2023年7月23日(日)にCS放送「衛星劇場」で、今年5月にPARCO劇場で上演されたPARCO劇場開場50周年記念シリーズ PARCO Produce 2023『夜叉ヶ池』がテレビ初放送される。本作には、勝地涼、入野自由、瀧内公美、那須凜が出演している。
『夜叉ヶ池』は、1913年に日本幻想文学の先駆者・泉鏡花が発表した戯曲作品。放浪の旅人と孤独な美貌の村娘、夜叉ヶ池の竜神姫と彼方の竜神の二つの恋物語を中心に、人間世界と異界の眷属の物の怪たちが荒々しくユーモラスに描かれた名作だ。
2023年は、泉鏡花生誕150年の節目。同年に開場50周年を迎えるPARCO劇場で、言葉と芝居にこだわりを持つ演出家・森と、ダンサー・演出家として独自の世界を切り拓いてきた森山開次の振付で、美しい日本語で綴られた幽玄ファンタジーを妖しく現代に甦らせた。
主人公の鐘楼守・萩原晃を演じるのは、PARCO劇場で初座長を務める勝地涼。そして、村に現れる学者・山沢学円役を声優だけにとどまらず、映像・舞台・歌手と多岐にわたって活躍する入野自由、萩原の妻・百合役を瀧内公美、夜叉ヶ池の竜神姫役を那須凜が演じている。
今回の放送は大千穐楽のカーテンコールの特別映像もあるという。
(舞台写真撮影:加藤幸広)
<あらすじ>
岐阜県と福井県の県境にある三国嶽の麓の里に鐘の音が鳴り響く、それは竜神(那須凜)と人間の約束の鐘の音、この鐘の音が鳴っている間は、約束が守られている。
だが人間の傲慢さと欲の深さによって、鐘が鳴らなくなって約束が破られたとき・・・。
大正2年の夏、激しい日照りが続くとある地方の村に、諸国を旅する学士の山沢学円(入野自由)という男がやってきた。山沢はその村にある三国嶽の麓を歩いている途中、のどの渇きを覚えて、とある家にお茶をお願いし、お茶をめぐんでくれた娘・百合(瀧内公美)に問わず語りに話をしはじめる。
一昨年のこと、萩原晃(勝地涼)という自分の友人の学者が各地に伝わる不思議な物語の収集に出たまま行方知れずになり、その足跡を辿って諸国を旅しているのだと。
そこへ百合の夫という男が現れる。その男こそ萩原であった。
久々の再会を喜ぶ山沢に、萩原は自分がこの地に住み着いたいきさつを語るのだった・・・。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ PARCO Produce 2023『夜叉ヶ池』放送情報
2023年7月23日(日)17:30~19:45 CS衛星劇場にて放送
【作】泉鏡花
【演出】森新太郎
【振付】森山開次
【キャスト】
勝地涼、入野自由、瀧内公美、那須凜
山本亨、伊達暁、森田甘路、澄人、田中穂先、佐川和正、佐藤誓ほか