全国5大都市ツアー開催!ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見レポート

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2019年に全国5大都市ツアーの上演が決定しているミュージカル『レ・ミゼラブル』の製作発表記者会見が、2019年1月23日(水)に都内にて開催された。この日は、プリンシパルおよびアンサンブルを含む72名のキャストが登壇。計7曲の歌唱披露や質疑応答などが行われ、1万通の応募の中から選ばれた大勢のオーディエンスがその模様を見届けた。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見02

プロモーション映像の上映後、歌唱披露のトップバッターを務めたのはジャベール役の伊礼彼方。迫力ある歌声に強い想いをのせて、「スターズ」を披露した。続いて、アンジョルラス役の小野田龍之介とアンサンブルキャストが登場して「ABCカフェ~民衆の歌」を歌唱。小野田を中心に、いくつもの歌声が重なり大合唱が巻き起こっていく過程は圧巻。

テナルディエ役の斎藤司とマダム・テナルディエ役の朴路美は、アンサンブルキャストとともに「宿屋の主人の歌」を披露。観る者の気持ちを引き上げてくれるような斎藤の盛り上げ方はさすがのもので、妻役の朴とも呼吸ぴったり。

屋比久も緊張した表情を見せつつ「今できる精一杯のものを表現して、ここから本番へ向けて成長していくぞという決意を込めて歌わせていただきます」と、初々しさの中にある強い気持ちを届けてくれた。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見04

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見03

さらに、キャスト挨拶と質疑応答をはさんだ後は、ジャン・バルジャン役の佐藤隆紀が「彼を帰して」で切なさと力強さが融合したような歌声を響かせ、会場をしとやかな雰囲気へと一変させ、史上最年少での大抜擢となったマリウス役の三浦宏規は「カフェ・ソング」で、のびやかな力強い歌声を聞かせてくれた。

そして、マリウスへ想いを寄せるエポニーヌ役の屋比久知奈も「オン・マイ・オウン」で堂々たる歌声を披露し、そのままの流れでオールキャストが登場し「ワン・デイ・モア」へ。迫力満点の大合唱で、春からの開幕をますます待ち遠しくさせた。

キャスト挨拶では、プリンシパルキャスト26名(※エポニーヌ役の昆夏美とアンジョルラス役の上山竜治および男性アンサンブル2名は都合により欠席)が登壇し、挨拶および質疑応答が行われた。以下、それぞれのコメントを紹介。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見05

◆福井晶一(ジャン・バルジャン役)
この場にいられることを嬉しく思います。バラエティに富んだ素晴らしいキャストが集まって、初めて出演される方もいますし、どんな化学反応が起こるのかとても楽しみです。僕の地元の札幌公演も控えているので、北海道民としては本当に嬉しいですし、北海道の皆様にも『レ・ミゼラブル』の魅力を届けられると思うと今からワクワクしております。

◆吉原光夫(ジャン・バルジャン役)
役と向き合うことで精進して楽しみながら、自分を高めていく作品だと思います。はまめぐ(濱田めぐみ)さんや福井さんなど劇団の先輩がいらっしゃると、自分がまだ若手であるかのように思ってしまいますが、子どもの頃に共演した海宝(直人)や(熊谷)彩春ちゃんと、今度は大人として同じステージに立つということは、やっぱり年をとったんだなぁと(笑)。そうして年齢を認識しながらも、どうやってジャン・バルジャンを表現していくのかを楽しみたいと思います。

◆佐藤隆紀(ジャン・バルジャン役)
この伝統あるミュージカルに出演させていただけることを大変嬉しく、光栄に思っております。ジャン・バルジャン役をやるには、まだまだ自分は精神面も技術の面も足りない部分があると感じているので、いいステージをお届けできるように日々精進していきたいと思います。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見06

◆川口竜也(ジャベール役)
またこの舞台に立たせていただけたことに感謝しております。この苦しくも楽しい世界に入っていくんだと思うと、覚悟しなければいけないと感じます。2013年にこの役に選んでいただいてから、ずっと一つの目標がありまして、それは“2019年までジャベールをやりたい”ということ。なぜかと言いますと、僕は今年52歳になりますが、原作でジャベールが死ぬ年齢なんですね。その年までやらせていただけたのなら、どんなジャベールを生きられるのか?と楽しみにしていました。自分と向き合いながら精一杯演じていきたいと思います。

◆上原理生(ジャベール役)
『レ・ミゼラブル』は僕にとってデビュー作品であり、そのときはアンジョルラスという役を演じさせていただきました。今回は正反対のジャベールを演じることになり、まったく違う景色が見られるのかなとワクワクしております。真摯に誠実に向き合っていきたいと思います。

◆伊礼彼方(ジャベール役)
一週間ずっと「スターズ」の歌詞がリフレインし、朝は「スターズ」の脳内アラームで起き・・・(製作発表を終え)やっと静かに寝られます(笑)。自分で望んでオーディションを受けた役ですが、いざ歌ってみるととても重いものがありました。先輩たちが30年かけて築きあげてきた歴史に新たな風を吹かせたいですし、今まで応援してくださった方々に少しでも成長した姿を見せられたらと思います。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見07

◆知念里奈(ファンテーヌ役)
気づいたら、ずいぶん長い間この作品に携わらせていただいてますが、毎回その時々で違うことを感じたり学んだりする素晴らしい作品です。今の私のベストを尽くして、新しいファンテーヌを探していけたらと思っています。

◆濱田めぐみ(ファンテーヌ役)
緊張していたんですけども、皆さんのコメントを聞いていたら喜びと嬉しさとワクワク感が溢れてきて、自然と笑顔になりました。この作品とファンテーヌという女性を心から愛し、誠心誠意務めたいと思います。

◆二宮愛(ファンテーヌ役)
2017年に続き、今回も素晴らしい作品に携われることを心から嬉しく思っています。前回の経験をふまえて、ファンテーヌという役をもっと愛していけたらと思います。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見07

◆唯月ふうか(エポニーヌ役)
2度目の挑戦ということで、よりエポニーヌという女性と向き合い、深く掘り下げて、しっかりとお客様に届けられるように演じたいです。また、今回は自分の地元である札幌公演があるので、すごく特別な思いがあります。精一杯演じさせていただきます。

◆屋比久知奈(エポニーヌ役)
この作品の一員になれることが心から嬉しく幸せであり、光栄に思っております。全身全霊でエポニーヌと向き合って『レ・ミゼラブル』の世界で生きたいと思います。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見09

◆海宝直人(マリウス役)
2015年から3度目の出演になりますが、初心に立ち返って新鮮な気持ちで作品、楽譜、台本と向き合い、また新たなマリウスを作っていけたらと思っています。

◆内藤大希(マリウス役)
2017年に続き、再び演じられることをとても嬉しく思っています。前回よりもパワーアップした姿をお見せできるようにがんばります。

◆三浦宏規(マリウス役)
初めての参加になります。ずっと夢見ていた作品なので、今この場に立っていることが本当に嬉しく夢のようです。まだまだ未熟なところはありますが、今自分にできることはすべてマリウスに注いで、『レ・ミゼラブル』の時代を生きたいです。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見10

◆生田絵梨花(コゼット役)
前回コゼットを演じてから2年近くが経ち、自分自身でも変わったなぁと思うところがあるので、もう一度向き合った時にどんな景色が見えるのか、今からとても楽しみです。新しい『レ・ミゼラブル』の皆さんで一丸となってがんばります。

◆小南満佑子(コゼット役)
2度目の挑戦となりますが、作品とコゼットをもっともっと愛して、真摯に取り組んでまいります。

◆熊谷彩春(コゼット役)
小さい頃から憧れていた作品に参加させていただけることを、改めて光栄に思っております。精一杯コゼットと向き合ってがんばります。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見

◆駒田一(テナルディエ役)
16年目にしてまた新たな気分でやれるような気がしております。新しいメンバーも入りましたし、皆で力を合わせて、いい作品にできたらと思います。どうぞ応援よろしくお願いします。

◆橋本じゅん(テナルディエ役)
前回は東京公演だけの参加でした。入口のドアを開けたら終わったというような感覚で・・・自分の中では“最後まで皆と作品をやり遂げて幕を下ろす”ということが目標でした。今回それを果たすことができますので、最後の最後まで精一杯務めたいと思います。

◆KENTARO(テナルディエ役)
またこの場に立たせていただけることを誇りに感じ、嬉しい思いでいっぱいです。テナルディエは一人増えて4人になりますが、本当に大好きな人たちばかりです。同じ役をやっている以上は舞台上で共演できないのがすごく残念です。先ほど連絡先だけは交換しましたので、仲良くやっていこうと思います(笑)。

◆斎藤司(テナルディエ役)
先ほど初めて皆さんの前で歌わせていただいた時は、今まで生きてきた中で一番というくらい喉の調子が悪かったので・・・ここから3ヶ月みっちりとやらせていただいて、素晴らしいものをお見せできるよう、謙虚にがんばります。

◆森公美子(マダム・テナルディエ役)
22年間やらせていただいて、今年が最後になるんじゃないかと思ったら涙が・・・。というのも、年齢と共にオーディションに受かる自信がなくなってくるんですね。そう言いながらも、またオーディションに受かって次の公演もいたらごめんなさい(笑)。これが最後という気持ちで務めさせていただきますので、ぜひ皆さんご覧になってください。

◆鈴木ほのか(マダム・テナルディエ役)
初演でコゼットを演じ、10周年からはファンテーヌ、そして一昨年からはマダム・テナルディエをやらせていただいています。一昨年の30周年記念パーティーでは、本当にたくさんの歴代キャストやスタッフの方々がいらっしゃって、その人たちの汗と涙で今のレミゼがあるんだなと再確認しました。昭和でコゼット、平成でファンテーヌ、新元号でマダム・テナルディエ(笑)。ますますがんばってまいります。

◆朴路美(マダム・テナルディエ役)
47歳にして初ミュージカルに挑戦、しかもこんなに大きな作品ということで、本当に身が引きしまる思いです。ハートフルにマダム・テナルディエを演じさせていただきます。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見

◆相葉裕樹(アンジョルラス役)
『レ・ミゼラブル』の世界に戻ってくることができて、本当に感謝しています。2度目ということで、さらに深く役を掘り下げて演じられるように精進していきます。

◆小野田龍之介(アンジョルラス役)
この作品に出演させていただけることを大変嬉しく思っています。僕にとって、『レ・ミゼラブル』は大きな影響を受けた作品の一つなので、その一部になれることに誇りを持って、丁寧に演じてまいります。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見

この日はプリンシパルキャストに加えて、男性26名、女性20名のアンサンブルキャストも登壇。本作品では、子役9名を含む総勢85名が出演し、そのうちジャン・バルジャン役とジャベール役をのぞく全キャストが複数の役を演じるため、すべての役柄を数えると300以上もの人物が登場するのだそう。

その中でも物語の中心的存在であるジャン・バルジャン役の3名から、あらためて『レ・ミゼラブル』の魅力が語られた。佐藤は、本作が愛され続ける理由について「祈る気持ちであったり、人が変わっていく姿を見たときの反応であったり、そういう人間誰しもが持っているものがあるからこそパワーを感じられるし皆さんに愛されるのだと思います」と分析。

吉原は、ジャン・バルジャン役を演じるにあたり「普通の人であることを大事にしながら演じたい」とコメントし、その理由に「天命のくだった神に近い人間が旅をする物語ではなく、苦しい人生の中で正しくなろうと最後まで葛藤した普通の男性の物語だと思うので、だからこそ観る人の心に届いていくのだと思います」と加えた。

福井も「愛を知らなかった人間が愛を与えられ、自分も人へ愛を与えていく、そういうプロセスを大切にしながら生き抜いていく姿が共感を呼ぶのかなと。もちろん音楽に圧倒的な力があり、そこに魅力的なキャラクターが登場して、その時々で感情移入できるキャラクターが違ってくるところも魅力」と、新たな角度から作品を語った。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見

また、大所帯のカンパニーの中には今回が初出演となるキャストもいることから、長年『レ・ミゼラブル』へ出演している森からフレッシュなキャスト陣へ「日本語ができる演出家がいないのでコミュニケーション能力が大切です!」とアドバイスが贈られる一幕も。特に、斎藤には「この公演は真面目にやらなければいけません」と念押し。「思ったことをやられるよりは、言われたことをやる。長く生きていく上ではそれが大切かと思います(笑)」という森の言葉に、斎藤は恐縮しつつも深く頷いていた。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見

先日、写真集の撮影のためにニューヨークへ訪れたという生田からは「本場のブロードウェイを見て刺激を受けました」という言葉も聞かれた。また、ニューヨークでの経験が役者としての表現方法にも繋がっているようで、「前回コゼットを演じた時は笑うことに精一杯になっていましたが、“笑顔には一つだけではないし、いろんな段階がある”と演出家の方からアドバイスを受けました。写真集の撮影では、自分でも見たことがないような表情を知ることができましたので、今回のコゼットを演じる時も表情が増えていたらいいなと思います」と笑顔を見せた。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見

待望の『レ・ミゼラブル』初出演となる濱田は、あらためて心境を問われると、「皆さんの気持ちが一つになって立ち上がっていく作品なんだなぁと感じています。今まで自分が経験させていただいた役の中にもファンテーヌに活かせる要素がたくさんあると思うので、うまく融合させられたらいいなと思っています」と期待を膨らませた。

『レ・ミゼラブル』製作発表記者会見

さらに、会見で歌唱を披露した面々は「喉から心臓が出るような気持ちで、思っていた以上に責任ある作品に出演させていただけるんだなぁと実感しました」(伊礼)、「やっと今日、『レ・ミゼラブル』に出演するんだなという実感が沸きました」(小野田)、「とにかく緊張しました。先輩方のお話や歌を聞かせていただいて、自分を磨きながらやらせていただきます」(斎藤)、「数日前の稽古で先生に泣きついてしまったくらい緊張しました。とにかく心新たにがんばります!」(朴)、「光夫さんからは、(歌う時は)精神力が大事と伺っていました。皆さん優しい気持ちで見守ってください(笑)」(佐藤)、「普段あんまり緊張するタイプではないんですが、今回は人生で経験したことがないくらいの緊張です。今日、自分が思ったまま表現したマリウス像が、稽古を経て本番までにどう変わっていくのか。ここがスタートになるんだと思うと、同時に楽しみでもあります」(三浦)、「今できる精一杯のものを表現して、ここから本番へ向けて成長していくぞという決意を込めます」(屋比久)と、それぞれコメントしていた。

ミュージカル『レ・ミゼラブル』は、東京・帝国劇場にて4月15日(月)から4月18日(木)までプレビュー公演を行ったのち、4月19日(金)から5月28日(月・祝)に本公演を上演する。その後、名古屋、大阪、福岡、北海道を巡演。日程の詳細は以下の通り。

【プレビュー公演】2019年4月15日(月)~4月18日(木) 帝国劇場
【東京公演】4月19日(金)~5月28日(月・祝) 帝国劇場
【名古屋公演】6月7日(金)~6月25日(火) 御園座
【大阪公演】7月3日(水)~7月20日(土) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】7月29日(月)~8月26日(月) 博多座
【北海道公演】9月10日(火)~9月17日(火) 札幌文化芸術劇場hitaru

【公式HP】https://www.tohostage.com/lesmiserables/

(取材・文・撮影/堀江有希)

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