殺伐とした時代の虚無を鋭く抉る『新・殺人狂時代』、24日開演

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2015年6月24日(水)より、鐘下辰男の新作書き下ろし『新・殺人狂時代』が、下北沢ザ・スズナリにて上演される。2002年に高い評価を得た『殺人狂時代』、2004年『続・殺人狂時代』に続く、ハードボイルド討論劇。『殺人狂時代』は、レジナルド・ローズの名作『12人の怒れる男』をモチーフに、本多劇場で上演。9・11以後の「テロ」という言葉が日常化した当時に「傭兵たちの叛乱の物語」を描き、「今の時代の 「気分」が、見事に射抜かれている舞台」(毎日新聞劇評:高橋豊)、「そこには現代の虚無がポッカリと穴をあけている」(テアトロ劇評:渡辺保)など話題となった。

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今作の物語は、災害直後。出口は塞がれ、建物に取り残された男たち。外部と遮断され、いつ崩壊するともわからない暗闇のなか、周囲の状況すらわからない。そんな「ごまかしの効かない」状況で彼らがとるべき行動とは……。

演出は、今演劇界で注目を集めている日澤雄介。2011年には『12人の怒れる男』と、その名作への返歌ともいえる『裁きの日』を同時上演している。まだ演出経験4年目というものの、濃密な関係性を重視した日澤演出は見逃せない。「日本版『12人の怒れる男』を創り上げたいと意気込んでいる。

キャストには流山児★事務所、劇団チョコレートケーキ、モダンスイマーズ、ハイリンド、温泉ドラゴン、サスペンデッズといった小劇場界の実力派たちが勢ぞろいしている。

『新・殺人狂時代』

前作『続・殺人狂時代』でも、客席を包み込む圧巻のラストシーンは強く余韻を引いた。今回公演でも空間を支配する緊迫感で客席を圧倒するだろう。時代時代を生きる姿を描いたこの殺人狂シリーズは、『殺人狂時代』『続・殺人狂時代』を観ていなくとも楽しめる。流山児★事務所 創立30周年記念公演と銘打ち、時代と拮抗するスリリングで生々しい舞台が期待できる。

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