ジーン・ケリーが雨の中で歌い踊る名シーンといえば、1952年公開のミュージカル映画『雨に唄えば』を思い出す人も多いだろう。それを基に、2012年、ロンドンのウエストエンドで生まれたミュージカル『SINGIN’IN THE RAIN~雨に唄えば~』のアダム・クーパー特別来日 日本公演が、2017年4月3日(月)から4月30日(日)まで、東京・東急シアターオーブにて上演される。これに先駆け、1月24日(火)に、マンダリンオリエンタル東京で製作発表が行なわれ、ウエストエンド版オリジナルキャストのアダム・クーパーが登壇した。
本作は、ハリウッド映画がサイレントからトーキーへ移行する過渡期をコミカルに描いたミュージカル。ジーン・ケリー演じる俳優のドンが大降りの空に向かって声高々に歌い、ダンスを披露するくだりは、映画史上に燦然と輝く、あまりにも有名な名場面だ。
そのドンに扮するのは、イギリスのロイヤル・バレエ団出身のアダム・クーパー。マシュー・ボーンが演出を手がけたコンテンポラリー・ダンス作品『スワン・レイク(白鳥の湖)』で、主役を演じ、トニー賞ミュージカル主演男優賞にノミネートされた実績を持つ。
実は、このような大役を打診された時、はじめは「断ろうと思った」と告白。映画版があまりにも有名なので、それに自分は到達できるか、不安に思っていたという。だが、まずは映画を観ることを止め、「ジーン・ケリーが演じるドンは忘れて、私、アダム・クーパーがやるドンはどういうキャラクターなんだろう、と。自分は、どうやって表現できるのか」を考えながら役に挑んだそうだ。
毎回必ず大事にしているのは、「フレッシュな気持ち、新たな気持ちで役にアプローチをかけること」。本作では、12トンものダイナミックな雨の中、さらに進化した「クーパー版ドン」がお目見えするだろう。
さらに、「パフォーマーの方は、くり返し同じ役はやりたくないという方が多いですが」と前置きをしてから、「私は、本作と、『スワン・レイク』は何度もできたらうれしいです」と熱を込めて語った。
また、この日は、アダム・クーパーの大ファンだという天海祐希もスペシャルゲストとして出席。クーパーについて、「ステージ全体の空気を動かしながら踊られるので、私たちもそのムービングに巻き込まれて、心地よくなるんです」と大絶賛。「だまされたと思って、必ず観てください。絶対に損はさせません!・・・アダム・クーパーさんが」と太鼓判を押した。
LION PRESENTS『SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~』アダム・クーパー特別来日 日本公演は、2017年4月3日(月)から4月30日(日)まで、東京・東急シアターオーブにて上演される。
(取材・文・撮影/尾針菜穂子)