崎山つばさ、糸川耀士郎、北村諒らが最強布陣でバチバチ!西田大輔の新作舞台『玉蜻~新説・八犬伝』会見レポート

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2023年2月10日(金)より上演されるDisGOONie Presents Vol.12 舞台『玉蜻~新説・八犬伝(たまかぎるしんせつ・はっけんでん)』の会見が、1月22日(日)に都内にて開催され、崎山つばさ、糸川耀士郎、北村諒と作・演出の西田大輔が登壇した。

「DisGOONie(ディスグーニー)12番目の公演となる本作は、DisGOONie主宰で演出家の西田による完全新作の舞台。室町時代をテーマに描かれた滝沢馬琴の長編小説「南総里見八犬伝」を新たな解釈により舞台化し、化け犬「八房(やつふさ)」と安房国(あわのくに)の「伏姫(ふせひめ)」との因縁により結ばれた八人の剣士たちの運命と、そこに隠された影の物語を描く。

出演は、崎山、糸川、北村をはじめ、藍染カレン、砂川脩弥、奥山かずさ、椎名鯛造、田中良子、村田洋二郎、川上将大、谷口賢志、萩野崇など。

会見は西田が進行役を務める座談会形式で行われた。久しぶりの西田作品への出演となり、犬塚信乃役を演じる主演の崎山は「初日の稽古でアクションをした時に新しい殺陣ではあるんですけど、これが西田さんの作品だと懐かしさ感じました。西田さんが作る世界観とそこに表現される殺陣には、殺陣だけでなく刀にも台詞があるような気がしています。それを役者がどう表現するのかということによってまた演じ方も変ってくるので、これから信乃と一緒に歩んで行きたいです」と挨拶。

西田作品への出演経験はあるがDisGOONieへの出演は初めてとなり、犬江親兵衛役を演じる糸川は「精鋭たちが揃っていて、西田さんが一緒に作りたいという人たちが乗る舟だと思っていたので、選ばれた時はすごく嬉しかったです」と喜びを露わにすると、「本作を見た役者が『西田さん台本・演出で、俺が親兵衛をやりたかった』と言う人もいると思うんですけど、そんな人たちに恥じない親兵衛を演じたいし、親兵衛は俺だからという気持ちで本番に向けて役作りできたらと思っています」と意気込んだ。

DisGOONie旗揚げ公演にも出演しており、久しぶりのDisGOONie参加となる北村は「スタートした時って、いくつまで続けるとか考えてなかったと思うんですけど、それが年月を経て、Vol.12というところまで来たといのは本当にすごいと思います」と旗揚げ公演を振り返ると、「DisGOONieという一つのコンテンツが回を重ねるごとにどんどん大きくなっていくのを外から見ていたので、こうしていろんな旅をしてきた人たちが再び集えると考えると、こんなに幸せなことはありません。顔合わせの時にも、みんな勝負しに来ていると思うし、またこの場に帰ってこれたんだなという思いがすごく強いです」と胸の内を明かした。

3人がそれぞれの印象を問われると、崎山と初共演となる糸川は「僕は普段は生意気はしないですけど、舞台の上に立つと生意気になる部分があるんです。それで、“崎山つばさ”という俳優はどういうお芝居を見せてくれるんだろうと(笑)。口には出さないですけど『来いよ!』みたいな感じで、芝居でバチバチにぶつかり合いたいと思っているんです。だけど、昨日の稽古では先に殴られた感じでした(笑)。一言目で稽古場の雰囲気を掴むようなお芝居を見せつけられた感覚を受けました」と答えた。

崎山と同じ作品への出演はあるものの絡むシーンはなかったという北村は、崎山に対して「(現段階では)まだ殺陣稽古でしかお相手できてないですけど、すごくどっしりしているなと感じています。それがお芝居でも出るんだろうなと感じていて、早くお芝居稽古を一緒にやっていきたいです」と期待を寄せた。

そんな崎山は2人に対して「西田さんが選んでここに呼んだという人たちって、『もっと来いよ!』みたいな芝居に飢えているような人たちというイメージもあります。2人の中にも『負けないぞ』という内なる炎みたいなものを感じています。僕自身も負けられないなと。どんな芝居を見せてやろうかなんてそんな大きな事は言えないですけど(笑)。そういう人たちが集まっているんだろうなということをすごく感じました」と述べた。

本作で大切にしているテーマについて、西田は「『命より重いものはあるのか?』というのをテーマを信乃に託して物語を進めていきたいと考えています」と明かし、タイトルに関して「“玉蜻(たまかぎる)”というように、読めないタイトルにしようと思いました。万葉集の句の中にある言葉ですけど、『美しく光る様』という意味です。その美しさの限りはどこにあるんだろうみたいなものを人間の感情とリンクさせながら作りたいという思いがあります」と解説。

続けて「たくさんの色がありますけど、自分の色を他人に勝手に決められるのは嫌だと思いますし、そういう感情だけじゃない、そこに収まらないと思っている物語になったらと思っています。腕のある俳優たちなので、八犬士の8人が目の前の相手のお芝居でどう感情が変わっていくか、新たな感情を見たいので、そんな8人になれる物語になればと考えています」と構想を語った。

さらに、3人への課題・テーマに関して西田は「耀士郎くんには、彼のいいところも苦手にしているところも一緒にお芝居をすると手に取るように分かるんですけど、まず他の俳優がやっていない表現をいくつかして欲しいです。諒くんは、こう見えて太陽みたいな力強さがあるんです。華奢だしそうは見えないかもしれないですけど、男気もある。それが彼のお芝居の中で充分な武器になっていくと思うので、それを持った上で女性の美しさを演じてもらいたいと思っています。つばさくんには、ものすごい猛者を集めたので、これをどう引っ張っていくのか見たい。と同時に、たどり着く旅の最後に彼はどんな顔でこの旅を終える一言を言うのかというのを期待しています。最後はつばさで決めよう!と思っているので。最後やりきった時に、僕らが見たことがない景色にも連れて行ってくれるんじゃないかと楽しみです」と期待を寄せた。

トークテーマが「本作で、これだけは残しておきたいこと、刻みたいこと、楽しみたいこと」に移ると、糸川が「役者として一つのキャラクターだけじゃなく、いろんな面を見せたいです。役者としてこんな幸せな役はないというように親兵衛がなってくれればいいなと思います」、北村は「今回、殺陣でアンサンブルの方たちと戦うシーンがあるんですけど、一騎打ち的な真剣勝負みたいなシーンをやりたくて、あったら面白いでしょうし、見たいし、やりたいと思っています」と回答。

そして、崎山は「“新説”ということで、語り継がれている“犬塚信乃”の真逆を行きたいです。この作品の中での“犬塚信乃”はこれだというのを見せられたらなと思います。逆にそれを見て、こういう解釈もあるんだと新しい扉を開けられたら嬉しいです」と思いを明かした。

会見のラストには、それぞれ登壇者からメッセージが送られた。糸川は「この味はやっぱり耀士郎にしか出せないなというニュー親兵衛を作り上げるために、この先も悩みに悩んで、いっぱい考えて、自分なりの答えを出したいです」とコメント。

北村は「西田さんが誰も見たことがないような『八犬伝』を書いてくださると思いますし、僕らも誰も見たことがない八犬士を演じて物語を紡いでいきたいです」と意気込みながら、「原作を知っている方や好きな方はもちろん、知らなくてここから手を付けてみようという方は、本作を見てから原作を読んで、こんな違いがあるんだみたいないろんな楽しみ方ができると思います」と本作の魅力をアピールした。

西田は「今回、素晴らしい俳優が集まってくれて、最強布陣だと思っています。だからこそ、彼らの見たことがない表情を愛してくれている人たちに、また新しい何かであるようなことをどれだけ作れるか本気で僕は思っていますので、そういう瞬間があればいいなと思っています」と期待を寄せつつ、「どんな人にも俳優にも、スタッフにも、観客にも、一つの人生があるんですけど、その人生の中の一つの瞬間で、こんなことを考えている、こんな物語があるんだというものになれるように精一杯作っていきます」と力強く語った。

そして最後に、崎山は「本作のキーワードとして“玉”が出てくるんですけど、観に来てくれた人の中でも自分の玉は何だろうかとか、自分の色って何だろうかと、自分の中の玉や色を劇場に探しに来てください」と呼びかけた。

DisGOONie Presents Vol.12 舞台『玉蜻 ~新説・八犬伝』は2月10日(金)から2月19日(日)まで東京・EX THEATER ROPPONGI、2月25日(土)・2月26日(日)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールにて上演される。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

目次

あらすじ

「その刀は──
人でございます」

――目の前には、一振りの「刀」がある。
雨の中、その刀の周りだけは妖気を纏うように水をはじいていく。
妖刀―――「村雨丸」である。

小さな子犬が、ずぶ濡れのままその刀に近づき、願いをかけるように寄り添う。
――この国には、伝説がある。
化け犬「八房」に娶られた安房国の伏姫が八つの珠と共に産み落とした八人の剣士。
珠を宿した八人は、導かれるように出会い、安房国に安寧をもたらす。

子犬の願いは、ひとつ。
自らの親を殺した金碗大輔と八人の剣士に再び出会い――全てを取り返すのだ。

この物語は――誰も知らない影の物語である。

公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年2月10日(金)~2月19日(日) EX THEATER ROPPONGI
【大阪公演】2023年2月25日(土)・2月26日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

スタッフ・キャスト

【作・演出】西田大輔

【出演】
崎山つばさ

藍染カレン

糸川耀士郎
砂川脩弥

柳美稀
椎名鯛造

田中良子
村田洋二郎
川上将大

谷口賢志
萩野崇

北村諒

ほか

公式サイト

【公式サイト】https://disgoonie.jp/stage/vol12/
【公式Twitter】@disgoonie




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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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