1985年に岐阜大学のOBを中心に旗揚げされた劇団ジャブジャブサーキットが、創立30周年を記念して『非常怪談2014』を上演している。本作は1997年に初演され、名古屋では劇作が「松原・若尾記念演劇賞」を、東京公演では「シアターグリーン賞」を受賞し、一気に劇団の名前を全国区にのし上げたエポックメイキング的な代表作である。
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とある地方都市の郊外にたたずむ平凡な家の台所。一家の主を闘病の末失った恋沼家では、住職の読経が流れる中、この後に続く、段取りや通夜の振る舞い、明日の告別式の準備にと、なんともバタバタしていた。家族はもちろん、こんなときしか顔を合わせない遠い親戚、親戚筋からは名前も知らないご近所さんらがごった煮状態で悪戦苦闘する中、遅れてくる弔問客や葬儀社からの要望など、およそゆっくり故人を偲んでいられない空間と時間が流れていく。やがて夜もふけ、少し落ち着いた辺りで、誰も認識出来ない「謎の弔問客」をめぐり、新たな騒動が持ち上がってくるのだが…。
「通夜の台所」と言う特殊な環境の中、たった半日の、ワンシチュエーション空間から繰り広げられる物語。初演の上演時には大きな反響を呼び、戯曲研究の題材に用いられたり、在京の他劇団やプロデュース集団などでも、度々上演されてきた作品である。日常とは少し違った空気と関係性を、ジャブジャブサーキット独自の会話劇で描いていく。
作/演出は、劇団代表でもあるはせ ひろいち。出演は、咲田とばこ、岡本理沙(星の女子さん)、空沢しんかほか。『非常怪談2014』は、12月20、21日(土、日)に三重県総合文化センター 三重県文化会館 小ホールで上演される。岐阜・大垣での上演を見逃した方はぜひこの機会をお見逃しなく。
チケットは、劇団ジャブジャブサーキット(TEL:090-9922-8274)、三重県文化会館チケットカウンター(TEL:059-233-1122)、三重県文化会館WEBチケットサービス エムズネットにて取り扱いあり。
Photo:初演時の『非常怪談』場面より