山崎育三郎×尾上松也×城田優「すごい演出家が誕生した」と初演出の成河を絶賛！あいまい劇場其の壱『あくと』開幕

2021年11月21日2024年8月9日

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山崎育三郎×尾上松也×城田優「すごい演出家が誕生した」と初演出の成河を絶賛！あいまい劇場其の壱『あくと』開幕

2021年11月20日（土）に、あいまい劇場其の壱『あくと』が東京・EXシアター六本木にて開幕した。初日前日には公開ゲネプロと舞台挨拶が行われ、山崎育三郎、尾上松也、城田優、皆本麻帆、清水美依紗、キムラ緑子、演出の成河が登壇した。

本プロジェクトは、山崎・尾上・城田の3人が、2015年のミュージカルでの共演を機に自分たちの感性で、オリジナル作品を製作したいという思いを共有し、3人の名前の頭文字から「IMY（あいまい）」と名付け、2019年より始動したプロジェクトの第一弾舞台公演。

演出は、ミュージカル、ストレートプレイ、1人芝居など様々な舞台で大活躍中の成河。成河は、本舞台が初演出となる。脚本は『あたらしいエクスプロージョン』で第62回岸田國士戯曲賞を受賞し、テレビドラマ『あなたの番です』の全話脚本のほか、舞台、ミュージカルと各方面から大注目の福原充則。新しい挑戦をしたいというIMYからのオーダーにこたえ、全4話のオムニバスで構成される本作の3話を福原が書き下ろし、もう1話を城田が初めて脚本にチャレンジしている。

舞台挨拶では、まずIMYの3人がそれぞれ初日を迎えての心境を披露。山崎は「2015年に3人で雑談したところからスタートして約6年、こういうステージを用意していただいて感動しております。お客様がどう受け止めてくださるかというのをすごくワクワクしております」と期待を寄せた。尾上は「出演者とスタッフの皆さんの、面白く素敵なものにしようとしてくださっている一生懸命な姿に日々感動しておりました。その結晶をこれから皆さんに観ていただくことは非常に楽しみでありつつも、我々3人が言い出したこともあって不安もありますが、一生懸命に務めていきます」と気を引き締めた。

劇場入りしてから不安と緊張を感じているという城田は「とにかく自分たちが楽しく面白いと思えるものを作りました。語弊があるかもしれませんけど、くだらないと思ってもらいたいという部分が正直あります。演劇、ミュージカル、コンサート、ショー、いろんなジャンルのエンターテインメントの全てのいいところを凝縮した「IMY」ならではの、間違いなくほかでは見たことがないものが完成したと思います」とアピール。

IMYというプロジェクトについて、山崎は「オリジナル・ミュージカルでデビューしたことで、オリジナル作品というものにすごく思い入れがあって、いつか日本で生まれたオリジナル作品を作れたらと思っていました。松也も歌舞伎の世界で自分で新しい作品を作り出すとか、優は演出などの役者以外の活動もしていて、そんな2人と共演する中で意気投合して、僕らの世代で何か今までにないエンターテインメントを作りたいというところから、2015年に話し合ったのがきっかけでスタートしました」と誕生秘話を明かした。

そのIMYの目指すところについて、尾上は「とにかく我々が楽しいと思えるものを作るということ。固定概念にとらわれず、僕たちが純粋にやってみたいと思った人と出会って発見するということを大切にするようなものを作りたいということ。オリジナル作品を作ることで、国内だけでなく日本以外の方にも観に行きたいと思ってもらえるようなもの、あるいはこの作品をどこかで上演したいと思ってもらえるようなものを作っていこうという考えが大きな発想の源になっています」と説明。

尾上と城田に、演出家として迎え入れたいと山崎が提案し、招かれたという成河。「初めての演出で、こんな場所に一流のスタッフと俳優さんで一緒に作らせてもらって、『俺、もったいないねーなー』と毎日を送っていました。どんなに間違えたことを言っても、それを許容する3人の場作りがうまいので、そこに甘えて、全員に助けてもらいながらやってきました。ただ、僕にお願いしてくださったからには、僕が一番好きなものにはなっていると思います。稽古場でそれこそ不安な思いをさせまくっていましたが（笑）、そのぶん、僕は客席で本気で泣いたり笑ったりしていました」と稽古を振り返りつつ、謙遜しながらも自信を覗かせた。

そんな成河に対して、城田は「ご謙遜されていますけど、これからお世辞抜きに確実に“演出成河”というのは来年以降、絶対に増えていくと思います」と絶賛すると、山崎も「すごい演出家が誕生しました。僕の目に間違いはなかったです（笑）」と同調。さらに、尾上も「同世代で演出を受ける経験は正直なくて、世代も近いし、いろんな解釈や、いろんなことを話し合いながら、ちゃんと一つ一つをお互いに納得しながらやっていけたのはすごく楽しかったです。一緒にふざけながら、楽しみながら、でも、ここはというところで引っ張ってくれる感じとかはすばらしかったです。とにかく、すごい演出家が誕生しました！」と言葉を重ねた。3人の大絶賛の嵐に成河は「もうゲネやりましょう」「もうええわ！」とタジタジとなってしまい、その姿に会場は笑いに包まれた。

IMYの熱烈オファーにより出演が実現したというキムラと皆本。キムラは「稽古場がとにかく楽しかったです。緊張せずに、みんなで楽しく和気あいあいという感じでした。自然にみんなが仲良くなって、体も自由で発想も自由で、とにかくお三方の自由な発想を毎日見てるのが幸せ！本当に素晴らしくて毎日笑っていました」と稽古を振り返った。

舞台挨拶中に緊張が押し寄せてきたという皆本は、「稽古場では毎日、楽しく自由にのびのびとやらせてもらったんですけど、すごく緊張してきました……。でも、緑子さんとお三方が真剣に体当たりで、ふざけたことをやったり、でも大真面目なお姿が本当に美しくて、格好良くて、それを毎日見れたので、お客様にも本当に楽しんでいただけると思います！私も頑張ります！」と、あまりの緊張からか感無量という様子で笑いを誘った。

山崎が自身のドキュメント番組でNYに行き、現地のミュージカル校で出会った清水。「今回が初舞台なので、右も左も分からない状態で稽古に臨んだんですけど、不安を感じさせないぐらいカンパニーの皆さんがすごくフラットに話しかけてくださったり、リラックスできる環境を作ってくれたので、今日まで稽古を頑張ってこれました。初めてすぎて今も震えているんですけど（笑）、何より安心したのが、芸歴の長い城田さんでも、いつも緊張するとおっしゃっていて、安心しました」と笑顔を見せると、城田が「そうだよ。芸歴20年超えても知恵熱だすんだよ。よかったよかった、役に立った（笑）」と応え、会場から笑いが起こった。

常に議論する時も3人の多数決で決めてきたというIMYとして、6年間の集大成となる本作。舞台挨拶の最後に、城田は「違う事務所に所属している同世代の3人で、画期的なことをやっていると自負しています。僕らの活動で、お客様はもちろんのこと、同じエンターテインメントをやっている仲間たち、先輩方、後輩たちが何か少しでもいい影響を受けて、日本の演劇界のみならずエンタメ界が盛り上がってくれたら嬉しいと我々は常に思っています」と打ち明けた。

全4話のオムニバス構成となる本作。第1話は、朝ドラオーディションをテーマとしたコントチックな作品。IMYの3人が、Twitterで一般のお客様から募集したお題を日替わりでエチュードとして演じるという、城田が述べた良い意味での「くだらない」というIMYの大真面目にふざける面白さを楽しめる1本。第2話は、一転してサスペンス調の密室劇。IMYの3人による迫真の演技だけでなく、脚本を担当した城田の新たなチャレンジの中で生まれた謎解き＋緊迫した展開に引き込まれるストーリーだ。第3話は、漫画家を目指した青年たちの物語。夢を追いつつも、厳しい現実にさらされる青春物語と思いきや、意表をついた展開が待っている。そして、第4話はIMYの3人のファンや、演劇・ミュージカルファンを存分に魅了してくれる作品となっており、IMYの3人が「ネタバレ厳禁！」と自信を見せるだけのことはあるので、ぜひ劇場で堪能してほしい。

バラエティーに富んだエピソード間には、ディズニープリンセスにスポットを当てた世界的なプロジェクト『アルティメット・プリンセス・セレブレーション』の日本版テーマソングの歌手にも起用された清水によるタイトルナンバー「あくと」の歌唱や、皆本と清水によるアバンギャルドでキッチュな歌唱＆ダンス、バンドメンバーによる生演奏などのショー要素も盛り込まれ、エンターテインメント満載のステージとなっている。