俳優活動10周年を迎えた山﨑晶吾。2.5次元ミュージカルをはじめとする華やかな舞台の第一線で活躍し続け、その端正なルックスと確かな表現力で多くの観客を魅了してきた彼が、「音楽」という新しい表現の扉を開いた。
与えられた台本の中の“誰か”を演じるのではなく、「山﨑晶吾」という一人の表現者としてのありのままの想いをメロディに乗せ、ステージから解き放つ。そんな本気の「音楽プロジェクト」が始動した。
本記事では、山﨑がどんな想いを持って動き出したのか、プロジェクト始動の瞬間をレポートする。山﨑が目指す夢のステージまでの軌跡、「ROAD TO ZEPP」の幕開けである。

山﨑晶吾、「もう一つの軸」を求めて
多忙なスケジュールの合間を縫うように、プロジェクトのキックオフ会議が行われたのは約1年半前のこと。新たな一歩を踏み出す山﨑だったが、力が入りすぎることもなく、自然体で「求められるものを届けたい」という気持ちで向き合う姿が印象的だった。
なぜ今、本格的な音楽活動へと踏み出す決断をしたのか。その最大の理由は、他でもない「ファンの声」であった。
「年々、歌を出してほしいという声をいただくことが増えていて」
彼のもとには、そんな熱い要望が寄せられていたという。確かに、山﨑の声は魅力的だ。芝居の中で聴かせる歌声に惹かれて、ファンとなった人々が彼自身の言葉と声で紡がれる音楽を求めていたのは想像に難くない。しかし、「山﨑晶吾本人」として歌唱する姿を見せられる機会は、年に一度のバースデーイベントなど、ごく限られた場しかなかったのが実情である。
常に「ファンが何を求めているのか」「自分はどう応えるべきなのか」を考えてきた彼が、俳優としての活動に加えて、自らを表現する手段として選んだのが「音楽」だった。
「エンタメを通じて、非日常をファンと一緒に味わいたいと思っているんです」
単発の企画ではなく、継続的なプロジェクトとして楽曲を制作し、ライブを作り上げる。ファンと一緒に新しい景色を見るための、新たな旅がここから始まったのである。
目覚めるロック魂――ルーツと「スタイリッシュ・ロック」への挑戦
では、山﨑の音楽とは一体どのようなものになるのか。そのサウンドの方向性を探るべく、会議では彼の音楽的なルーツが深掘りされた。
彼が中学生時代から愛し、青春を共に過ごしてきた音楽。それは「ELLEGARDEN」をはじめとする、エモーショナルでメロディアスなロックバンドたちだった。
「ELLEGARDENのスターフィッシュがめっちゃ好きでした」
さらに「X JAPAN」の激しさ、「GLAY」の叙情的なメロディ、「Janne Da Arc」の妖艶な世界観など、日本のロックシーンを彩ってきた数々の名曲たちが、彼の音楽的感性の基盤を形成してきたという。GLAYへの愛は特に深く、過去にはわざわざ雪が積もる場所へ赴き、雪の中で大きく足を広げるGLAY特有のポーズで写真を撮ったという微笑ましいエピソードも教えてくれた。
これらのルーツを踏まえ、今回のプロジェクトで目指す音楽ジャンルとして提示されたのが、電子音のエレクトロなビートと、生バンドの重厚なサウンドが融合した「スタイリッシュ・ロック」である。
山﨑の歌声の魅力は「シャープな響きに感情の熱をしっかりと宿した声」である。彼のこの声の魅力を存分に活かし、ロックでありながらも洗練された爽やかさを持ち、自然と体がリズムに乗ってしまうようなサウンドを音楽の方向性に挙げていた。
ルーツであるELLEGARDENの影響、自身のルーツである熱いロック魂と、唯一無二のエモーショナルボイス。これらが三位一体となった時、山﨑にしか鳴らせない新しい音楽が誕生するのだ。
完全なる世界観の同期――ビジュアルと映像へのこだわり
音楽プロジェクトを成功に導くためには、耳で聴くサウンドだけでなく、目に映るすべてのビジュアルを完璧にコントロールする必要がある。クリエイティブチームは、この点においてもこだわりを発揮していた。
目指すのは、楽曲、アーティスト写真、そしてライブグッズに至るまで、すべてのデザインと世界観を完全に統一すること。会議の中では、スタイリッシュ・ロックの楽曲に合わせて、少しダークでアーティスティックな空間で一筋の光を浴びるような、洋楽アーティストを彷彿とさせる洗練されたジャケット写真の構想が練られた。これまでのビジュアルで見せてきた爽やかな笑顔とは一線を画す、アーティストとしての鋭い表情を引き出す算段だ。
妥協なき「生バンド」の熱量と、ファンと創る非日常の空間
山﨑が今回のプロジェクトにおいて、決して譲れない強いこだわりを見せた部分がある。それがライブにおける「生バンド」の存在だ。
「もし、ステージで歌えるのなら、音源で歌うのではなく、絶対に生バンドがバックにいてほしいです。生の音を浴びた方がみんなも非日常を味わえるし、自分もテンションが上がると思うので」
その希望を聞き、プロデューサーが目指したいと言っていたのは、バックミュージシャンではなく、山﨑を支える「チーム」の結成だ。百戦錬磨のベテランではなく、山﨑と年齢の近いバンドマンたちに声をかけ、同世代の熱量を共有できるチームを作りたいという構想である。
舞台の世界でカンパニーと数々の作品を創り上げてきた山﨑が、ライブステージでも、背中を預けて一つのステージを作り上げられるような、バンドとしての絆を育んでいきたいと考えているのだ。
そして、ファンと直接対峙するライブ会場の選定。初陣を飾る地として、山﨑に馴染みの深い東京と大阪の2都市が選ばれた。会場のキャパシティは、熱気をダイレクトに感じられる中規模のライブハウスを想定。音楽ファンからも一目置かれる本格的なライブハウスが候補に挙がった。
特筆すべきは、「スタンディング形式」[羽田野2.1]にこだわっていた点だ。折角、ライブハウスという濃密な空間でライブをするのではあれば、着席して静かに見守るのではなく、立ち上がり、音楽の力で自然と拳が挙がるような空間を作りたい。しかし、同時に彼は自身のファン層の特性も冷静に分析していた。
「自分のファンには恥ずかしがり屋で大人しい人が多いんです」
ライブハウスとはいえども、激しいモッシュやダイブが起きるような過激なライブではなく、誰もが安心して楽しめる平和な空間を作ることが大前提だ。ライブ中には「この曲はみんなで手を挙げていいんですよ」と優しくアナウンスを入れたり、ペンライトの振り方を丁寧に誘導したりするなど、配慮を欠かさないでいきたいと語っていた。
一方で、ツアーラストを飾る大きな会場は着席の会場とし、誰でも参加が可能な空間に。誰も置いてきぼりにせず、一体となって非日常を楽しめるように・・・と、構想の話は進む。山﨑とファンが共に創り上げるのは、熱狂と優しさが同居する、唯一無二のライブ空間となるだろう。
見据えるのは「Zepp」の景色!声と表現力を武器に目指す新たなステージ

打ち合わせの中では、実は音楽に関するクスッと笑えるような微笑ましい「挫折」のエピソードも語られていた。
かつて、共演者からの勧めでギターに挑戦しようと思い立ったことがあったという山﨑。アンプなどの機材を一式揃え、意気揚々と練習を始めた彼が最初に選んだ曲・・・それはギター経験者であれば誰もが知る、超絶難易度を誇る高速のイントロと複雑なコード進行の曲だった。案の定、初心者の前に立ちはだかる「Fコード」の壁にぶつかり、指の痛みに耐えきれず、わずか2ヶ月でギターを部屋の隅に追いやることとなってしまったという。このお茶目な挫折経験を経て、このプロジェクトでは、自らの「声」と、舞台で培ってきた「表現力」で音楽の世界へと飛び込んでいく。
そして、この記事のタイトルに「ROAD TO ZEPP」とつけたとおり、プロジェクトが目指す最大の目標は「Zepp公演」である。過去にミュージカルのライブ公演でZeppのステージに立った経験を持つ彼は、その時の圧倒的な景色と、会場を包み込むすさまじい熱量が忘れられないと語った。
「あのZeppの公演が自分的にすごく楽しかったので、いつか自分の力でZeppのステージに立って、ファンのみんなに『Zeppに帰ってきたよ』と報告できたらいいです」
目標はすでに明確なスケジュールとして動き出した。すでに発表されているように、初のライブツアーのファイナルは、Zepp DiverCity(TOKYO)にて開催される。
この計画を実現させるため、舞台のスケジュールを縫いながら、オリジナル楽曲の制作に取り組んできた山﨑。彼がファンに見せたいのは、完成された姿だけではない。ゼロから音楽を創り上げ、ステージ上で極上の非日常空間を生み出していく、そのプロセスそのものだ。
「ファンのみんなが喜んでくれるものにしたい」
彼が繰り返していたこの言葉こそが、本プロジェクトの核である。東京と大阪の500人のライブハウスから産声を上げ、やがて数千人を飲み込むZeppの巨大な空間へと辿り着くその日まで。
ファンの声に応えるべく始まったこの挑戦は、ファンと共に歩むことでしか完結しない。山﨑晶吾の描く夢の軌跡を、楽しみに追いかけていきたい。
なお、山﨑晶吾 3rd Digital Single「Believe Myself」が6月20日(土)0:00にリリースとなる。こちらもぜひチェックを。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
(ビジュアル写真:水津惣一郎/JK:反田零)
リリース・ライブ情報一覧
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| デジタルシングル第3弾 | 山﨑晶吾 3rd Digital Single「Believe Myself」 6月20日(土)0:00リリース |
| ツアータイトル | 山﨑晶吾 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR2026「Midnight Drift」 |
| 東京オープニング公演 | ※ファンクラブ限定公演 2026年9月5日(土) 1部 開場15:00 / 開演15:30 2部 開場18:30 / 開演19:00 代官山SPACE ODD スタンディング 7,700円(税込) |
| 大阪公演 | 2026年9月19日(土) 1部 開場15:00 / 開演15:30 2部 開場18:30 / 開演19:00 梅田Shangri-La(大阪) スタンディング 7,700円(税込) |
| 東京ファイナル | 2026年9月25日(金) 開場18:15 / 開演19:00 Zepp DiverCity Tokyo(TOKYO) 指定席 9,400円(税込) |
| チケット | e+(イープラス) https://eplus.jp/shogo-yamazaki/10th/ 一般発売:6/13(土)12:00〜 |
| 来場者特典 | 来場者にピクチャーチケットの特典あり(全公演/全券種対象) |
| 注意事項 | ※代官山SPACE ODDはファンクラブ限定公演となり、一般発売の予定なし ※未就学児入場不可 ※入場時ドリンク代別途必要 ※本公演は収録が入る予定あり |


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