尚月地の人気コミック『艶漢』が3月に舞台化される。物語は、昭和風な裏町を舞台に、妖艶な傘職人・詩郎と正義漢の強い巡査殿が猟奇事件に立ち向かうエログロアンダーグラウンド事件簿。作・演出には空想組曲のほさかよう氏を迎え、先日は耽美なビジュアルが解禁され話題となっている。
詩郎を演じるのは、ミュージカル『八犬伝-東方八犬異聞-』など舞台を中心に活躍中の水澤賢人。現在稽古も始まり、詩郎に挑戦中だ。
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――まずは本作について、出演が決定した時の感想を教えて下さい。
水澤:この作品は、ふんどしをはいていない、一見女性みたいな傘職人の少年が、自分とは正反対に生きる誠実で男気があって力もある巡査殿と出会い、自分の境遇を乗り越えていくお話です。
その過程で色んな事件が起きて、個性豊かな登場人物と一緒に、猟奇的な事件を解決していくのですが、初めて原作を読んだときに、とても面白くて、こんな舞台を自分がやれるのかと思ったらとってもワクワクする気持ちでいっぱいになりました。
――ビジュアルが解禁されたときは、Twitterなどで大反響でしたね。撮影はいかがでしたか?
どんな衣装を着るのか、これもワクワクして撮影に行きまして、フィッテイングをして自分がどういうビジュアルになるのかわかるとさらに気合いを入れて撮影に挑みました。
衣装さん、メイクさん、スタッフの皆さんのお力が本当にすごくて、より気持ちよく詩郎としてカメラの前に立つことができましたね。しばらくすると大人の方がたもどんどんボルテージが上がってきて、ポージングでは寝っ転がったり、色々させられました(笑)。でも、恥ずかしいという気持ちは全然無くて、現場の雰囲気がそうさせてくれたのだと思っています。とっても気持ちよくビジュアル撮影ができました。
――原作は知っていましたか?
出演が決まってから原作を買いに行きました。1巻から9巻までドーンと!(笑)。自分がどんな役をやるのか、読み込みました!
――原作を読んで詩郎の印象は?
好きです!独りでいることが好きだったり、寡黙だったり、少し自分に似ているところがあるんです。僕はモノをつくることが好きで、自分で洋服を作ったり、一からワンピースを作ったこともあります。あとリメイクも趣味なので、傘職人という設定にとてもひかれました。作品の中に綺麗な傘とか出て来て、たまらないです。でも詩郎くんは飽きっぽい部分もあって(笑)、それでも時にはグッと我慢して乗り越えていく、そこも共通しているかな。
――では役には、すんなり入れた感じですね。
そうですね。どんな気持ちなのかな?とかはなく、詩郎として生きて行くことがすごく楽しみです。
――稽古に向けてどんな準備をしたんですか?
身体的に、身体のラインとか、細身だけど筋肉質の部分はずっと努力が必要だと思っています。お芝居の面では、脚本・演出のほさかようさんが本当に独特な世界観を持った方なので、ほさかさんとどういう詩郎を作っていけるかですね。自分の持って行ったモノと、ほさかさんがそれに対して答えてくれるモノで、どういうモノが生まれるのか、とても楽しみにしていて、それに100%、120%答えることができるように準備をしていました。
――先にアクション稽古もあったそうですね。
原作にはアクロバティックなこととか、人間離れしたアクションが出てくるので、それに近い動きだったり、サーカスの様につられたり、アクロバットを見せていただいたり、色々な事を試しながら、本編にどう入れようかみんなで考えています。
――つられる詩郎が見られるかもしれない?
(笑)。どうなるかな?お楽しみにしていてください。なので、体重は気をつけて…。
――健康管理が大事ですよね、生活で気を付けていることはありますか?
はい、すぐに筋肉が落ちてしまうので毎日必ず筋トレをしています。僕は太らないように努力するというよりは、やせ過ぎないように努力をしないといけないので、ほどよく食べて筋肉を付けられる身体にしていくトレーニングをしています。
――さて共演者についてですが、三上俊さん演じる安里はまた衝撃的なビジュアルで、こちらも話題になりましたね
完璧ですよね!『八犬伝』の時に三上さんはダイエットをしていて、その時でも普通に細い方だなって思っていましたが、今回ビジュアル撮影でお会いしたらさらに完璧な身体になっていて、役者・三上俊さんという「漢」に感服しました。この人は凄い!!こんな細くてマッチョな人はなかなかいないです!
撮影もノリノリで完璧なポージング、雰囲気作り、表情、全てにおいて、大きな背中を見せていただきました。その直後、すごいプレッシャーの中で詩郎の撮影だったので、それに負けないように僕も頑張ろうと、いい写真が撮れたと思っています。
――頼れる巡査殿の末原さんについては?
とても独特な雰囲気を持っている方でして(笑)。芝居の中では、僕が振り回す役どころなので、あの末原さんを僕がてんてこ舞いにできるのかと思うと、逆に面白いというか、とても稽古が楽しみです!
――では最後に見どころ、メッセージをお願いします。
まず原作がとても面白いので、それをほさかようさんが演出するということはどれだけ凄い事なのかと僕は思っていて、台本を読んで、本当にその予想は外れていませんでした。『艶漢』とほさかようさんのコラボレーション、それを僕たちがどう具現化していくかが勝負になってくると思うので、その融合をお楽しみにしていてください。
そしてほさかさんが、“兄や”や、“巡査殿”などそれぞれのキャラクターに対する詩郎をもすごく深く掘り下げて書いてくださっているので、それはきっと、生の芝居の方がよりダイレクトにお客さんへ伝わるのではないかと思っていて、そういう部分を観ていただきたいです。この作品を知っている皆さんも、舞台から知ってくださる皆さんも、この舞台を通してもっともっと「艶漢」を愛して欲しいです。全力で届けられる様に頑張ります!是非見に来てください!
◆プロフィール
水澤賢人(みずさわ・けんと)
1995年生まれ、東京都出身。最近の主な出演作品は、舞台、月刊「根本宗子」『夢も希望もなく。』(14年)、ミュージカル『八犬伝―東方八犬異聞―』(15年)ミュージカル『ハートの国のアリス~The Best Revival~』(16年)。
◆浪漫活劇譚『艶漢』公演情報
2016年3月30日(水)~4月3日(日) シアターサンモール
☆オフィシャルサイト
https://www.clie.asia/adekan/index.php