1976年にアメリカで誕生し、トニー賞の作品賞をはじめ数々の賞を受賞した、名作ミュージカル『アニー』。2019年で34年目を迎える『アニー』の製作発表が2018年12月11日(火)に東京都内で行われ、早見優、蒼乃夕妃、服部杏奈、そして今年度のアニー役の岡菜々子と山崎玲奈が登壇した。
本作は、1933年、世界大恐慌直後のニューヨークを舞台に、孤児院の前に置き去りにされながらも両親が迎えに来ると信じて前向きに過ごす11歳の少女・アニーが、大富豪オリバー・ウォーターバックスと出会い、心を通わせていく物語。日本での総上演回数は1828回を数え、全国で176万人を超える観客を動員している。2017年には『ジキル&ハイド』や『ローマの休日』などを手がけた山田和也を演出家に迎え、新たな物語として生まれ変わった。
例年、主人公・アニーと孤児役12名のオーディションが注目を集めているが、今年度も全国から多くの応募がある中、岡と山崎の二人が選ばれた。3回目のオーディションでアニー役を掴んだという岡は「嘘みたいで、頭が混乱していました」とアニー役が発表された瞬間を振り返り「今まで練習をいっぱいがんばってきてよかったと思いました」とにっこり。そして、「明るく元気で、暗い道でも光を照らせるようなアニーを演じたいです」と意気込んだ。
一方の山崎も、アニー役には2度目の挑戦で合格。「1回目は、ダンスで落ちてしまったので、(その後は)主にダンスの練習を続けていました」と話し「優しくて、みんなに元気を与えられるアニーになりたいです」と、アニーらしい元気いっぱいの笑顔を見せた。
また、この日は大人キャストが初お披露目され、ウォーターバックス役を昨年に引き続き藤本隆宏、ハニガン役を早見、グレース役を蒼乃、そしてリリー役を服部が演じることが発表された。
『NEWヒロイン~女たちよタフであれ!~』以来、7年ぶりの舞台出演となる早見は「2007年に自分の娘たちと一緒に観劇した記憶がありますが、まさか、このような形でハニガン役を務めさせていただくとは思ってもいませんでした。私は、今までかわいい役をやらせていただくことが多かったので、初めての意地悪役にどうしたらいいのかと思っています。娘には『いつものママを出せばいいんじゃないの?』と送り出されてきました」と冗談交じりに挨拶。
一方、同じく『アニー』初出演となる蒼乃は「グレース役はたくさんの尊敬できる女優の方々が演じてきた役なので、大切に自分らしくできたらと思っております」と力強く語る。また「子どもたちと一緒に舞台に立たせていただくのも初めて」という蒼乃は「すごく楽しみです。自分自身がいい影響をいっぱいもらって、みんなと一緒に素敵なミュージカルにできたら」と期待を寄せた。
リリー役の服部は2006年、今から13年前に21代目アニーとして出演していたアニー経験者。アニー役と大人キャストの両方を演じるのは服部が初となる。服部は「まさか自分がこうしてアニーに戻ってこられるなんて夢にも思っていなかったので、今、こうして衣装を着ても、夢なんじゃないかと思っております。悪巧みされる側から悪巧みする側になる楽しさをかみしめながら、一歩一歩いい舞台になるよう努めさせていただきたいと思います」と喜びいっぱいにコメントした。
さらに、アニーの二人へ「私がアニーを演じた時と今回の公演とは全く違う演出ですが、その中でもアニーの力強さや明るさ、陽気さは一貫しているものだと思います。それを大事に、そしてアニーの人生を楽しんでいただければいい舞台になると思います」とアドバイスを贈った。
また、服部は「(会見前の)スタンバイしている時の二人を見て、自分がアニーを演じていたころを思い出しました。未だに当時Wキャストだった加藤茜ちゃんとは仲がいいんです。アニーはかけがえのない舞台で、宝物。二人がこの舞台をどう共有していくんだろうと思うと、すごく楽しみです」と先輩ならではの言葉でアニーの二人を激励した。
丸美屋食品ミュージカル『アニー』は2019年4月27日(土)から5月13日(月)まで東京・新国立劇場にて上演される。
【公式HP】http://www.ntv.co.jp/annie/
※山崎玲奈の「崎」は、「大」の部分が「立」が正式表記
(取材・文・撮影/嶋田真己)