映画『美女と野獣』プレミアム吹替版 ルミエール役の成河にインタビュー!「映画そのものを見てほしい」

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2017年4月21日(金)の全国公開以来、興行収入ランキングトップ(※5月14日時点)をひた走る大ヒット作となっている映画『美女と野獣』。エマ・ワトソンとダン・スティーヴンスを主演に迎えた名作ディズニー・アニメーションの実写化というのはもちろんのこと、プレミアム吹替版ではミュージカル界で活躍する俳優たちが多く出演しているのも見逃せないポイントだ。そんな本作から、ルミエール役の吹替えを務める成河にインタビュー。初挑戦となったアフレコ収録の思い出や、作品の魅力について語ってもらった。

映画『美女と野獣』プレミアム吹替版ルミエール役・成河

――まず、今回のプレミアム吹替版に出演が決まった時の感想を教えてください。

オーディションの案内が来て、受けてもいいなら何でも受けますよという感じでした。決まった時には正直「ウソだろ?」と思いましたね(笑)。あまり現実感がないというか、「やっていいならやるけど、いいの?」という感じでした(笑)。でもルミエール役でお話をいただけたのはとても嬉しかったです。どの役もやりたいと思いますが、その中でも特にですね。

――吹替版キャスト発表会見で、初めて今回のキャストの皆さまが揃われたわけですが、いかがでしたか?

(アフレコ収録が一人ずつバラバラだったので)共演者の皆さんと仕事したっていう感じがないんですよね・・・。イベントのときにお会いしたくらいなので。(コグスワース役の)小倉さんとも1度しかお会いできてなくて・・・でもなぜか他人とは思えなかったんです。相方みたいな(笑)。

映画『美女と野獣』_ルミエール

――会見でルミエール役を務めると発表された時、周りからの反応はどうでしたか?

たくさん反響があって驚きました。プレッシャーでしたね(笑)。こんなにも人気のあるキャラクターだとは知らなかったので、大変なことになったなと。「ディズニーの吹替えなんて大丈夫!?」と心配もされました(笑)。

――そんな初挑戦のアフレコはいかがでしたか?

映像と声のタイミングをコンマで合せていくのがすごく大変でした。どのキャラクターよりも動きが多かったので、腕を振ったり、飛んでからの着地のときの言葉のアクセントとか調整しながらやりました。日本語(のセリフ)も、映像の動きに一番合うものを、とその都度現場で変わりましたよ。

映画『美女と野獣』プレミアム吹替版ルミエール役・成河_2

――ほかにも収録時のエピソードがおありでしたら伺いたいです。

収録後に教わって知ったんですが、すべて一人ずつ別録りするというディズニーの吹替版制作のシステムは、とても特殊だそうです。これには一つのセリフに何時間でもかけられるというメリットがあって、30回でも40回でもリテイクして完璧なものが録れるまで延々とやれるんですが、演じる側としてはとっても難しかったです。

コグスワースとの軽妙なやりとりも別々で録っていて、英語でしゃべるコグスワースに対して日本語で返していましたので、その感覚に慣れるまでにすごく時間がかかりました。でも、すごく集中できる環境でやらせていただけたので、僕の場合はセリフ録り1日、歌録り1日でできました。7時間ぶっ続けとかですけどね!

――アフレコの際に意識された点、そして、ご自身が演じられたルミエールの魅力について教えてください。

原作のアニメーション版のルミエールは、愛嬌があって軽妙でありながらも落ち着いた執事としての渋みもあって声のトーンも低めだったので、年齢の割に声が高めの僕にできるかな・・・と心配だったんですが、(ルミエール役の)ユアン・マクレガーさんがとてもはしゃいでやられていて、そういうルミエールもありだなと思えました。もともとのイメージに縛られず、自分の中にある軽妙なスタンスで、鼻につくけど嫌いになれないフランス野郎な感じとかが表現できればと思ってやりました。

映画『美女と野獣』_ベル(エマ・ワトソン)

――本作には歌のシーンも満載ですが、アラン・メンケンさんの楽曲の印象はいかがですか?

本当に素晴らしい楽曲でしたね。どのシーンも納得で想像の上をいくクオリティでした。僕もそうでしたが、アニメーションを知っている方は「あのシーンどうするの?」と不安に思う部分もあると思うんですが、完全に上をいかれて参りました!ミュージカルシーンは本当に華やかで勢いがあってテンポもよくて。個人的には、幕開けの「朝の風景」から完全に心をつかまれましたよ。

――舞台での演技とアフレコでの演技とで、共通する点や異なる点はどういった部分でしょうか?

今回やってみて、まったく違うものだと感じました。役者の仕事には身体表現と音声表現があって、映像でも舞台でもそれらがブレンドされて出ていくものだと思うんですが、アフレコの仕事は音声表現のほうに完璧に特化していくというのが面白いんですよね。ものすごくそぎ落とされた表現というか、声の高低、厚み、太いか細いか、そのさじ加減だけで役ができていくというのが面白くて。とても技術のいることなんですけど・・・僕はとても好きです。

映画『美女と野獣』メインビジュアル

――本作をご覧になった感想と、成河さんが考える『美女と野獣』最大の魅力とは?

この物語は一言でいうと、“はみ出し者同士が出会うストーリー”だと思うんですが、そこに男女とかは全然関係なく、誰にでもあてはまるものなので、たくさんの人が勇気をもらえるような、一種の救いにもなるストーリーになっているというのが一番の魅力だと感じています。

――それでは最後に、観客の皆さまへのメッセージをお願いします。

吹替えの仕事を今回初めてやらせていただいて、「吹替えの役割ってなんだろう」って考えたんですが、要するに映画そのものを見てほしいんです。声優さんって、あまり顔を出さないですよね?その哲学ってやっぱりあると思うんです。「私じゃなくて作品を見てほしい」という。今回は、僕も含め舞台俳優を集めていただいて、それで喜んでいただけるのはすごく光栄でとてもありがたいことで、気持ちとしては「舞台で活躍する僕たちの声を聴きにきてください」という思いももちろんあるのですが、それ以上にこの実写版『美女と野獣』という映画が素晴らしいものなんです。その世界に字幕を追うこともなく、ものすごく自然に違和感なく誘導するということができたなら、そして、皆さんに没頭していただけたなら成功だなと思っています。

映画『美女と野獣』全国大ヒット公開中!

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