横浜流星、中村隼人、堤幸彦が決闘の地で会見!舞台『巌流島』新解釈に意気込み

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横浜流星、中村隼人、堤幸彦が決闘の地で会見!舞台『巌流島』新解釈に意気込み

2023年2月から3月にかけて東京・石川・新潟・秋田・愛知・兵庫・香川・福岡で上演される舞台『巌流島』。その製作発表会が2022年10月26日(水)にオンラインで行われ、主演を務める主演・宮本武蔵役の横浜流星、佐々木小次郎役の中村隼人、演出を手掛ける堤幸彦が登壇した。

オンライン中継という特性を活かし、製作発表会が行われたのはなんと、物語の舞台となる巌流島(山口県下関市の舟島)。雄大な海を背景に、3名が作品への意気込みを語った。

異例の会見場所に、横浜は「戦いにふさわしい場所」と評し、「宮本武蔵と佐々木小次郎が世紀の一戦を行った場所に自分が立っていること、同じ空気を吸えていることがとても感慨深いですし、役作りに必ず影響すると思うので、来ることができてよかったです」、中村も「船に10分間ぐらい乗って上陸したんですが、ただならぬエネルギーを感じますね・・・。舞台は来年になりますが、僕も役作りに反映させていきたいなと」と感想を述べた。

堤は二度目の来訪ということで「前回来た時は、小雨まじりの曇り空だったんです。今日はよく晴れて、ちょうど潮の変わり目なのか海の動きがかなり早い。決闘が行われた1612年4月13日もこんな感じだったんじゃないかと思うと一層噛み締めてしまいますね。我々が舞台上で再現するものも、この空気、この太陽の光、風を意識してやりたいですね」とコメント。

本作は、マキノノゾミの脚本で、「巌流島の戦い」を新解釈・新設定で描くアクション時代劇。2020年夏に上演を予定していたが、コロナ禍の影響で中止となっていた。3年の時を経て、一部新たなキャストを迎え、満を持して上演する。

横浜は「(中止になってしまった)責任感をすごく感じていたんですが、こうしてまた上演できることが決まった時は非常に嬉しかったです。あの時(2年前)積み重ねてたものをすべて注ぎ込んで、深みの増した武蔵にできたらと思いますし、あの時共に稽古をしてきた仲間たちの思いもしっかり背負って、堤監督や中村さんを初めとした新たな皆さんと一致団結して、最高に熱い作品を届けられたらと思っております」と意気込み十分。

中村は、今回新たに参加することについて「前回もすでに稽古に入っていて、初日を見越してやっていた熱量が作品の中に絶対残っていると思います。ある種、出来上がったカンパニー、空間の中に入っていくことにはプレッシャーや緊張があるのですが、僕が入ることで新しい風を吹かせ、新しいエネルギーを注ぎ込めたらと思います。そういったことを意識しながら、稽古に臨んでいきたいです」と真摯に語った。

そんな中村に、横浜が「全力で迎え入れたいです。舞台に関しては大先輩なので、隼人さんの胸を借りて、全力でぶつかりに行きたいなと思います」と告げると、中村は「でも、史実だと小次郎は一撃でやられちゃうんですよね・・・」と苦笑い。これに対し、横浜は「新解釈!今回は新解釈ですから!」とフォローしていた。

巌流島には、宮本武蔵・佐々木小次郎像があるが、2人はその像の佐々木小次郎の、独特な刀の握り方にも注目。中村は「どういうことなんだろう?」「この次にこうして・・・」「だからあっという間にやられちゃった?」と分析しながら、「いろいろ考えてしまいますね。あっという間に終わらないように、殺陣師の方にお願いしたいと思います(笑)」と笑った。

「巌流島の戦い」を“新解釈”するということで、堤は演出について「舞台における最新のテクノロジーをお見せしたい。巨大なLEDの背景を使いながら、自由自在に舞台の背景を変えていく。まるで新しい感覚で作る映画、あるいは、パフォーマンスの新しい形を作っていく。そんなものを目指したいと思うんですが、一方でこのお2人の血と汗と涙、そういったものを間近で見ていただきたい。従来の演劇の力強さと現在のテクノロジーを融合したものにしたいと考えています」と明かす。

すでに台本は出来上がっており、「史実においては一瞬で雌雄を決したと言われていますが、そうはさせません!長きに渡り、実は2人は知り合いであった。そして、お互い運命の相手だと思った。これは、形を変えれば恋愛における精神の動きに近いような、友情の物語かもしれない。そこに、侍の“命をかける”意味をしっかりと問い続ける。それが、お客さんの心に迫るような話にしたい。ですから、決闘のシーンも絶対一瞬では終わりませんし、かなりしつこくやるつもりです(笑)」と、堤の中ではビジョンが膨らんでいるようだ。

そして、中村はこれが歌舞伎公演以外での本格的な舞台初挑戦となる。「歌舞伎役者としての経験が、それ以外の場所でどう活きるのかまだ分からないのですが、流星さんはどう思います?」と中村が問いかけると、横浜は「立ち振舞も所作も、すべてが活きると思いますよ!」と断言。

堤も「声をどう届けられるかが、舞台では非常に重要だと思う。そこはあなたがお手本になってね」と期待されると、中村は「歌舞伎はマイクのない演劇なので、僕も悩んだ時期もありつつ、自分なりに鍛えてきたつもりなので。監督がおっしゃってくださったように、先頭立てるようにがんばります。今回、映像をメインに活躍されてる方、舞台をメインの方と、いろんな方が集まってるので本当に楽しみです」と笑顔を見せていた。

横浜は、また改めて“生き様”を見せるべく、宮本武蔵という役と向き合う。「脚本の中で、武蔵の葛藤や戦う意味、心の揺れを色濃く描いてくださっているので、その内面を大事に作っていきたいです。“新解釈”であることを大事にしながら、自分にしか出せないものを出して、新たな武蔵として生きることができればと」と語った。

堤は、そんな横浜に「期待しかないですね、必ずやり遂げてくれると思っています。武蔵の生き様、暗さ、強さ、何十年も何かを思い続ける気持ちみたいなものを演じてほしいと思うし、彼は適役だと思います」と絶大な信頼を寄せる。

横浜と中村が対面するのは、実はこれが2回目。お互いの印象について、「ポスター撮影で刀を合わせた時が初めてお会いしたんですが、柔らかい物腰の中に秘めた熱いものを感じたので、稽古がすごく楽しみになりました」と横浜。

中村も「いろんな作品を拝見させていただいているのですが、本当に繊細な芝居をされる方だなと思っています。そんな方が、武骨な男くさい武蔵をどう演じられるのか、とても楽しみで。ポスター撮影で相対した時も、自然とめらめら燃えるものがあったんですね。引き出してもらった、という印象がめちゃくちゃ強かったです」と、互いに稽古を楽しみにしているようだった。

会見の前に、“ゆかりの地”である小倉城と手向山を巡ってきたという3人。その中で、中村は「意外だな」と思ったことがあったという。「“武”だけを追い求めた無骨な男なのかと思っていたんですが、巌流島の戦いが終わってからは、水墨画や書を残したり、哲学者的な部分もあったことを知り、この人天才じゃん!と思ったんです」と、驚きがあったそう。

水墨画と言えば、公開されたばかりの映画『線は、僕を描く』で水墨画と1年間向き合った経験を持つ横浜は「通ずるものがある・・・」とぽつり。堤が「舞台でもバッと書くか!」と冗談を飛ばすと、横浜も「武蔵にしっかりとなれたら描きたいですね(笑)」と答えていた。

最後に、公演に向けて横浜は「東京だけでなく、全国各地の方にこの『巌流島』を届けられることを本当に嬉しく思っています。怪我のないよう冷静に、心は熱く、やっていきたいなと思っております」、中村は「僕の大叔父である萬屋錦之介が映画で武蔵を演じていたこともあり、勝手にご縁を感じていました。佐々木小次郎も、数々の名優が演じてこられましたから、僕も自分の持てるすべてをぶつけたいと思います」と挨拶。

堤も「コロナで表現に規制がたくさんかかってきたこの数年間、なくなった舞台もありました。そういった悔しさや切なさも背負いながら、今出来うる最大の、客席を巻き込んだ表現ができるといいなと思ってます。お芝居はすべて舞台の上だけで行われるもではないですから。耳で聞いて、目で見て、肌で感じる、そんな立体的な作品にしたいなという風に思っております」と締めくくった。

舞台『巌流島』は、2023年2月10日(金)から2月22日(水)まで東京・明治座で上演後、金沢・新潟・秋田・名古屋・神戸・高松・福岡を巡演する。

(取材・文/エンタステージ編集部 1号、写真/オフィシャル提供)

目次

舞台『巌流島』公演情報

上演スケジュール・チケット

【東京公演】2023年2月10日(金)~2月22日(水) 明治座
【金沢公演】2023年2月25日(土)・2月26日(日) 本多の森ホール
【新潟公演】2023年3月1日(水) 新潟県民会館
【秋田公演】2023年3月4日(土) あきた芸術劇場ミルハス
【名古屋公演】2023年3月8日(水) センチュリーホール
【神戸公演】2023年3月11日(土)・3月12日(日) 神戸国際会館こくさいホール
【高松公演】2023年3月15日(水) レグザムホール(香川県県民ホール)
【福岡公演】2023年3月18日(土)~3月27日(月) 博多座

スタッフ・キャスト

【脚本】マキノノゾミ
【演出】堤幸彦

【出演】
横浜流星 中村隼人
猪野広樹 荒井敦史 田村心 岐洲匠 押田岳 宇野結也 俊藤光利 横山一敏 山口馬木也 凰稀かなめ

ほか

公式サイト

【公式サイト】https://ganryujima-ntv.jp/



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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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