『僕のヒーローアカデミア』舞台化第3弾で田村 心、小林亮太の胸を打つ「先輩たちの本気」

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『僕のヒーローアカデミア』舞台化第3弾で田村 心、小林亮太の胸を打つ「先輩たちの本気」

「僕のヒーローアカデミア」の舞台化第3弾、「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 平和の象徴が、2022年5月8日(日)まで上演中だ。ヒロステ3作目となる今回は、「夏の林間合宿編」と「神野区の悪夢編」が描かれ、“平和の象徴”オールマイトと“巨悪”オール・フォー・ワンとの死闘が描かれる。

今回は、大千秋楽日の5月8日(日)12:00公演と17:30公演がU-NEXTで独占ライブ配信される。原作屈指の人気エピソードを舞台でどう描くのか、より多くの方にヒロステに触れてもらえるよう、緑谷出久(みどりやいずく)役の田村 心と、爆豪勝己(ばくごうかつき)役の小林亮太に、一部内容に触れながら作品のことを語ってもらった。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

<U-NEXTで配信>

目次

貴重な公演期間中のインタビュー!初日を終えて

――公演がスタートしてからお話を伺える機会はとても貴重です。まず、開幕した手応えをお伺いできますか?

田村:とにかく、無事に幕を開けられたことが何よりも嬉しかったです。僕らは2020年の「本物の英雄(ヒーロー)」の公演が途中で中止になり、延期を経験しているので・・・。今もまだまったく油断のならない状況ですが、誰の目にも触れることなく終わることはなくてホッとしています(笑)。初日、本当に楽しかった。

小林:僕は、幕が開くまでちょっとプレッシャーを感じていたんです。前作は延期になったこともあり、一つの作品に倍の時間をかけることができていたけれど、今回は半分の時間で前回を上回る熱量を届けなければいけない。また、原作の人気エピソードでもあるので、お客様の期待値も上がっているだろうなと少し気負う部分もあって。でも、幕が開いてお客様がいるのを見たら吹っ飛びました。今回、演出的にも演劇はお客様がいて完成することをすごく実感できるようになっているので、改めてその喜びを感じられました。

ヒロステと共に成長してきた――

――酸いも甘いも噛み分けてきたヒロステですが、本作はお二人にとってどういう位置付けになっていますか?

田村:最初は・・・ただひたすらにがむしゃらでしたね。振り返ると、僕自身も本当にデク(出久)みたいな歩み方をしていて。第1弾は、主人公だしがんばらなきゃ!常に100%で!という感じだったんですが、そのせいか途中で声が掠れてしまったりもしていたんです。

この第3弾の稽古中、演出の元吉さんが「役者が100%出しちゃうと、お客さん的にはトゥーマッチすぎることもある。たまに出す100%だから、メリハリがつくんだよ」というお話をしてくださったんです。まさに、それをこの3作を通じて学んできた気がしています。

自分の体が壊れてしまっては自分も楽しくないし、お客さんにも不安を残しちゃう。初演の最後の方に、デクの台詞で「誰も心配することのない、僕なりのやり方を、見つけたいと思います」みたいなことを言っていたんですが、そのとおりだなって思うようになりました。いい意味で肩の力が抜けたのかもしれません。みんな支えてくれるし、助けてくれる。この3作を通じて、人に頼れるようになった気もしています。

小林:僕にとって、ヒロステはホームです。自分を試せる場所であり、帰りたい場所。この第3弾には、コロナの影響がなければもっと早く辿り着いているはずだったんですが、コロナ禍にあったからこそ、ヒロステ以外の場所で役者として学べる機会があったんです。それを持ってヒロステに帰ることで、改めて気づけたこともたくさんありました。

関わる時間が長くなるほど、どんどん愛も深くなっていっているんですよ。『僕のヒーローアカデミア』という作品に対しても、爆豪勝己というキャラクターから緑谷出久やオールマイトへの想い、役者・小林亮太から田村 心や岩永洋昭さんへの想いも。そういうところから、全部がここまで繋がってきているんだなあと思います。

繋がるという点では、僕、ヒロステの音楽がすごく好きで、舞台をやっている時以外にもよく聞いていて。舞台上でも、お芝居を越えた部分でも、あの音楽を聞くだけで湧き上がってくるものがあるんです。それって、きっと自分の中に積み重ねてきたもの、一緒に過ごしてきた時間があるから。本作では、かっちゃん(爆豪)が“原点”に立ち返るシーンがあります。それと同じように、ヒロステは役者としての僕の原点ですね。

――ヒロステについて度々取材をさせていただいてきましたが、お話からも皆さんの成長を感じます。田村さんと小林さんは、ここまで一緒にやってきて、お互いに「成長したな」と思うことはありますか?

田村:いっぱいありますよ!これ言うと怒るんですけど、亮ちゃんは老けました(笑)。これちゃんと書いてくださいね(笑)。

小林:(爆笑)!!

田村:出会った頃なんてワンちゃんみたいで、声も透き通っていてかわいかったのに・・・。爆豪やって、声帯変わっちゃった?

小林:心ちゃんと初めて会った時はまだ19歳で今23歳だから、一番変わる時期なんだよ~(笑)。

田村:確かに、それは変わりますわな。亮ちゃんは、老けて、声帯爆豪化して、総じて大人になりましたね(笑)。

小林:心ちゃんは、気が強くなった。これ、誉め言葉ですよ!初演の時は、モジモジしてたんですよ。当時はモジモジしてたとは思っていなかったけど、今を知ってるから、その違いがすごい。「これ言おうかな?言わない方がいいかな?」ってモジモジしていることがたくさんあったけど、今はマジでストレートに言えるようになった。本人としてはまだとどめている部分があるかもしれないけど。僕はまだ伝えられないことも多かったりするので、素直に伝えられるのってすごくうらやましいです。ほかにも褒めたいことあるんだけどな~、老けたって言われたからな~(笑)。

田村:(笑)。ヒロステは若いキャストも多かったから、変化を感じる子は多いよね。(麗日お茶子役の竹内)夢もちょっと大人になったなって思うし、(八百万 百役の)山﨑(紗彩)も変わったし・・・今回は出ていないけど、(峰田 実役の奥井)那我人は変わらないね(笑)。

小林:変わってない(笑)!

“平和の象徴”その背が語るもの――『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage舞台第3弾開幕

ヒロステ内に劇団誕生?振付も最高難易度

――(笑)。では、第3弾の内容についても少し触れていきたいと思います。本作では、「夏の林間合宿編」と「神野区の悪夢編」が描かれます。稽古場で印象的だったことはありますか?

田村:僕は、林間合宿のマスキュラー戦ですね。稽古場で、マスキュラーを演じる小柳 心さんと、マスキュラーの筋肉を動かすオールラウンダーの2人、計3人を元吉さんが「劇団筋肉」って呼んでいたんですよ。そこの表現が結構複雑で、難しくて。3人が思っているものと、元吉さんがイメージしているものが食い違っていたりして、「もうちょっとこうしてほしい」と返すことが多くて。あのシーンは、時間をかけて作りましたね。

――マスキュラー戦では、田村さんも上半身の肉体美を披露されていましたよね。

田村:稽古の序盤で、元吉さんがスタッフさんと話してる会話の中で、「ここでデクのシャツが弾けます」って聞こえたんです。それで「今回脱ぐのか?」と察して、筋トレを始めました(笑)。初演では、原作では着ていないシーンも舞台では着る選択をしていたので、今回もそうかな?と思っていたら、ちゃんと上裸になりました(笑)。

――では、田村さんも含めて「劇団筋肉」・・・?

田村:確かにそうですね!僕も含めて「劇団筋肉」です(笑)。

“平和の象徴”その背が語るもの――『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage舞台第3弾開幕

――小林さんはいかがでしょう?

小林:今回、かっちゃんが攫われまして、敵(ヴィラン)と初めてがっつり対峙することになるんですけど・・・。敵(ヴィラン)チームは、多く会話せず舞台上でやってなんぼの役者が多いので、あんまり口合わせもしていないんです。だから、あの場面は本番に入ってなお日々違うことが多くて楽しいです。

あと、ダンスが難しい!多分、3作目にして一番難しい動きを振付の(塩野)拓矢さんが組んできたので、それをいかに全体でちゃんと見せられるかが、今回の課題だと思っていました。「ヒロステ良かった!」って言ってもらいたいと思って、ずっと稽古していました。

――本作では、ヒーローvs敵(ヴィラン)の構図がこれまで以上に明確に描かれていますね。

小林:感染症対策という面もありますが、敵(ヴィラン)チームは敵(ヴィラン)チームで結構話をしているのを見ていたので、A組の僕らも負けられない!という意識もありました。元吉さんも、「ヒーローvs敵(ヴィラン)の構図は、今の世界的な問題にも通ずるところだからしっかり描きたい」と仰っていたので、僕らも大人としてしっかり考えないといけないなと。でも舞台に立つ時は高校生でいなきゃいけないから、その加減が難しいなと思っています。

“平和の象徴”その背が語るもの――『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage舞台第3弾開幕

“平和の象徴”その背が語るもの――『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage舞台第3弾開幕

ベテランの先輩が身体を張っている姿を見ていたら、どうしたって感情が高ぶる

――「神野区の悪夢編」では、オールマイトが大きな背中を見せますが、オールマイト(マッスルフォーム・トゥルーフォーム)を演じる岩永洋昭さんと吉岡 佑さんの姿は、お二人の目にどう映っていますか?

田村:僕は、ヒロさんがテレビでヒーローを演じていた頃から観ていたから、デクがオールマイトに感じるものと同じような感覚を抱いています。佑さんは前作から入ってくれた方ですが、たくさん話をしてきたし、今回はお芝居を交わす時間も増えたから、初演からいるぐらいの気持ちになっています。そんなお二方が、オール・フォー・ワンを演じる細見大輔さんと必死に戦う姿は、見ていて胸にくるものしかないです。

・・・敵(ヴィラン)のトゥワイスをを演じている川﨑優作ってヤツがいるんですけ、彼が場当たり中、急に「2.5次元舞台を観に来てさ、最後におじさんたちが汗ダラダラ流しながら戦っている姿を若者が見下ろしているって、構図最高だよね」って言ってきて(笑)。

小林:めっちゃいいこと言う~(笑)!

田村:言葉は悪いけど、確かに2.5次元舞台っていうと若手が中心になることが多いじゃないですか。その中で、ベテランの皆さんが上から見ていても分かるぐらい、汗をダラダラ流しながら、足腰を痛めながら身体を張っている。そういう背中を見ていたら、僕らもどうしたって感情は高ぶりますよね。

小林:オールマイトの戦いは、個人的に史上最高に重いなと思って見ていて・・・。かっちゃんは、彼(オールマイト)を超えたいとずっと思い続けているんですよ。僕は、役者として誰かを超えたいとか誰々みたいになりたいと思うことはあるけど、歳を重ねるにつれて「いいな」と見る目は変わってくるから、そんなに貫けるものがなくて。僕の人生とは違うけれど、憧れに一途なその気持ちは、あの場にいてひしひし感じます。だから本当に、先輩方の本気を、マジで一緒に見てほしいなって思っています。

田村 心、小林亮太流ライブ配信の楽しみ方

――ライブ配信で、映像としてどのようにあの激闘が映されるのかも、楽しみです。

小林:僕の個人的な意見なんですが、今回のヒロステは今までで一番演劇的だなと思うんですよ。劇場の空気を動かすようなシーンを映像で見たらどう伝わるのか、すごく気になっています。

田村:今回の配信って、マルチアングル配信なんですよね?スイッチングと全景と、自分で切り替えながら観れるっていいですね。大きなセット転換がある時は、引きで観てほしいな。セットを動かしている人にも意味があったりするので。特に、かっちゃん奪還のシーンは絶対引きで見てほしい!

小林:見逃し配信もあります?そうしたら2回観てほしいです!1回全景で見てもらって、2回目はスイッチングにする、とか。逆でもいいです。絶対、発見があると思うので。特に後半は見守っているキャストが多いので、どこに誰がいてどう見ているかは全景、細かい表情の芝居は寄りで、細かいところまで見てもらえたら嬉しいですね。

それから、配信なら一緒に「オールマイト!」って叫べます!僕はかっちゃんを演じているから実際には叫べないんですが、劇場全体の気持ちが全部オールマイトに向かっているのを感じます。家で観ながら、皆さんにも一緒に叫んでもらいたいです。

――そして、本作では本編終了後にヒロステ初のミニライブがついています。

田村:ライブは、お客さんが入って完成した感がすごくて、ひたすら楽しかったです。僕はほかの作品でもライブをやらせていただいた経験があったんですが、キャストの中にはライブの時の客席を初めて見る人も多くて、すごく感動していました。もちろん僕も。

小林:2時間半バリバリに演劇をやってきたのに、残り20分ライブとして盛り上がるのがめっちゃ不思議な光景で(笑)。このシステムはすごいなと思いましたし、ハッピーエンタメは今必要なものだと思います。

田村:SNSとかでお客さんから反応もらったけど、「楽しく終われました!」といった声が多かったから、きっとお客さんにとってもライブがあって良かったのかも。

小林:僕、元々アーティストさんがすごく好きで、いろんなライブを観てきたので、ファンサービスできるキャラだったらめっちゃしてたな~、したかったな~って思っています(笑)。爆豪なので何もしていないんですが、小林亮太としては「皆さんありがとうございます!」という気持ちでおります!

田村:配信でも、ペンライトとか用意して一緒に盛り上がってもらえたらいいね。

 

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「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 平和の象徴の配信は、U-NEXTにて配信

【配信日】

5月8日(日)12:00公演:マルチアングル配信
5月8日(日)17:30公演:マルチアングル配信
※マルチアングル配信はスイッチング配信と全景映像を自分で切り替えながら視聴することが可能

【チケット料金】3,700円(税込)

【配信内容】ライブ配信+見逃し配信/特典映像付き(回替わりキャストコメント映像)

「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 平和の象徴 公演情報

上演スケジュール・チケット

【神奈川公演】2022年4月9日(土)・4月10日(日) KAAT 神奈川芸術劇場 ホール(終了)
【大阪公演】2022年4月22日(金)~4月24日(日) メルパルクホール大阪(終了)
【東京公演】2022年5月1日(日)~5月8日(日) TOKYO DOME CITY HALL

スタッフ・キャスト

【原作】堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
【演出】元吉庸泰
【脚本】西森英行
【音楽】和田俊輔
【振付】塩野拓矢(梅棒)

【出演】
緑谷出久:田村心/

爆豪勝己:小林亮太
麗日お茶子:竹内夢
飯田天哉:武子直輝
轟焦凍:北村諒/

蛙吹梅雨:野口真緒
切島鋭児郎:田中尚輝
青山優雅:橋本真一
八百万百:山﨑紗彩
常闇踏陰:松原凛
障子目蔵:大久保圭介/

死柄木弔:雷太
荼毘:大隅勇太
トガヒミコ:伊波杏樹
トゥワイス:川﨑優作
マスキュラー:小柳心/

グラントリノ:米原幸佑
イレイザー・ヘッド:瀬戸祐介
プレゼント・マイク:岡本悠紀
エンデヴァー:上田悠介
ベストジーニスト:チャンへ/

出水洸汰:猪股怜生・伊奈聖嵐 (W キャスト)/

オール・フォー・ワン:細見大輔/

オールマイト(トゥルーフォーム):吉岡佑
オールマイト(マッスルフォーム):岩永洋昭

――――――――――――――――――
<オールラウンダー>
木内海美 福井将太 田邊謙 辻村晃慶 大原万由子 師富永奈
※オールラウンダーとはアンサンブルキャストの呼称

【公式サイト】https://heroaca-stage.com/
【公式Twitter】@heroaca_stage

(C) 堀越耕平/集英社・「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 製作委員会

『僕のヒーローアカデミア』舞台化第3弾で田村 心、小林亮太の胸を打つ「先輩たちの本気」

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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