今年で72回目を迎える「トニー賞授賞式」。恒例となったWOWOWでの独占生中継だが、今回の放送では、WOWOWスタジオ・ナビゲーターとして井上芳雄と生田絵梨花(乃木坂46)が務める。
昨年は一ファンとして中継を観ていたという生田に、ナビゲーター抜擢での意気込みや注目ポイント、さらにミュージカル女優としての自身の目標などを語ってもらった。
――まず、今年のWOWOWでのトニー賞独占中継のスタジオ・ナビゲーターを務める上での意気込みをお聞かせください。
トニー賞は、ミュージカル界でも誰もが目を輝かせながら楽しみにしているイベントです。私も去年、一人の演劇ファンとしてトニー賞の中継を観ていました。今年は、ナビゲーターを務めさせていただけるということで、本当に光栄ですし、恐れ多い気持ちでいっぱいです。とはいえ、日本ではまだトニー賞のことをよくご存じないという方もいらっしゃると思うんですよ。だから、今回をきっかけに、トニー賞そのものから、素敵な作品、素晴らしいクリエイターの方々を知って、もっとミュージカル、演劇を好きになってくれる人が増えたら嬉しいなと思っています。
――昨年の授賞式を観て、感動したところや注目したところは?
パフォーマンスを観て、なんて気持ち良さそうに歌うんだろう!というところに、衝撃を受けました。自分が舞台で歌う時って、いっぱいいっぱいになってしまっていたり、「こうしなきゃ、ああしなきゃ」って考えが先行しちゃう気がするんですけど、ブロードウェイの皆さんは、本当に全身で、心で歌っている感じが画面越しにも伝わってきて感動しました。
――今回、ナビゲーターのパートナーとなる井上芳雄さんや、ゲストの皆さんと一緒に発表を観ることになりますね。
テレビの中継とかって、基本的には一人で観るじゃないですか。それを皆さんで感想を言い合ったりしながら観られるのは、きっと楽しいだろうなって思っています。それから、私たちもいろいろとパフォーマンスをする予定なので、スタジオもお祭り感というか、イベントのような感じでお届けできるんじゃないかなと。
――ノミネート作品が発表されていますが、生田さんが個人的に注目している作品はありますか?
気になっているのは、『ミーン・ガールズ』です。映画版を観たんですが、“女子あるある”な感じで笑えて、すごく勢いを感じました。それが、ミュージカルになったら、どんな楽曲で表現されていて、どんな仕上がりになっているのか。今からパフォーマンスを見られるのが楽しみですね。
――これまでのトニー賞受賞作で、印象に残っているもの、または気になっている作品はありますか?
以前、『ミス・サイゴン』の公演を収録したものを映画館で観たのですが、それがすごく記憶に残っていますね。主演の女の子の歌がすごくて・・・、パッションが伝わってきたのを覚えています。それから、昨年のトニー賞最多部門ノミネートだった『ナターシャ、ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』を映像で拝見したんですが、客席を練り歩いたりする演出があって、ステージと一体になる感じがすごくおもしろかったです。
――『グレート・コメット』と言えば、来年の1月に日本初演も予定されています。生田さんもご出演が決まっていますね。
そうなんです。強く記憶に残った作品をやらせていただけるのかと思うと、自分でもちょっと不思議な感覚です(笑)。
――ちなみに、今回のノミネート作品でやってみたいなと思う作品はありますか?
そうですね~・・・、先ほども挙げた『ミーン・ガールズ』とか。今回のノミネート作品は、コメディっぽいものが多いですよね。自分はまだコメディをやったことがないので、憧れます。もともと、コメディを求めて観る方ではなかったんですが、この前『ブロードウェイと銃弾』を観て、たくさん笑いました。やってみたいなって憧れました。
――ミュージカル作品でのご活躍が目覚ましい生田さんですが、ミュージカルをやりたいと思ったきっかけを教えていただけますか?
『レ・ミゼラブル』と『ロミオとジュリエット』を観たことがきっかけです。(観劇時)まだ幼かったんですけど、楽曲に乗って放たれる魂の叫びみたいなものに、すごく圧倒されて。「自分もこういう歌を歌いたい」「こうやって思いを人に届けたい」と思うようになったんです。それが、舞台をずっとやっていく人になりたいと思ったきっかけでしたね。
――ちなみに、その夢を持ったのはいくつぐらいの頃だったんでしょう?
本格的に目指そうと思ったのは高校生になった頃です。ミュージカル自体は小学生の頃から見ていて、乃木坂46に入る前からずっと好きだったんですけど、乃木坂46に入って、さらに自分のやりたいことが明確になったというか・・・。自分の生涯をかけてやりたいという意識が芽生えました。
――生田さんが思う、舞台の一番の魅力の魅力は?
やっぱり、ライブ感でしょうか。演者は、その作品の中でその瞬間を生きているし、お客様もその瞬間のためにその場に来てくださいます。一生に一度の出会いの瞬間が、生きた空間になるというところに、一番魅力を感じます。
――ミュージカルで役として歌うことは、アーティストとして歌うことと違いますか?
ミュージカルは、冷静な部分と感情的な部分、両方を持っていないとできないなと思います。ワーッと感情的になりすぎても、声帯をつぶしてしまったり、耳触りになってしまったりするので、そこは意識しようとか、空気を回そうとか、すっごく冷静に考えているんですけど、そればかりになってしまうと、ただ音符を追っているみたいになってしまうので、もっと感情を込めないと伝わらないし、というような。そのバランスが難しいなといつも思っていますね。
――憧れている方とかはいらっしゃいますか?
具体的にこの方というのではないんですが、形式だけで見せるんじゃなくて、歌も行動も、中身がしっかり伴った役者になりたいなと思います。ミュージカルは、急に歌い出す感じでちょっと引っかかる、という方もいると話に聞くので、そうではなく、歌だからこそ伝えられるもので、自分の心も人の心も動かせる役者になりたいです。
――生田さんご自身としての、今後の目標は?
“ステージに立ち続けたい”ですね。今は、少女の役をやらせていただくことが多いですが、年齢を重ねたらお母さんの役に挑戦できるような、末長く続けていきたいです。
――5月末からの『モーツァルト!』では、悪妻と言われるコンスタンツェ役に挑まれますね。
はい。これまでやらせていただいたピュアな役とはまた違った、はすっぱな感じの新しい役です。これからも、自分のイメージにないものや意外な役にどんどん挑戦して、幅を広げていきたいです。
――ミュージカルファンでもある生田さんが、これからの日本のミュージカルにどんなことを期待していますか?
ミュージカルは敷居が高いもの、と思っている方もまだ多いと思うんですよ。でも、ブロードウェイなど海外では、もっと身近に楽しめるものになっているじゃないですか。服装もラフだし、劇場も緊張感があるというよりはもっとフランクな感じで。気軽に・・・というとまたちょっと違うかもしれないですが、“もっと観たい”と思ってもらえるようになっていくことを期待していますし、自分としてもその魅力を伝えていけたらと思いまます。
――最後に、放送を楽しみにされている方へメッセージをお願いいたします。
私自身も、どの作品が受賞するかということはもちろん、そのパフォーマンスもすごく楽しみにしています。ブロードウェイの演劇にまだ触れたことがない方には、ぜひこの機会に興味を持っていただきたいですし、今回も楽しみにされている方には、日本のスタジオでのパフォーマンスも含めて、楽しんでもらえたらと思います。一緒に盛り上がりましょう!
◆放送情報
WOWOW『生中継!第72回トニー賞授賞式』
6月11日(月)午前8:00~ WOWOWプライム(同時通訳)。
6月16日(土)夜7:00~ WOWOWライブ(字幕版)
【WOWOWスタジオ・ナビゲーター】井上芳雄、生田絵梨花
【WOWOWトニー賞・アンバサダー】宮本亜門
【スペシャル・ゲスト】坂本昌行
【授賞式司会】サラ・バレリス、ジョシュ・グローバン
※オープニングパフォーマンスは井上芳雄×生田絵梨花×坂本昌行『グレイテスト・ショーマン』に決定!
『トニー賞直前SP in NY』※無料放送
演劇界最大の祭典、第72回トニー賞授賞式を目前に、本場ブロードウェイから、現地の楽しみ方や今回のトレンドなど、最新情報をお伝えする番組。
6月10日(日)午後3:30~
【番組HP】http://www.wowow.co.jp/stage/tony/
(衣裳クレジット)
ワンピース ¥39,000(+税)
ottod’Ame / ottod’Ame銀座店
〒104-0061
東京都中央区銀座5-2-1 TOKYU PLAZA GINZA4F
03-6450-6340
靴 ¥22,000(+税)
CARRANO / ハーモニープロダクツ
〒111-0023
東京都台東区橋場1-3-2
03-3874-6320