2016年5月27日(金)に東京・天王洲 銀河劇場にて舞台『曇天に笑う』が開幕した。本作は2014年にTVアニメが放映された大人気コミック「曇天に笑う」を原作とし、2015年2月の初演ではチケットが即日完売と人気を博した作品で、今回一部新キャストを迎えての再演となる。初日前日にゲネプロと囲み取材が行われ、玉城裕規(曇天火役)、植田圭輔(曇空丸役)、百瀬朔(曇宙太郎役)、細貝圭(安倍蒼世役)、松田凌(金城白子役)、菜月チョビ(演出)が登壇した。
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菜月が「早くも再演の機会をいただけて、幸せに思っています。初演を観た方と観逃した方、両方の期待に応えられるような、素敵な作品になっていると思います」と語ったように、本作はファンからの熱いアンコールの声に応えての再演。序盤の印象的なシーンである三兄弟そろい踏みの紹介シーンは、初演からのファンにはグッとくるものがあるだろう。
製作発表会で、菜月は「仲が悪くなるぐらい濃い作品作りができれば」と言っていた点について質問されると、決して仲は悪くないと口をそろえる出演陣だったが、、菜月からは「私はみんなのこと大嫌いですよ(笑)」というひと言が飛び出し、出演陣は爆笑。改めて、菜月は「参加しているカンパニーのみんなが、この作品の中に生きているキャラクターを生み出すために、全員で高めあえるのならば、プライベートは仲が悪くなってもいいんじゃないかという気持ちですけど」とコメント。そんな菜月と仲がいいという百瀬は「この作品は、兄弟愛や友情を体現している作品。共演者のみんなもプライベートから仲がいいので、そういう所が見えたらいいなと思っています」と笑っていた。
物語は“大蛇が宿る器となる人物は誰か?”という謎を主軸に、兄弟愛、人間愛が描かれていたストーリーが展開する。ゲネプロで、特に目を引いたのが迫力ある殺陣。玉城が「体力的にもハードな作品なので、千秋楽に生きて、笑って終えられるようにしたいです」と話し、細貝も「約5週間の稽古を終えて、みんなが体力的にも追い込まれている中で誰1人ケガをすることなく、無事に初日を迎えられることをうれしく思っています」と語る通り、迫力あるハードな殺陣が次々に繰り広げられる。さらに主要キャラクターだけでなく、犲隊の隊員たちなどそれぞれに、バリエーション豊かな殺陣が付けられているのも実に目に楽しい。
再演からの新キャストは、植田と松田の両名。植田からは「前作の方から引き継いで演じさせていただくということは、背負うモノも、背負わなければいけないモノもあるとは思います。その上で、自分にしか出せないモノがあると思っていますので、それは曲げることなく信じてやってきたつもりです。初演のいい空気もちゃんと出しつつ、今回の公演でしか出せない空気感を出せたらと勢い込んで、今日までやってきました」と強い意気込みが語られた。
松田は「今まで自分が原作モノの作品を演じる時に、再現度や原作のキャラクターをどう演じていくかというのを大事にしていましたが、今回このカンパニーで、人が演じる時にどう魂の吹き込むのか、(改めて)学べたことがすごく多かったです。しっかり原作を守った上で、自分たちがどう演じるのかを見て欲しいです」と本作にかける熱い思いを覗かせた。物語のキーパーソン演じる二人。特に、ストーリーが急展開する第二幕からの二人の芝居に注目だ。
囲み取材の最後には、座長の玉城から「漫画・アニメとは違う新しい『曇天に笑う』になっていると思います。キャスト・スタッフ一同は精いっぱい舞台上で生きるのみなので、その生き様をぜひ劇場で楽しんでいただけたらと思います」とメッセージが送られた。ぜひ、本作のカンパニーの生き様を劇場で体感して欲しい。
舞台『曇天に笑う』は2016年5月27日(金)から6月5日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて、その後6月10日(金)・6月11日(土)には大阪・梅田芸術劇場シアタードラマシティにて上演。
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