蒼木陣が、2021年5月1日(土)に1st写真集「夏音(なつおと)」を発売する。写真集を発売することが「夢の一つだった」という蒼木。出版に向けて企画段階から参加し、“今の自分”を形にすべく様々な意見を出していったという。
タイトル決めの裏話から、撮影の思い出、自身の「笑顔」に大きな影響を与えた舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たちで演じた陸奥守吉行役のこと、そして役者・蒼木陣のこれから・・・。
「これが今の僕です!」と、真っ直ぐな目で語ってくれた蒼木の現在地を聞いた。
タイトルに「夏音」を選んだ理由
――写真集、発売おめでとうございます!
ありがとうございます!写真集を出すのは、ずっと目標というか、夢だったんです。芸能界に21歳で入った時から憧れでした。
――「夏音」というタイトルも蒼木さんにぴったりでとても素敵ですね。
実はこれ、マネージャーさんが考えてくれたタイトルなんです。これまでの作品と出会ったから出来た自分やプライベートな表情、全部を詰め合わせた写真集、それを表すものとして自分で考えついたのは「ミックスフライ定食」というタイトルで(笑)。
――だいぶイメージが違う感じに・・・(笑)。
「てんこ盛りな感じがするし、蒼木陣っぽいだろう!」と思って提案したら、マネージャーさんに「もうちょっと何かいいのあるんじゃない・・・?」と言われまして(笑)。綺麗な写真をたくさん撮ってもらったから、もうちょっとシンプルなものをと思ったんですが、自分の頭だと「ミックスフライ定食」から抜け出せなくなってしまったので、マネージャーさんに一緒に考えてもらいました。
――その中でも「夏音」を選んだのは?
他にも、僕が大事にしている“ご縁”をタイトルにしようとか、いろいろほかにも提案していただいたんですけど、“ナツオト”という音の綺麗さや字のイメージから、撮影した沖縄のあたたかさも感じるし、コロナ禍という息苦しい今だけれど、そういう中でも夏が近づく雰囲気があって、少しでも開放感を感じられる気がしたので、僕はこれが一番好きですとお伝えして決まりました。
――蒼木さんの雰囲気にとてもぴったりだなと思いました。
嬉しいです。インパクトオンリーの「ミックスフライ定食」にしなくて良かった(笑)。
「今の自分を形に残したい」から始まった写真集づくり
――写真集作りには、蒼木さんご自身の意向もたくさん盛り込まれていると伺いました。
はい。かなり意見を聞いていただきました。そもそも、写真集として今の自分を形に残したいなとマネージャーさんや事務所に相談したところから始まっていまして。
実は、舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち(以下、刀ステ)をやっている時に、共演者の方と撮る写真や、スタッフさんが撮ってくださった本番中の写真を見て、我ながら「今の自分、いい顔してるな~」って思えたんですよね。作品や人、色んな出会いを経た今だからこそ、いい表情が見せられるんじゃないかなと思って。
そこから、お願いしたいカメラマンさんや衣裳さん、構成からどの写真を使いたいとか、「僕はこうしたいです」となるべく意見を出させていただきました。スタッフさんもできる限りそれを聞いてくださったので、みんなで相談して一番よいものを形にできた写真集になったと思います。
――「海」と「動物」と「自然」がキーワードになっていますが、この3つをコンセプトにしたのは?
僕、一番写真集に残したかったのが、今の「笑顔」だったんです。この笑顔には、刀ステで演じた陸奥守吉行の影響がすごく強くて。強さや明るさ、ちょっと泥くさいところとか、全部ひっくるめた陸奥守吉行という存在と触れ合うことで、たどり着いたのが今の僕だなと思っていて。そんな自分を、もともとの僕自身が大好きな動物や自然の中で見せるのが、今の自分を形に残す上では一番なんじゃないかと。沖縄という撮影地も、そのキーワードから自然と決まりました。
陸奥守吉行を演じることで自分の笑顔が好きになれた
――蒼木さんにとって、刀ステの陸奥守吉行はとても大きい存在になったんですね。
めちゃめちゃ影響を受けました。陸奥守吉行を演じることで自分の笑顔が好きになれましたし、今までとはまた違う強い笑顔というのも僕の中に生まれて、新しい引き出しが増えた気がしています。それから、共演者の方たちとの出会いも大きかったです。たくさん支えてもらいましたし、座長として積ませてもらった経験値は何にも代えがたいものでした。
――写真集の撮影中にも、ご自身の変化は感じられましたか?
撮影の時って「こういう顔をしよう」とある程度イメージをしたり、どうしても「写真を撮られます」と意識した表情になってしまうことが多かったんですけど、この写真集の撮影では、そういうのは置いておいて、今、この場所で楽しんでる様子を撮ってもらえたらいいなって、肩の力を抜くことができた気がしました。
現場の空気や、目の前に広がる自然とか、雲間から顔を出した太陽を見た瞬間とか、動物と触れ合うことで感じることとか、作り込むのではなく、その瞬間を楽しんでる自分の表情をたくさん引き出していただいて。撮影が終盤になればなるほど、「俺の中にこんな表情もあったんだ」と思う顔で写っているカットもあって、僕自身もまた出会ったことのない自分と出会えた気がしました。
雨男がいる?!沖縄での撮影を振り返って
――撮影中、記憶に残っていることがあれば教えてください。
沖縄というと、やっぱり「青い海、青い空、いい天気!」みたいなイメージをしがちじゃないですか。僕もそう思っていたんですけど、初日から雨で、「雨男は誰だ?!」ってみんなで言っていました(笑)。
でも、いざ撮影をしようというタイミングでは雨が止んで、太陽も出てきてくれたり、取ろうかって言った瞬間雨が止んでちょっと陽が出てきれくれたり、雨も風が止んでくれて。合間合間では運の良さを発揮しました。スタッフさんには「陣くん雨男なんじゃないの?」って言われましたけど、僕はマネージャーさんだと思ってます(笑)。
カメラマンのアライテツヤさんも、めちゃめちゃファンキーなおじさまで!ファッションも個性的だし、撮影中も一番パワフルで。朝一でもアライさんが超元気だから、自然とこっちまで笑顔になっていました。そんな感じで和気あいあいとやっておりまして、天候には恵まれなかったんですが撮影チームには恵まれて、本当に楽しい撮影でした。
――写真のセレクトにもこだわりましたか?
アライさんがピックアップしてくださったものを見て、僕の好みを、マネージャーさんを通じてお伝えして、セレクトの参考にしていただきました。
――中でもお気に入りは?
うーん、迷う・・・!たくさんあるんですけど、東南植物園で猿と撮った撮影は、一番何も意識せずにただただ楽しい!という表情ばかりですね。僕、申年なので、猿が二匹いる!みたいなショットになっています(笑)。
――海でのショットは、蒼木さんの肉体美が記録されていますね。
海で撮った写真も、いい表情をしているものが多いと思います!身体も仕上げました。写真集を出すことが決まった時も、やっぱり海でのショットは撮りたいよねとお話していたので、身体、仕上げました(笑)。
刀ステのめちゃめちゃハードな殺陣で身体がすごく仕上がっていたんですが、撮影前もトレーニングしてました。間に合え!って思いながら。しっかり準備できたと思うので、良い状態がお見せできていると思います。楽しみにしていてください。
28年間の自分を支える「出会い」と「ご縁」
――蒼木さんの28年間が詰まった1冊ということですが、今振り返ってみて、ご自身にとって一番大きな糧になっていることはなんですか?
出会い、だと思います。考えると、いろんな作品や人と出会ったり、演出家の方にいろんなアドバイスもらったり、いろんな影響を受けて出来上がったものが今の自分なんだと思うんです。それぐらい、僕にとって出会いは大事で、ご縁だなと思っています。
――では、28年を振り返って最も大きな壁だったのは?
作品のハードさで言うと、やっぱり刀ステでしょうか。多分、あんなに肉体を酷使して、いろんなものを背負って臨むというハードな作品は、もしかしたらこの先これを超えるものには出会えないんじゃないかと思うぐらい、やりがいとしんどさせめぎ合う経験でした。
今でも、刀ステの共演者の方たちとは定期的に連絡を取り合っているんですよ。「最近何してる?」とか、「元気?」とか、「僕は最近こういうことしているよ」とか。それぐらい絆が深まったカンパニーのみんなと支え合って、大きな壁を乗り越えられたと思っています。あの作品をやり通せたことは、これからもずっと僕を支えてくれる経験と自信になると思います。
――俳優・蒼木陣としては、これからどうなっていきたいですか?
この1年、自分と向き合って考える時間や機会が多かったんです。でも、考えすぎてしまったからなのか、逆にビジョンが見えなくなることもあって。何がしたいんだろう?と突き詰めると、結局僕は「楽しいと思えることを一生懸命やっていたい」んだと思います。ワクワクしていたい。そのために、自分のことは追い込み続けたいです。
この先、どんな作品、どんな役と出会うのか分からないですけど、その出会いに寄り添って、吸収して、人生をかけて成長し続けられたらいいという思いが一番強いです。
写真集、舞台『タンブリング』出演・・・いろんな夢が形になる2021年
――6月に控える舞台『タンブリング』も、昨年の上演が延期になったことで出演することになった“ご縁”がありますね。
そうなんですよ。僕、『タンブリング』は出たいと思っていた作品の一つだったんです。僕、本田礼生くんと幼馴染なんですけど、彼が2013年に舞台『タンブリングvol.4』に出ていたんですよ。赤坂ACTシアターに観に言ったんですが、言葉にできないぐらい感動して。僕自身、また役者を始めたばかりの頃で、大きな劇場に立った経験もなかったですし、観ること自体も初めてに近かったですし、何よりもこれが舞台なのかと圧倒されたんです。その時に「『タンブリング』にいつか出たい」「赤坂ACTシアターにいつか立ちたい」という目標が2つ増えました。だから、今回ご縁があって本当に嬉しいです。
――写真集の発売然り、今年は蒼木さんにとっていろんな目標が叶う年ですね。
そうですね。一つの集大成と言うか、区切りになる1年になるのかなと思ってます。だからこそ、これを受け取ってくださる今のお客様のお顔を見たいです。お客様に直接お会いできる機会が減ってしまって、感謝を直接お伝えしたい気持ちが募るばかりです。直接「ありがとうございます」と伝えられる機会って、僕ら俳優にとって本当に貴重な機会なんです・・・。どうかお会い出来ますように。日々祈る気持ちです。
――名刺代わりにこの写真集をお渡しするとしたら、何と言ってお渡ししたいですか?
「これが今の僕です!」
僕の28年間が詰まっているということを、買ってくださる方の目を見てお伝えしたいです。今まで生きてきて良かったなと思える瞬間が詰まっているので、ぜひ、今の僕を見ていただきたいです。
写真集概要
蒼木陣 ファースト写真集「夏音」
【発売日】2021年5月1日(土)
【カメラマン】アライテツヤ
【サイズ】B5判
【総ページ数】100 ページ
【発行】株式会社サンミュージックブレーン
【HP】https://www.sunmusic-gp.co.jp/talent/aoki_jin/