2016年9月、京都で初演された韓国ミュージカル『INTERVIEW~お願い、誰か僕を助けて~』の再演が、2017年3月1日(水)より東京・Zeppブルーシアター六本木にて開幕する。本番を前に出演者のソンジェ(超新星)、イ・ゴンミョン、イ・ジフンが来日。2月7日(火)に都内にて製作発表会が行われ、抽選で招待されたファンが見守る中、会見が行われた。
韓国でのトライアウト公演を経て昨年9月、京都で初演を飾った本作。その後の2ヶ月に渡る韓国公演で観客からの高い評価を得て、作・演出のチュ・ジョンファが韓国ミュージカルアワーズ最優秀新人演出賞を獲得。今月からニューヨークのオフブロードウェイにて米国人俳優による公演が始まるなど、話題を集めている作品だ。
ロンドンを舞台に、自らを破壊し殺人を犯してしまった少年が、10年後再び罪悪感にさいなまれながらも再び殺人に手を染めてしまう。その犯人を捜すためのインタビューをしながら、推理小説を書いた心理学博士であり作家のユージン・キムと、作家志望の青年シンクレアの間で、事件の真相をめぐる息もつかせぬ心理戦が繰り広げられていく。
東京公演では、シンクレア役を超新星のユナクとソンジェ、イ・ジフンがトリプルキャスト、ユージン・キム役はイ・ゴンミョンとイ・ソングンのWキャストで上演される。
京都公演に続き、解離性多重人格者のシンクレア役を演じるソンジェは「5人の人格を持つシンクレアは、子供の頃虐待を受けるという悲しい状況を生き抜いてきた人物です」、トライアウト公演からユージン・キム役を演じてきたイ・ゴンミョンは「殺人事件、そしてシンクレアの真実を追うユージン・キムの目線は、観客の目線と重なるところがあります」とそれぞれ役について語った。
また、今回からの参加となる、シンクレア役のイ・ジフンは、「韓国での評判、そして俳優として多重人格者を演じることにとても興味深さを感じ出演を決めました。いざ台本をもらって読んだ時『果たしてこれは僕にできるんだろうか・・・』と思いましたが、ソンジェくんも厳しい状況の中で稽古をやり遂げたと聞いているので、先輩として必ずやり遂げたいと思います」と決意表明すると、ソンジェが「ジフンさんはとても素晴らしく実力のある俳優さんなので、必ずややり遂げられると思います!」と太鼓判。これから本格的な稽古に入るというイ・ジフンは「ソンジェくん、ユナクくんがどんな演技を見せてきたのか研究しつつ、感情に正直に、集中して臨みたいと思います」。
イ・ゴンミョンは、3人のシンクレアそれぞれの印象について「京都公演では、ソンジェさんはすっきりとした端正に、ユナクさんはちょっと荒々しく演じていました。ジフンさんとご一緒するのはこれからですが、きっと紳士的な表現をしてくれるのではないかと思います。3人のシンクレアと相対するのがとても楽しみです」と隣に座るソンジェとイ・ジフンにエールを送った。
「個人的にもイ・ジフンさんがどんな演技を見せるのか楽しみ」と言うソンジェに、イ・ゴンミョンが「僕はステージ上でのイ・ジフンさんの演技が気になるのはもちろんですが、その前の稽古場で彼が頭をかきむしりながら大変な思いをしている姿を見られるのも楽しみ」と付け加え、笑いを誘う場面も。さらに、ソンジェが好きなシーンとして、終盤に歌うナンバーをアカペラで披露すると、会見に参加したファンからは歓声が上がっていた。
数週間後に東京公演を控え「さまざまな人格が一瞬にして変わる、俳優たちの演技が大きな魅力だと思います。俳優ならば一度は演じてみたいと思うし、観る側もなかなか見られないと思う」(イ・ゴンミョン)、「内容は楽しく笑って観るものではなく、重みのある作品ですが、本当に色んなことを感じさせてくれるし考えさせられます。観たことを後悔しない、観て良かったと思う作品になると確信しています」(ソンジェ)、「普段の生活で感じている当たり前のささいなことも、じつはありがたくて大切なことなんだと改めて感じることができると思います」(イ・ジフン)と、改めて作品の魅力をアピールした3人は、京都公演以上の作品に仕上げて帰ってくることを約束。さらに、会見の最後には、もう1人のシンクレア役、ユナクからの映像メッセージがサプライズで流され3人を驚かせた。
韓国ミュージカル『INTERVIEW~お願い、誰か僕を助けて~』は、3月1日(水)から3月5日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて上演される。
(取材・文・撮影/金本美代)