林遣都「夏帆さんに倒されないよう戦っていきます」 舞台『家族の基礎~大道寺家の人々~』製作発表会見レポート

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松重豊と鈴木京香がW主演を務める舞台『家族の基礎~大道寺家の人々~』の製作発表会見が2016年8月9日(火)に都内にて行われた。本作は、波乱万丈な運命を辿る一家・大道寺家の挫折と再生を軽妙なタッチで描く群像劇。会見には松重、鈴木の他、夏帆、林遣都、堀井新太、そして作・演出を手掛ける倉持裕が登壇した。

会見ではまず作・演出の倉持が、「この作品は僕にとってシアターコクーン初進出の作品になるので、初っ端からコケるわけにはいかないと思い、家族のコメディという分かりやすいテーマを選びました」と企画の発端を説明。また「日本、世界の行く末に触れる広い視野の意見を最近よく耳にするのですが、自分はまず近視眼的になって一番身近な存在である家族を大事に描きたいと思い、この話を書くことにしました」と本作に込めた思いを静かに明かした。

『家族の基礎~大道寺家の人々~』製作発表会見_2

父・尚親役を演じる松重は「凄まじい情報が詰め込まれ、膨大な量の台詞があるのですが、基本的には家族を軸にしたホームコメディとなっています。・・・コメディと言って、全然笑ってもらえなかったらとても怖いのですが(笑)」と茶目っ気を交えつつ本作を解説。また、倉持作品の魅力について「つかみどころがない不思議な魅力があって、どんな作家の類型にも当てはまらない“倉持ワールド”を持っている」と絶賛。それに対し、倉持は「今日来て良かったです」と照れて見せ、報道陣の笑いを誘った。

『家族の基礎~大道寺家の人々~』製作発表会見_3

母・須真役を演じる鈴木は、役作りについて「私は(実生活で)母親を経験したことがありませんが、経験のない私だからこそできる、自由で変わった魅力ある母親を演じたいです」とした上で、元女優という須真の背景については「望んでいた夢を諦めながら子育てをすることはどういうことかを考えながら、稽古場で形にしています」と考えを語った。

『家族の基礎~大道寺家の人々~』製作発表会見_4

家族一の現実主義者である長女・紅子役を演じる夏帆は「母と兄に反発して憎まれ口を叩く役なのですが、とても愛のある人物です」と自身の役を説明。また、「倉持さんが魅力的なキャラクターを書いてくださったので、役に血を通わせられるようがんばろうと思います」と意気込んだ。

『家族の基礎~大道寺家の人々~』製作発表会見_5

天才肌で芸術家志望の長男・益人役を演じる林は「紅子を演じる夏帆さんに同じ兄弟として倒されないよう、戦っていきます」と気合十分。また、記者から初の舞台を踏む心境を聞かれると「本音を言うと不安しかないんですけど・・・、こんな気持ちいつぶりだろうと思うくらいワクワクもしています」と不安と期待の両方を露わにした。

『家族の基礎~大道寺家の人々~』製作発表会見_6

益人の友人で大道寺家に頻繁に出入りする染田明司役を演じる堀井は、「朝ドラ『マッサン』に出演してから芝居に対する心持ちが変わったのですが、今回はその培ってきたものがやっと出せる場」と前置きしつつ、「自分がどんな表現ができるのかをいつも自問しています。自分のターニングポイントになる作品だと思います」と熱くアピールした。

最後に松重と鈴木は、お互いの抱く印象について尋ねられ、松重は「以前、映画で共演させていただいた時に『舞台はやらないんですか?』と尋ねたら『私は絶対無理です~』とおっしゃっていたんです。でも、今回の稽古初日にはストレッチマットを持参して身体を作っていて・・・、人って変わるんだなって思いました」と相手の変化を暴露し、鈴木を笑わせた。

続けて鈴木も「(松重さんは)大柄で頼り甲斐のある方なのですが、同時に細やかで繊細なところもある方。なので、稽古初日に台詞が入ってなかったら松重さんに嫌われるんじゃないかって不安でした。でも実はまだ台詞が入りきれてなくて・・・(笑)。だから、これからの稽古で追いつくことを今、ここでお約束します」と誓いを立て、松重を笑わせていた。既に絆が見える二人の“夫婦姿”に注目したい。

『家族の基礎~大道寺家の人々~』製作発表会見_7

舞台『家族の基礎~大道寺家の人々~』は9月6日(火)から9月28日(水)まで東京・Bunkamura シアターコクーンにて上演される。その後、愛知、大阪、静岡にて公演を行う。日程の詳細は以下のとおり。

【東京公演】9月6日(火)~9月28日(水) Bunkamura シアターコクーン
【愛知公演】10月1日(土)・10月2日(日) 刈谷市総合文化センター 大ホール
【大阪公演】10月8日(土)~10月10日(月・祝) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【静岡公演】10月16日(日) 浜松市浜北文化センター 大ホール

(取材・文・撮影/大宮ガスト)

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