ジーン・ケリーが雨の中で歌い踊るミュージカル映画『雨に唄えば』を舞台化し、主演にアダム・クーパーを迎えて上演されたミュージカル『SINGIN’IN THE RAIN~雨に唄えば~』。2014年に日本初上演され、大好評を博した名作がついに帰ってきた。公演初日となる2017年4月3日(月)にはメインキャストたちによる囲み会見とプレスコールが行われ、アダム・クーパー、ステファン・アネリ、エイミー・エレン・リチャードソン、オリヴィア・ファインズが登場した。
本作は、ハリウッド映画がサイレントからトーキーへと進化変貌する時代を舞台に、ブロードウェイを目指す作家と俳優たちのサクセス・ストーリーと、当時の映画制作現場の舞台裏をコメディタッチで描いたミュージカル。これまでも、世界中で繰り返し上演されてきた『雨に唄えば』だが、2012年にロンドン・ウエストエンドで決定版と言っても過言ではない本作が誕生。2014年にオリジナルキャストであったアダム・クーパーが特別出演した日本公演が上演され、海外招聘ミュージカルでは過去最高の動員記録を樹立した。今回の公演は、実に2年半ぶりとなる来日公演で、全30回公演を予定している。
この日行われたプレスコールでは、キャシー役のエイミー・エレン・リチャードソンがパーティーのサプライズダンサーとして踊りながら、アダム・クーパー演じるドンと対面し、恋が始まる場面を描いた「All I Do Is Dream Of You」、ドンとオリヴィア・ファインズ演じるリナ、ステファン・アネリ演じるコズモが深夜の公園で映画のミュージカル化を思いつく場面を歌った「Good Morning」、そして本作の名場面と言われて一番に思い出すであろう、ドンが降り注ぐ雨の中、幸せな気分を歌とダンスで表す「Singin’ In The Rain」が披露された。中でも、アダム・クーパーが水たまりの中で華麗なステップで踊る「Singin’ In The Rain」は圧巻。この作品の醍醐味でもあり、生で観るべきミュージカル史に残る名シーンで、日本国内で目にすることができるのは奇跡とも言えるほど、貴重な機会でもある。
プレスコールでも大きな拍手が上がる「Singin’ In The Rain」を披露したアダムだが、その後に行われた囲み会見では、濡れたことなどまるでなかったかのようなスッキリとした表情を見せた。報道陣が思わず「たくさん濡れていたけど、大丈夫ですか?」と尋ねると「50人のスタッフが面倒をみてくれてるから大丈夫」とジョークで返し、会場は和やかなムードに包まれた。
また、日本公演開幕を直前に控えた心境について聞かれると、アダムは「ワクワクしてるよ。数週間、リハーサルを行って来て、やっとここまでもってこれた。早く観てもらいたい」と笑顔で語り、エイミーも「再び日本に来られて、再び日本のお客様に観てもらえるのはとっても嬉しいわ」とにっこり。続いてステファンも「気分はシャンパンボトル。ワクワクしてるよ」、オリヴィアも「とても楽しい作品でワクワクしているわ」と公演を待ちきれない様子だった。
最後にアダムは「素晴らしいキャスト、素晴らしいバンドが皆さんをお待ちしています」と本作をアピールすると、日本語で「みんな、来てね!」と呼びかけ、会場を盛り上げた。
ミュージカル『SINGIN’IN THE RAIN~雨に唄えば~』は、4月30日(日)まで東京・東急シアターオーブで上演。
(取材・文・撮影/嶋田真己)