コート中央のネットを挟んで、2チームでボールを打ち合う球技の物語――2023年夏、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」から、劇団「ハイキュー!!」へ、表現方法を新たに、「ハイキュー!!」が再び舞台で走り出した 。
演出に須賀健太、主演に加藤憲史郎を迎え、フレッシュなキャストたちが、実に泥くさく、リアルに、そして原作とこれまでの歩みにリスペクトを掲げつつ、全14公演を駆け抜けた。
U-NEXTでは、劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演のアーカイブ配信がスタート。映像でも劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演を楽しむべく、日向翔陽役の加藤憲史郎、影山飛雄役の若林星弥、田中龍之介役の熊沢学、及川徹役の藤林泰也、そして演出の須賀健太にインタビューに答えてもらった。
(※インタビューは公演中に行われました)
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①劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演【8月19日公演】全景映像
②劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演【8月19日公演】スイッチング映像
③劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演【8月27日公演】全景映像
④劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演【8月27日公演】スイッチング映像視聴ページ▶U-NEXTに遷移します
――劇団「ハイキュー!!」の旗揚げの景色はいかがでしたか?
加藤:稽古が始まってから、本番を重ねるうちに、キャスト全員の団結感がどんどん増していって、本当の部活、本当のチームのようになっていったなと思いました。
若林:僕は、今回が初舞台だったのですが、お稽古の時と違って、お客様が入ることでより“見られている”という意識が強くなりました。一挙手一投足、ちゃんと見せられるものにしないと・・・という意識がどんどん高まっていきました。
熊沢:僕も、改めて「お客様が入って、舞台は完成するものなんだ」と思いました(目力を込めて)。
藤林:疲れより楽しさが勝つ、そんな感じでした。
須賀:これ、いい意味なんですけど・・・稽古では手抜いてたんじゃないかって思うぐらい、みんな元気になり、躍動していたんですよ。僕らの時もそうでしたけど、お客様が入って初めて「ハイキュー!!」の世界が完成する、舞台本番のマジックが存在して、そこでしか生まれないエネルギーがあるんだって、改めて感じましたね。
――加藤さんは、以前インタビューさせていただいた時とお顔付きが全然違っていて驚きました。
加藤:本当ですか?
――すごく日向翔陽が見えるし、成長されているのを感じます。影山飛雄役の若林さんともいいコンビだなあと思いました。
須賀:オーディションの時は、「人がこんなに緊張している姿は見たことがない」って言いたくなるぐらい緊張してたのにね(笑)。
加藤:台詞も噛んじゃったし、何も考えられないぐらい頭真っ白でした・・・(笑)。
――以前、「日向と緊張するとお腹が痛くなるところが似ている」とおっしゃっていましたが、その時のお腹の状態は?
加藤:それはもう、ひどかったです!
一同:(笑)。
――せっかくなので、ぜひ、皆さんのオーディション秘話を教えてください。
加藤:なので、ちゃんとお腹の具合と戦ってからオーディションに臨みました。お腹を壊してこそのオーディションでした(笑)。
若林:僕は、憲(加藤さん)とオーディションの最後の段階で初めて会ったんですけど、「一緒に演じてみて」って言われた時も、めちゃめちゃ緊張しているのが伝わってきたのを覚えています。
加藤:あはは(笑)。
若林:そんな憲の胸ぐらを勢いでぐっと掴んでしまったんですけど、終わったあとに憲の方から「(緊張していて)すいませんでした!」って言われて。「こちらこそ胸ぐらを掴んでしまってすいません・・・!」って僕も謝っていたので、「すいません!」「すいません!」のペコペコ状態になりました。
一同:(笑)!!
――熊沢さんの田中先輩、とてもいい田中先輩でした!
熊沢:ほ、本当ですか?!でも、俺もめちゃくちゃオーディションの時は緊張していたんですよ。まず、健太さんを生で見るっていうこと自体に緊張していて。だから、「逆にこっちから見よう!」と思って、めちゃめちゃ健太さんを意識していました。「何に笑っているんだろう?」「今の反応はなんだ?」「俺の番・・・何か書いてる・・・」「俺、ダメかもしれない・・・いやいや、大丈夫だ!」って、ずっと気にしていました。
須賀:そうだったのか(笑)。
――(笑)。藤林さんの演じる及川も、とてもいい及川さんでした!
藤林:ありがとうございます。僕の話は、僕個人というか、(影山役の)星弥との話をしてもいいですか?及川さんと飛雄は中学の先輩後輩ですが、僕と星弥は同じ事務所の先輩後輩なんです。なので、彼が影山役のオーディションを受けていることは知っていたので、最終オーディション前日の夜、電話で2~3時間、二人で読み合わせをしていました。
須賀:え~!そうだったの?!
若林:はい。台本をいただいて、稽古が始まるまでも、電話とか、事務所の空いているスペースで読み合わせを手伝ってもらったりしていました。
須賀:優しい世界線の及川と飛雄じゃん!
藤林:舞台の本番に入ってからも、お辞儀の仕方を教えたりね。彼は初舞台なので。緊張でガッチガチだったから、少しでもフォローできたらなと思って。些細なことなんですけど。
若林:お世話になりっぱなしです・・・(ぺこり)。
――須賀さん、ナイスキャスティングですね。
須賀:そんなことしてたの全然知らなかった。でも、僕もいつもはオーディション受ける側だから、みんなの気持ちはよく分かります。僕自身、オーディションめっちゃ嫌いだし。みんなの気持ちが分かるからこそ、全力で選ばないといけないなと思っていました。「選ぶ側」に立つのは初めてでしたけど、役者一人一人の持ってくるものや、同じ台詞を言ってもこんなに違いがあるのかと、演じることの奥深さを、みんなを通して改めて知ることができました。
それから、スタッフさんの先見の目のすごさ!2.5次元作品って、そのキャラクターに姿かたちが「似ている」ことが大前提として必要じゃないですか。でも、それ以上に舞台に立った姿をイメージできるか。僕は、その部分については分からなかったので、舞台に立った彼らを見て、その確かさに驚きました。そして、星弥とか初舞台なこと分かっていてキャスティングしたけど、各々が期待を上回るがんばりを見せてくれたなと感じています。
――この公演はU-NEXTさんで独占アーカイブ配信 が行われます。ぜひ、今だから言える「細かすぎるこだわり」を教えてください。ご自身のシーンでも、それ以外のシーンでもかまいません。
藤林:僕は、客席から登場するシーンがあったんですが、階段を下りる時、できる限り階段を見ないようにしています。及川さんって、やっぱりかっこいいじゃないですか。階段に目を落としてしまうと姿勢も悪くなってしまうし、伝わるものが伝わらなくなってしまうと思ったので、階段をできる限り見ないようにしています。
――及川さんはかなり移動する場面が多かった気がするので、大変でしたね?!
藤林:劇場や舞台セットの構造として階段があるだけなので、それをお客様に意識させないようにできたらと思っていました。場ミリとかもね、あんまり見ないようにしていました。
熊沢:僕は、「森行成」が・・・。日に日にどんどん変わっていくので・・・。
※烏野町内会チームとして登場、花巻貴大役の中原弘貴が兼役として演じていた
須賀:森行成には、毎日ダメ出しがあったの(笑)。
熊沢:どういうダメ出しなんですか?
須賀:その「森行成」は違う、みたいな。
藤林:名乗り方も、毎日日替わりでしたよね?
須賀:そう。どこかで、スターティングオーダーの時に、名乗らずに「覚えて帰ってください!」って言ってて。その日はガン詰めしました。「違う!俺の森行成を返せー!!」って(笑)。
一同:(爆笑)!!
――映像にはどんな「森行成」が残っているんでしょうか(笑)。加藤さんはどうでしょう?
加藤:僕は、烏野の2年生の皆さんです。皆さん素晴らしくて!中でも、僕は成田一仁役の柊斗くんが推しで、常に見てるんですけど・・・もう、好き(照)。場面転換の中でも、空いたらすぐに行ったりとか、待機の時もめっちゃ姿勢よく待っていたりとか。見れば見るほど、成田が好きになっていく感覚でした。ぜひ!注目してください。
須賀:かわいいなあ(笑)。
加藤:星弥は?
若林:そうだなあ・・・映像に残っているか分からないんですけど、飛雄が客席からジャンプサーブを打つシーンがあるんです。成田役の柊斗くんからボールをもらうんですが、その時に、「・・・あざすっ!」って言ってます。多分、マイクにも声は入っていなかったと思いますけど。
加藤:え~!俺、聞こえてないや・・・。たぶん、「殺人サーブ、やったれー!」って言ってる時だよね?
若林:そう。だから、多分その台詞といい感じにかぶってて、近くの席のお客様にしか聞こえていないぐらいの声なんですけど。もし、顔を映していただけていたら、口が動いているか確認してみてください。
――須賀さんは、演出面でのこだわりと言えば?
須賀:雪が丘戦の前にトイレに行く日向の形、かな。あそこは、毎日口を挟んでいたんですよ。それぐらい、僕の中であのシーンが描かれたコマは印象的で。原作では、文字がなくて日向だけが描かれているんですけど、その日向の顔がなんか・・・すっごく味があるんですよ。なるべくその味に近づけたいなと思ってこだわりました。
――直接的な演出以外にも、随所に須賀さんの「ハイキュー!!」への愛が感じられたんですが、今回、脚本などにも須賀さんのご意見は反映されていたのですか?
須賀:叙景と呼ばれる部分・・・冒頭、みんなが白いジャージ姿で出てきて円陣を組む流れは、僕がプロット段階で書いていたものがそのまま使われています。
――最初のプロットは、須賀さんが書かれたんですか。
須賀:そうです。最初の段階で、やりたいことを全部書いてみてって言われて。どういう進め方をするか、どこまでやるか、どこで誰が出るとか・・・一旦全部書きだしたものを、脚本の伊藤マサミさんが形にしてくれました。
叙景の部分は、僕らがやっていたハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の時に、裏側でいつも本番が始まる前にやっていたことなんです。「今日はこういう風にやろう」って座長が言ったあとに、みんな円陣組んで。あの言葉を言う。それから各々の袖に散っていく。劇団「ハイキュー!!」のお話をいただいた時、「あれを舞台上でやりたい」っていうのが、一番最初に思いついたことでした。
もう一つ、会話が同時進行していく形で進めたいという希望も伝えていました。セットのデザインも含めて、彼らが生きているその瞬間に、お客様が混ざりこめたらいいなと思って。時間って、誰しも等しく流れているものだから、今この瞬間もどこかで別の物語が動き出しているだろうし、別の会話が生まれていますよね。それを、象徴的にやってみたいと思っていました。特に、町内会戦が始まってから、東峰・菅原・西谷が復活するまでの部分は、すごく今回らしい演出にできたかなと思っています。
――原作への愛、そしてハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」への想いが随所に込められているのを感じました。
須賀:常々、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」があったから、この劇団「ハイキュー!!」は成立していると思っています。今回、宮城の片田舎の少年たちの物語という部分にリアリティを持たせることを意識して作ったんですけど、きっと、初舞台化でこの形をやったら、ただ原作を焼き移して舞台に上げただけと捉えられかねない。それぐらい、どストレートに見せることにこだわりました。
それは、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」があったから。僕たちが演じた「ハイキュー!!」の物語があったから。だから、“正当派の逆張り”みたいな勝負の仕方ができたんだと思います。これってすごく素敵なことだし、どちらにも尊敬が伝えられることだと思うんですよね。
僕らが出ていたのもないがしろにしたくないし、0にしたくない。そういう気持ちを持っている自分もいるし、演出家としては、今までに左右されない“彼らの「ハイキュー!!」”を改めて作りたい。「ハイキュー!!」を愛する皆さんに、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」と劇団「ハイキュー!!」、どっちもあってこその舞台の「ハイキュー!!」って思ってもらえていたいですし、そういう風に、“僕らの「ハイキュー!!」”を愛してくれた方々にも、“彼らの「ハイキュー!!」”が届いていたら嬉しいな。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
U-NEXT独占アーカイブ配信
「8月19日公演」「8月27日公演」の2公演を対象に全景映像とスイッチング映像をそれぞれ配信。
配信の4作品のうち2種を購入した方は、ここでしか観られない「バックステージ 速攻編集版」も視聴可能。
対象公演
①劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演【8月19日公演】全景映像
②劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演【8月19日公演】スイッチング映像
③劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演【8月27日公演】全景映像
④劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演【8月27日公演】スイッチング映像
特典映像
※ライブ配信時と同じコメント映像
<出演者>
①加藤憲史郎/若林星弥
②熊沢 学/中西智也
③藤林泰也/鈴⽊恋
④全キャスト
販売期間
2023年9月29日(金)18:00~12月29日(金)23:59
価格
①③(全景映像):1,750円(税込)
②④(スイッチング映像):2,750円(税込)
視聴期間
購入から7日間
アーカイブ配信 2種購入特典映像
【対象】2023年9月29日(金)18:00~10月31日(火)23:59までに、配信作品①~④のうち2種を購入した方
【内容】「バックステージ 速攻編集版」(予定)
【視聴方法】配信2種を購入後、1週間以内にU-NEXTに登録したメインアカウントのメールアドレスに詳細を送付
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