中山優馬、松岡充、中村雅俊が三世代で“夢”を歌い上げる『ローリング・ソング』開幕

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2018年8月11日(土)に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて『ローリング・ソング』が開幕した。本作は、劇作家・演出家の鴻上尚史が、様々なな人たちと出会い、公演するために作ったユニットKOKAMI@networkの第16弾公演。今回は、中山優馬、松岡充、中村雅俊をトリプル主演に迎え、三世代に渡る男たちがぶつかり、あがきながら、歌い上げる姿を描く。

初日前には、プレスコールと囲み会見が行われ、中山、松岡、中村、そして作・演出の鴻上が登壇し、初日を迎える心境を語った。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_3

鴻上作品にずっと出たいと思っていたという中山。「出たいですとずっと言っていたら、このような機会をいただくことができました。本当に楽しいです。早く皆さんに観てほしい」と、はやる気持ちをのぞかせた。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_2

稽古について、中山は「ずっと笑っていました。スピード感で進んでいったので、圧倒されながら、でも楽しくやっていましたね。稽古場へ行くこと自体が楽しみでした」と振り返る。しかし、松岡から「でも、帰るの早かったよね。全然しゃべってくれなかった(笑)」とツッコミが。稽古終了後はマネージャーの迎えがあったからのようで「そんなことない(笑)」と苦笑い。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_7

一方、中村は鴻上から「空き時間にしゃべりすぎないで」と注意を受けてしまったという。鴻上が「歌うんだから、喉のコンディションを保ってほしいのにずーっとしゃべってる。若い人たちは中村さんに注意できないだろうから、僕が注意してたんですよ」と言うと、「黙ってると、寂しんだよ~」と、若い共演者たちと話すことを楽しみの一つにしていたようだ。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_13

3人が演じるのは、様々な形で“夢”と向き合う男たち。中山は、夢に怯える20代のミュージシャン、松岡は夢を諦めた40代のビジネスマン、中村は夢を掴もうともがく60代の結婚詐欺師を演じる。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_8

60代とは思えない、若々しさでかっこいい結婚詐欺師に扮する中村は「これは楽しい役ですよ。よく考えてみると、僕たちも形を変えてやっていることなんですよね。イメージを売る、という僕らの仕事と本質は変わらないのかもしれない」とコメント。松岡も「雅俊さん、結婚詐欺師役は初めて?ぴったりですよ!そのまんま」と絶賛した。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_9

そんな松岡は、地味な作業服姿。「これは(今の)僕のユニフォーム。憧れていましたから。そして、この格好をしているのには、人生の事情があるんです」とニヤリ。松岡は、14年前に上演された鴻上作品『リンダリンダ』(2004年)で初舞台を踏んでいる。鴻上は、その時に「僕は落差(のあるもの)が好きなんだ」と松岡が言っていたというエピソードを明かし、「その時に、次に一緒に芝居をする時は“落差”がある役にしようと思ったんです。(地味な)このままでは終わりませんよ。ここからどう変わるのか。俳優・松岡充を観てほしい」と語った。

そして、中山は劇中でギターに挑戦しているという。「お二人(松岡、中村)に教えてもらったんです」と言う中山を見ながら、中村は「すごいですよ、今回初めて挑戦するのに、見事です。皆さんもビックリすると思いますよ」と目を細める。それに対し「歯で弾きますからね!」とボケる松岡に、「それを教えてくれてたん(笑)?」とツッコむ中山。中山と松岡は大阪出身同士ということで、「優馬は、どんなにボケてもちゃんとツッコんでくれる」といいコンビネーションが生まれている様子だった。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_14

本作は音楽劇となっており、歌われる7曲のうち「あゝ 青春」だけが中村の既成楽曲となっている。この楽曲が好きだったという鴻上は「歌っていただけて本当に嬉しいです。歌詞が、この芝居にすごく合っているというか、テーマそのものなんですよ。僕が好きだから選んだわけじゃないですからね(笑)」と説明。

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作品のテーマとなっている“夢”とかけて、自身の夢を問われると「この舞台が多くの人に観てもらえることが夢です。僕自身初めて演じるタイプの役をいただいたので、これからもっともっといろんな役をやってみたいと、改めて思いました」と中山。

松岡は「僕は夢叶ってるんですよ。ミュージシャンとしてデビューして、鴻上さんにお芝居の世界を教えてもらって、自分にとって新しい表現の世界と出会えたので。そこから14年経って、また自分がやったことのない役をいただけて・・・だから、ある種夢が叶っているんです」、中村は「この作品のタイトルのように、続けるというか、まだまだアクティブでいたいという気持ちがあります。キープオンし続けることを自分のテーマとして、それが夢になっているという感じですね」と、三者三様の答えが返ってきた。

最後、開幕に向け中山は「本当にやっていて楽しいお芝居ですし、皆さんに観ていただけることを思うと本当に嬉しい気持ちです。この作品を観た後は、本当にごはんが美味しく感じると思います。そして、寝る前にああ、楽しかったなと思い出してもらえる、そんな作品だと思います」、松岡は「心を動かしながら紡いでいますので、本当に毎日精一杯。優馬が言ったように、ごはんが美味しく、そして“納豆”も美味しく感じられると思います(笑)」、中村は「どんなに素敵な舞台も歌も、観て聴いてもらわないと始まらないんですね。だから、ぜひ劇場へ足を運んでいただきたいと思います」とそれぞれ呼びかけた。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_5

【あらすじ】
20代のミュージシャンは夢に怯え、40代のビジネスマンは夢を諦め、60代の結婚詐欺師は夢を掴もうともがく。物語は、昔ロッカーだった男のもとに、若い男性がやってくるところから始まる。青年は、今は納豆を売っている男に「私はあなたの子どもだ、母はあなたのファンだった」と告げる。ロックバンドをやっていた男は、20代の頃にそんなことがあったようななかったような気がして混乱する。
父親の姿に失望した青年に、夢を諦めるなと熱く語る60代の男は「夢を売る結婚詐欺師」だった。彼は納豆売りの母親を口説き、納豆売りの娘は六供を捨てようとする若者と出会う。
転がり続ける人生の中で、誰にも胸の中に鳴り止まない音楽がある。愛してやまない音楽がある。
夢はいつまで見ていいのか。
三世代がぶつかり、あがき、歌い上げる物語。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』舞台写真_12

プレスコールでは、納豆会社を継いだ男・雅男(松岡)に、母・久美子(久野綾希子)が「好きな人が出来た」と小笠原(中村)を紹介する場面、雅男が娘・綾奈(森田涼花)に会ってほしい人がいるとバンドマンの良雅(中山)を紹介される場面、良雅に呼び出された小笠原が音楽をビジネスにすることについてアドバイスする場面が公開された。

KOKAMI@network vol.16『ローリング・ソング』は、8月11日(土)から9月2日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演。その後、福岡、大阪を巡演する。日程の詳細は、以下のとおり。

【東京公演】8月11日(土)~9月2日(日) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
【福岡公演】9月5日(水)・9月6日(木) 久留米シティプラザ
【大阪公演】9月14日(金)・9月16日(日) サンケイホールブリーゼ

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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