One」、トータル8分ぐらいあるナンバーなんですよ。そのビッグナンバーを、みんなで繋いでいかなきゃいけないんです。僕もずっと舞台上にいるわけじゃないし、みんなで渡してもらってということを1曲の中でしなければいけないので、その難しさはありました。

小林:でも、ワクワクするよね!M3「Be the Top One」の入りは、すごく楽しいと思う。

田村:某映画を、ちょっと意識してるよね(笑)。

小林:そうそう、元吉さんが大好きなやつ!稽古場で、参考としてみんなで何回観たことか(笑)。

田村:自分でも映像で観た時すごいワクワクしたもんな~。

小林:「I want to be a HERO」とはまた違ったヒロステの良さが伝わる曲になりそうだよね。

【ネタバレ】「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 田村 心×小林亮太インタビュー「今のメンバーだから届けられるヒロステ」

学生特有の感覚が蘇る「家庭訪問」緑谷家は小林亮太プロデュース?

――冒頭では、雄英の生徒たちの家庭訪問が行われて、出久(緑谷)とかっちゃん(爆豪)は、ご両親とのシーンが描かれていましたね。

田村:ちょっと恥ずかしいよね。授業参観日に親が来る感じ(笑)。

小林:触れられたくないところに触れられているような、学生特有の感覚が蘇るよね。気を張るっていうか、ちょっとかっこつけるじゃないですか。その感覚が恥ずかしいの(笑)。

田村:そう、特にかっちゃんはね。

小林:僕、実際に母への当たりが強いので、ちょっと似てるんですよ。母親も強いから、さらに。

田村:じゃあ、あれは結構リアルなんだ(笑)。

小林:父親が間に入ってくれるわけではなく、引いて見ている立ち位置なんですけど、結構、爆豪家と小林家は似ています・・・(笑)。

田村:(爆笑)!!

――出久とお母さんのシーンになりますね。

田村:緑谷家は、爆豪家とはまた違って、芝居としてきちんと会話をしなければいけないので、お母さんはすごく悩んでましたね。

小林:僕にいっぱい相談が飛んできました。

田村:俺に相談じゃないんだ(笑)。

小林:多分、傍から見てどうかっていうのが聞きたかったんだと思うよ。お母さん役を演じるにはまだ若いし。ましてや、デク家はお父さんの存在が描かれていないから、女性が一人で立つ強さの感覚も持たないといけないしね。

田村:デクは「ヒーローになりたい」っていう気持ちと、(出水)洸汰(いずみこうた)くんから貰った手紙があるから突っ走れるけど、確かに、お母さんの気持ちは想像するのが難しいよな。

小林:実際、彼女がどう感じて、ここ(田村さん)と関係性を作っていくかが大事だからね。だから、「心って呼んでみたら?」とかアプローチの提案をしていました。

田村:だからか!ある日突然、「心って呼ぶわ」って言われたんだよ。思わず挙動不審になっちゃったよ。

小林:(笑)!意外と多分ガツガツ行ったらなんとかなるから、心ちゃんにはそうやって行ったらいいと思うよって言ったの。

田村:俺、ガツガツ来られると引いちゃうタイプだよ(笑)。

小林:え~!じゃあ、「引いて」って言っておこうか?難しいな~(笑)。

『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー開幕!田村心「たくさんの方に届きますように!!!」

お部屋披露大会、参加していないはずが・・・

――プロデュース by 小林さんの成果があのシーンに込められているんですね(笑)。その後には、楽しいお部屋披露大会がありますが、台本を見てもテンポが早くて、どうやって場面を作っていくんだろうかと思っていました。

小林:稽古の中で、曲の速度が上がったんですよ。演出部チームが「間に合わないよっ!」って、裏で全力ダッシュをしていました。・・・お部屋披露大会、かっちゃんは参加していないんですけど。

田村:参加してないの?自分から立候補して、アレやってるでしょ(笑)?

小林:待って、それだけ聞くと「アイツ、○○○やりたかったんだ」って冷たい目で見られちゃいそうなんですけど、理由があるんですよ!確か、原作者の堀越先生が今年の頭にTwitterでみんなにミルコのヒーロースーツを着せたイラストを描かれていたんですよね。でも、かっちゃんは着ていなくて。それをなんとなく覚えていたので、じゃあ逆に「やってみよう」と思ったんです。でも、結果・・・そこで一番頭を悩ませることになりました。一向に正解が見つからない!

田村:稽古場でも圧かけられてたしね。「なんかやれ♪なんかやれ♪」って(笑)。

小林:そうなんですよ!みんなの当たりが強くて!普段、かっちゃんとしてやりたい放題やってたから、ここで逆襲してやると言わんばかりに(笑)。

田村:「3回まわってワンして!」とかね(笑)。

小林:僕が何をやっても、みんな全然助けてくれないんですよ!

田村:(爆笑)!

――小林さんが辿り着く答えを楽しみに観ていただきたいですね(笑)。お二人が1年A組の部屋王を選ぶとしたら?

小林:やっぱり、デクかなあ。稽古場でも、一番テンションが上がったのがデクの部屋でした。確か、元吉さんの私物とかも入っているんですよ。

田村:そうそう!僕もデクの部屋かな。あと、演出部が作ってくれたオールマイトの小物とか、めちゃめちゃすごくて、「うわぁ~!」ってテンション上がりました。

小林:だよね、すごく力が入ってると思う。さすが主人公!ちゃんと作られているところと、何もない状態で部屋と言い張るところがあるんですよ(笑)。想像力で補っていこう!っていうね。

田村:そこにいろいろある、という前提でね。

小林:それも含めて、僕は轟くんの和室がいいなあ。でも、別の仕事で和室に入ったら足に棘が刺さっちゃったことがあったんです。家に帰ってから、ピンセットで30分ぐらい格闘しながら抜きました。和室、ちょっと危険(笑)。

――ちなみに、お二人ご自身のお部屋の中でのこだわりは?

小林:そうですね・・・自分が落ち着く色味でコーディネートすることかな。今、壁が茶色いので、家具とかもわりと茶色のものにしています。あとは、観葉植物を育てています!コウモリランっていうものです。

田村:おしゃれですねぇ。物がめっちゃ多いけど(笑)。

小林:(爆笑)!実家に犬がいたので、僕も何か育てたくて。観葉植物だったらいいかな?と思ったのよ。週に1回ぐらいの水やりで済むんですよ。これはこだわりです。

田村:俺は、フィギュアコーナーを作っているんですが、その一角がこだわりポイントかな。デクとかっちゃん、その真ん中にオールマイトがいます。

小林:リアルにデクの部屋と同じようなことしてるよね。

田村:そうそう(笑)。

『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー開幕!田村心「たくさんの方に届きますように!!!」

入り組みまくり!「プロヒーロー仮免取得試験」

――前半の学生生活から後半の「プロヒーロー仮免取得試験」はさらに場面が入り組んでいきますが・・・。

小林:2作目の「期末試験」も入り組んでいましたが、あの時は、対教師という構造で、舞台袖で見ながら各々がパスを繋いでいくことがしっかり出来ていた印象がありました。でも、今回の「プロヒーロー仮免取得試験」は、実力の分からない相手と、自分の中で壁となるものの設定の仕方が難しい。その上で、ナンバーとして繋がっていく作りになっているので、どうやったらおもしろく見えるようにできるのか、試行錯誤でした。

田村:「プロヒーロー仮免取得試験」は、本当に難しいです。原作もそうですが、言葉を選ばずに言うと、中途半端なとこで終わるじゃないですか。戦闘中に「終わり」を告げられるので。漫画ではおもしろいんだけど、舞台だと呆気なさがすごくて。特に、仮免の2次試験はあっという間なので、がんばらなきゃいけないところです。

小林:「あの時、誰がどこにいてどうなっていたんだ?」と思う部分を、舞台という視覚で分かりやすく変換したいっていうのが、元吉さんの演出の根源にあって、それをみんなで作って壊してを繰り返してきました。

『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー開幕!田村心「たくさんの方に届きますように!!!」

「演じたかった」シーンは、動くのも、しゃべるのもしんどいけれど・・・

――ラストのデクとかっちゃんが想いをぶつけ合うシーンは、お二人が「演じたかった」とおっしゃっていたシーンですね。やってみていかがですか?

田村:マジできつい・・・(笑)。

小林:(笑)!

田村:時間にするとどれぐらいなんだろう、あそこまで出ずっぱりで戦い続けることって、今までのどの舞台でも経験がなくて。だいたい、数分戦ったら、シーン変わって捌けて水を飲めたりしたんですけど、あのシーンはそれが全くできない。本当に後半は足が上がらなくなって、動くのもしんどいし、台詞をしゃべるのもしんどいんです。正直、毎回怖いです。

小林:的に力むから負荷が大きくなるし、そうなると自分たちがしんどくなるから、パワー配分をどうしていくのかが難しいよね。デクとかっちゃんのバトルのあとに、オールマイトが来て話すシーンが続くんですが、あそこでやっと息が整うんです。

小林:そういう限界の状態を演劇として成立させなければいけない、ある程度コントロール下に置かなきゃいけないからね。

田村:どうしても気持ちが乗っちゃう。

小林:まくってます。

【ネタバレ】「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 田村 心×小林亮太インタビュー「今のメンバーだから届けられるヒロステ」

2作目の途中中止がなければ、全く違う作品になっていたかもしれない

――ヒロステと言えば、音楽と振付も楽しみな点です。

田村:今回、仮免の2次試験の曲で、今までにないくらいプレゼントマイクとオールラウンダーの皆さんが踊り狂ってるのがいいよね。今までにないテイストだし、悠紀くん(岡本悠紀)はアップしながらも歌ってます。

小林:「Anthem」は、敵(ヴィラン)チームが歌っていたところに士傑高校のメンバーが入ったりして、新しくなってます。やっぱり「Anthem」が流れるとものすごく心が動きます。でも、それに慣れるのが怖い。音楽って、お芝居をすごく助けてくれるもので、ヒロステでは特に重要な要素なんだけど、それに甘え始めるといつか躓くので、いい塩梅を探したいです。

田村:思ったんだけど、ヒロステの2作目で中止を経験していなかったら、「Anthem」っていう曲は生まれていなかったんだよね(本物の英雄 PLUS ULTRA ver.で追加された楽曲)。

小林:そうだ、そうだね。

小林:今回、「Anthem」がいろんな形で使われているんですけど、もし、中止がなかったらどんな演出になっていたんだろう。全く違う作品になっていたかもしれない。そう考えると、2作目が途中で止まって、中止を乗り越えたことは、すごく意味のあるものになったのかもしれないですね。

――すべてが繋がって、「最高のヒーロー」が出来上がったんですね。大千秋楽では、U-NEXTさんで配信も行われます。ヒロステを愛する皆さんに、メッセージをお願いします。

小林:僕、佑さん(吉岡佑)が演じるオールマイトとしっかり絡むのが今回初めてで。稽古場で、初めて向き合った時、めちゃめちゃ温かくて、思わず涙が出てきたんです。「平和の象徴」としてスタンディングする姿ではなくなってしまったけれど、その後のオールマイトと雄英の生徒たちが、足掻いて戦っていく姿を見届けていただけたら、一番嬉しいです。

田村:毎回思うんですが、ヒロステって自分自身ともリンクしてくる作品なんです。本当に、田村 心の人生そのものみたいな作品になってきました。今回もそうですし、今のメンバーだからできる、届けられるヒロステです。稽古をしていても、きっと大千秋楽を迎える頃にはみんな出し切っていると思えるので、たくさんの方に見ていただきたいです。配信も、見逃し配信でもいいので、この作品が一人でも多くの人に届くことを願っています。・・・次は、君だ!

小林:(爆笑)!!それ、いい!言いたい!

田村・小林:次は、君だ!!

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

\U-NEXTでライブ・アーカイブ配信あり!/

5月21日(日)13:00公演

5月21日(日)18:00公演(大千秋楽)

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「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーローライブ配信詳細

【配信スケジュール】
4月29日(土・祝)13:00公演 マルチアングル配信
5月21日(日)13:00公演 マルチアングル配信
5月21日(日)18:00公演 マルチアングル配信
※マルチアングル配信はスイッチング配信と全景映像を自分で切り替えながら視聴可能

【チケット料金】
3,700 円(税込)

【配信内容】
ライブ配信+見逃し配信
特典映像付き(回替わりキャストコメント映像)
※見逃し配信期間の詳細は販売ページをご確認ください。

【特典映像】
4月29日(土・祝)13:00 公演
麗日お茶子役:竹内 夢、飯田天哉役:武子直輝、轟 焦凍役:北村 諒
5月21日(日)13:00公演
夜嵐イナサ役:白柏寿大、現見ケミィ役:竹井未来望、肉倉精児役:今井俊斗
5月21日(日)18:00公演
緑谷出久役:田村 心、爆豪勝己役:小林亮太

エンタステージ
『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー開幕!田村心「たくさんの方に届きますように... 2023年4月29日(土・祝)に東京・天王洲 銀河劇場にて、『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーローが開幕した。ヒロステ4作目となる本作では、“平和の象...

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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