三人芝居「怪物の息子たち」インタビュー!崎山つばさ「少人数でのお芝居がやってみたかった」

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三人芝居「怪物の息子たち」インタビュー!崎山つばさ「少人数でのお芝居がやってみたかった」

2024年5月30日(木)から6月9日(日)に東京・よみうり大手町ホールにて上演される三人芝居「怪物の息子たち」。『仮面ライダーリバイス』で共に脚本を書いていた木下半太と毛利亘宏が、脚本(木下)×演出(毛利)で再びタッグを組む新作会話劇を生む。

出演は、崎山つばさ、安西慎太郎、田村心の三人だけ。崎山が「マッチアップしてみたかった」という役者たちと、自身が「やってみたかった」という少人数芝居に挑む。役者として、様々な挑戦を続ける崎山に、本作に向かう心境を聞いた。

目次

崎山つばさインタビュー「濃密なセッションをしながら作っていけるのではないかと」

――この三人芝居は、プロデューサーさんと崎山さんが“やりたいこと”をお話ししている中から立ち上がったと伺いました。

そうですね。もともと、少人数でのお芝居をやったことがないので、やってみたいという思いがあったんです。そこから演出は毛利さんで「三人芝居」をやることが決まって。マッチアップしてみたい役者の名前をいろいろと挙げさせてもらうなかで、実現したのが今回のメンバーで。そこから木下半太さんが脚本を書いてくださることが決まり、だんだんと企画が形になっていったという感じです。

――今回は、安西慎太郎さんと田村心さんとのマッチアップとなりましたが。

芝居に愛された人たちだと思っています。そういう役者と自分が一緒にやった時にどういう感情になるんだろう、どういうお芝居のアプローチになるんだろうって興味があって、がっつり共演してみたいなとずっと思っていました。

安西は、もともと同じ事務所に所属していましたし、お芝居を拝見することもあったんですけど、共演したことはなかったんですよ。近いようで、意外と機会がなくて。だから、今回一緒にできるって決まってすごく嬉しかったです。三人芝居で、僕らだけでいろんな役を演じることになるんですが、そもそも範疇を超えてくるだろうし、濃密なセッションをしながら作っていけるのではないかと。

心も、刀ミュ(ミュージカル『刀剣乱舞』)のライブ公演などで一緒の舞台に立ったことはあるんですけど、こうして改めて一緒にやってみたらまた違う空気が流れるんじゃないかなと期待しています。どちらも、がっつり共演したことはないけれどある程度知っている仲であることがどう作用していくのか、いろいろ楽しみです。

三人芝居「怪物の息子たち」インタビュー!崎山つばさ「少人数でのお芝居がやってみたかった」

――ここのところ崎山さんはいろんな挑戦をされていますよね。

そうですね。挑戦の気持ちしかないっていうか、やっぱりやったことないことをやっていきたいんですよね。まだまだ経験したことのないことが多くて。少人数のお芝居も、五人の経験はあるんですけど、三人と五人では全然違うと思うし。僕たちのことを知ってくださっている方はもちろん、知らない方も楽しんでいただけるものにしたいです。物語的にダークでちょっと難しいところもあると思うんですけど、それだけじゃない人間の優しさを含む細やかな感情を感じ取ってもらえるものにしたいなと思っています。

――少人数のお芝居は、日によって全く違う空気になりそうです。

人数が多い作品だと、一人、二人違うアプローチをしても全体で軌道修正されると思うんですけど、三人だと、一人が違うといい意味でも悪い意味でもすごく影響されると思うんです。でも、それをいい具合に使えたらと。観に来てくださる方にも、芝居のぶつかり合いを楽しみの一つにしてもらえたらいいなと思っています。

――木下さんが書かれた物語を読んだ時は、率直にどう思われましたか?

これ、台本で文字を追っているとすごく面白いんですけど、いざやるとなるとめちゃくちゃ難しいだろうなと・・・。時間軸が前後したり、父親と兄弟だけでなく、三人で次々と登場人物を変えて演じたりすることになるので。例えば、父親を僕がやったり、安西がやったりすることになるので。感情の持っていき方とか、説得力を表現するのが難しいだろうなと思いますし、本当にごまかしが効かない。

――あらすじを拝見すると、三兄弟と父親は明確に登場しますね。

父親という存在は大きく書かれているけれど役者はいないという状態が、一番大きいですね。

三人芝居「怪物の息子たち」インタビュー!崎山つばさ「少人数でのお芝居がやってみたかった」

――父親と息子、兄と弟という関係には、 男同士でしか分かり合えないものがある気がします。

僕自身も兄がいまして。父親は、そんな怖い存在ではないんですけど。兄は6つ離れていたので、子どもの頃は怖かったんですよね。僕が小6の頃にはもう兄は高3で、大人と子どもみたいな感覚で。兄は反抗期もすごかったので、そういうのもあって畏怖する存在だったのかもしれません。僕が成人して、一緒にお酒飲めるようになって、ようやく“兄弟”と言える関係性になってきたかも。

僕が演じる蒼空が、父に対して抱く“男”としての怖さ、血は繋がっているんだけど少し距離のある存在みたいな感覚が、僕が兄に感じていたものと、もしかしたらリンクするのかなと思っています。

逆に、蒼空は長男で、演じる僕は次男なので、それは僕の中にあるものを逆にしたら活かせるのかなと。どうしても物語が自分の人生とかけ離れていますから、そこをどう理解できるような思考に持っていくか、自分の中に落とし込むかが大事になってきますね。

――ちなみに、お父様は崎山さんにとってどういう存在ですか?

自分が子どもを持ったことがないので分からないんですが、子どもを一人育てるだけでも大変なのに二人育てて、自分でご飯を食べていけるようになるまでにしてくれるってすごいことだと思うので、やっぱり尊敬します。

あと、うちの父親ってぽろっと大事なことを言ったりするんですよね。例えば、僕は子どもの頃サッカーをやっていたんですが、その送り迎えの間に勇気づけるような言葉を残してくれたりしたんです。そういう言葉って、今もいざっていう時に出てくるんですよね。この人の血を自分も引いているんだなって思うと嬉しくなります。

――いい関係ですね。お兄さんは反抗期がすごかったとおっしゃっていましたが、崎山さんご自身は?

僕はいい子でした!お兄ちゃんのそういう姿を間近で見ていたので、自分はいい子すぎるぐらいいい子でしたね~。だから、この芝居で荒くれ者を演じられるのが楽しみで(笑)。

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――ご自身とかけ離れた役を作っていく上で、楽しみにしていることは?

今回・・・千穐楽で「楽しかった」と感じられたらいいなって思うんです。きっと、稽古している間、本番の間はそんな余裕ないだろうし。演じたことのない役に挑戦するということがまずやりがいであると思うんですけど、それだけじゃなくて、その先にある、自分でも想像し得ないような景色が見えることを期待しています。

――一つの作品の中で役を演じ分ける時は、どのようなことを意識しますか?

今回の作品では、息子と父親では、逆のポジションから作品を見ることになるのかなと思います。だから、もちろん明確に違いがあった方がいいと思うんですけど「父親だからこう」っていうのは、多分あんまりやらない方がいいと思っていて。抱えているものが息子と父では違うので、それがうまくグラデーションをつけられるかは、実際にやってみないと分からないんですが、その瞬間に身体の体積が変わるように演じられたらいいなというのが理想です。声を変えたり、話し方を変えたりするのは簡単だと思うんですけど、そういうとこじゃなくて、それは最終的な手段にしたいなと思っています。

――演出の毛利亘宏さんとは二回目ですかね?

そうですね。「しにつか」(東映ムビ×ステ 舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』)以来ですね。

――毛利さんの演出に対してはどのように感じていらっしゃいますか?

毛利さん、優しいんですよね。自由にやっていいよと任せてくれながらも、役を掴むためのヒントとして手を差し伸べてくれる。今回も掴むまで時間がかかるとは思うんですが、きっと毛利さんはそれも分かってくれるだろうなと思っていますし、今回もきっと、毛利スマイルで悩んで苦しんでいるのを待ちつつ、しびれを切らして手を差し伸べてくれる瞬間があると思います(笑)。なるべく頼らずに自分で見つけられるようにしていきたいですけどね。

――崎山さんの新たな挑戦、楽しみにしております。

ありがとうございます。僕にとって初となる三人芝居、出せるものを全て出し尽くそう、使えるものは全部使っていこうと思います。物語的にはかなり壮絶なので、決してハッピーな空気にはならないとは思うんですけど、家族の物語、兄弟の物語、その周りにある人生の物語です。観てくださった方が何かを感じて家族や兄弟との関係を改めて見つめてもらえたら。張り詰めた緊張が緩む瞬間ももちろんあると思うので、そういうところも混ぜつつ、最終的にはなんかやばい作品を観た!と思ってもらえるような、演劇の怪物をお届けできるようにしたいと思います。劇場でお待ちしております。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

三人芝居「怪物の息子たち」公演情報

【脚本】木下半太
【演出】毛利亘宏(少年社中)

【出演】
崎山つばさ 安西慎太郎 田村心

2024年5月30日(木)~6月9日(日) よみうり大手町ホール

【公演特設サイト】https://toei-stage.jp/threesons-of-monster/
【公式X(Twitter)】@Toei_stages







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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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