歌舞伎の新たなるステージを目指して銘打った“歌舞伎NEXT”として、17年ぶりに上演される『朧の森に棲む鬼』。その配役などが明かされ、主人公ライは松本幸四郎と尾上松也がWキャストで演じることが発表された。
17年ぶりの『朧の森に棲む鬼』は歌舞伎で
『朧の森に棲む鬼』は、松竹と劇団☆新感線がタッグを組み主演に市川染五郎(現:松本幸四郎)を迎え、2007年に初演された作品。シェイクスピアの名作『リチャード三世』を下敷きに、劇団☆新感線の座付き作家中島かずきは嘘と欲望に支配される男の物語を描いた。
今回は“歌舞伎NEXT”の第2弾として、見得や立廻りをはじめ、歌舞伎ならではの様式美を追求した演出に音楽と、400年以上の歴史の中で受け継がれてきた技法を作品世界に落とし込み、新たな『朧の森に棲む鬼』を創り上げる。
出演者には、松本幸四郎、尾上松也、中村梅枝、坂東新悟、尾上右近、市川染五郎、市川猿弥、 片岡亀蔵、坂東彌十郎と、歌舞伎界の今を牽引する顔ぶれが揃った。そしてこの度、松本幸四郎と尾上松也がWキャストで主人公・ライを演じることが発表された。
主人公・ライに扮した幸四郎と松也の撮影は、演出のいのうえひでのり立ち会いのもと、衣裳のなびき方やメイクの色味、感情の機微を込めた表情など、細部まで丁寧に作り込み、作品の世界観を大切にしながら進められたという。
ビジュアルの仕上がりは、朧の森の中で赤と黒の衣裳に身を包み、すでに王者の風格すら感じさせる幸四郎のライと、己の運命も知らぬまま、剥き出しの野心が見え隠れする松也のライ、2人の個性が光り、Wキャストならではの醍醐味を感じさせるものとなっている。
なお幸四郎と松也は、己の命と引き換えに噓と裏切りでエイアン国の王にまで駆け上がるライと、ライによって地位を剝奪される将軍のサダミツで交互出演する。
また、ライを慕いながらも思惑に気付きライを討とうとするツナを中村時蔵、エイアン国の王イチノオオキミの愛人でありライに好意を寄せるシキブ役を坂東新悟、ライの弟分であるキンタを尾上右近、エイアン国と敵対するオーエ国の党首であるシュテンを市川染五郎、主君を渡り歩く家来アラドウジを澤村宗之助、検非違使のショウゲンを大谷廣太郎、ライと手を組む悪党のマダレを市川猿弥、エイアン四天王の一人ウラベを片岡亀蔵、エイアン国の王イチノオオキミを坂東彌十郎が勤める。
コメント紹介
◆松本幸四郎
歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』への挑戦権を得られたことに感謝しています。
いのうえひでのりさん、中島かずきさん、歌舞伎を絡み合わせて創る“歌舞伎NEXT”。
初日へのカウントダウンが始まり“孤独極秘トレ”をしています。
主人公・ライの徹底的な悪で興奮と恐怖を感じていただくために、そしてダブルキャストの勝負にチャレンジャーの精神で立ち向かっていきます。
新橋演舞場、博多座にて悪の華、色彩美、傾く音楽、アクション満載のエンターテイメントに刺激を受けにご来場をお待ちしています。
◆尾上松也
2007年に新橋演舞場で初演された『朧の森に棲む鬼』が歌舞伎NEXTで再演されると聞いた時は、とても興奮いたしました。更に幸四郎さんとダブル主演とのことで身震いがしました。嬉しさと同時にあの最高の「ライ」を演じられた方と自分が一緒に同じ役を勤めるプレッシャーが大きくのしかかりました。ですが、やるからには新たな「朧」、新たな「ライ」を誕生させるべく、いのうえひでのりさん、中島かずきさんの導きに従って、悪の華に全力を尽くしたいと思います。
そして今回はサダミツもさせていただけますのも楽しみです。他の出演者の皆様も、若手を中心に最高のキャストが揃いました。
是非劇場にお越しいただき、歌舞伎NEXTをお見逃しなく!!
歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』公演情報
<上演スケジュール>
2024年11月30日(土)~11月26日(木) 新橋演舞場
2025年2月4日(火)~2月25日(火) 博多座
【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり
【出演】
松本幸四郎、尾上松也、中村時蔵、坂東新悟、尾上右近、市川染五郎、澤村宗之助、大谷廣太郎、市川猿弥、片岡亀蔵、坂東彌十郎
<チケット>
【観劇料】(税込)
[新橋演舞場]1等席:16,500円/2等A席:9,500円/2等B席:6,500円/3階A席:6,500円/3階B席:3,000円/桟敷席:17,500円
[博多座]A席:16,500円/B席:10,500円/C席:6,500円
【一般発売】
[新橋演舞場]10月25日(金)10:00~
[博多座公演]12月14日(土)10:00~