2023年1月25日（水）にシアター・アルファ東京で、郷本直也、貴城けいW主演舞台『終わりの行方』に開幕。郷本、貴城の他、里村孝雄、小林美江、有薗芳記、舘智子、辻本みず希、鈴木朝代、岡野一平、遥りさ、長谷場俊紀が出演し、日常を鋭くも温かい眼差しを持って描き出すことに定評のある深井邦彦による新作書き下ろしとなる本作の公開ゲネプロが、開幕直前に行われた。
物語は、一人暮らしをしている旭陽一（里村孝雄）が自宅の階段から転落し負傷し、陽一が助けを呼ぼうと這いつくばりながら、リビングに向かっていた所を娘・旭泰子（貴城けい）とその旦那で婿の旭輝明（郷本直也）が発見するところから始まる。
その一週間後、長女の明子（小林美江）、次女の裕子（舘智子）ら家族が集結。これからの事を話している最中、陽一が突然『お母さんは死んでいない』と口走ったことで、明子や裕子は、父の痴呆が始まったとショックを受けるが、泰子は淡々と施設に入れるのはどうかと提案。そこから姉妹と家族たちの思いが激しくぶつかっていく。老いた父の介護を通して、27年前の出来事も絡み合いながら現代の家族が抱える問題を細やかに描いている本作。
現代と27年前の物語が交互に描かれ陽一と泰子の間にあった意外な過去なども明らかになっていくのだが、冒頭からはっと驚かされる展開があり、その後の物語の切り替わりが楽しみになるようなその演出が見事だった。郷本、貴城らの等身大なリアルな演技と合わさって舞台の世界観に自然と引き込まれていくだろう。
舞台『終わりの行方』は、1月30日（月) までシアター・アルファ東京で上演。上演時間は約2時間を予定。
コメント
◆深井邦彦（作・演出）
本日は御来場頂き、誠に有難う御座います。
今回、作品を作るに辺り稽古する中で伝えるというのは本当に難しいなと痛感しました。
ここに言葉を残し伝える事も俳優に言葉で伝える事も難しい。
ただ、その難しさがあるから人は理解し合いたいのだと思います。
今回の物語も伝える事の難しさが一つ根幹にあります。
家族という不思議な集合体が何を伝えどう終わりに向かい、再度何が始まるのか。
少しでいいので、ほんの少し伝わればいいなと思っております。
最後までごゆっくりご覧下さい。
◆郷本直也
年明け1発目の稽古の時に金髪丸坊主で現れた演出の深井さんが印象深かったです。覚悟と気合いの現れだったようで･･･この人熱い漢だなぁって再認識させられました。そんな演出家を囲んで、皆でたくさん悩んで真摯に向き合った1か月でした。役柄人柄や関係性について自他思う事を投げかけたり受け止めたりとよくディスカッションしました。「家族」のあり方について、各々の考えをぶつけ合って課題を見つけていく作業はとても充実した日々でありました。この作品は、明日の何かしらの糧になるような前向きな物語です。御来場心よりお待ちしております。
◆貴城けい
いよいよ初日です。
この1ヶ月間、深井さん、キャストの皆さんと積み上げては崩し、積み上げては崩し、を繰り返しながら丁寧にお稽古をしてきました。
ただ、旭泰子として存在すること。
難しいです。
私、この作品が大好きです。
だからひたすらやるのみです。
心の機微を大切に。
『終わりの行方』が皆様の大切な人を改めて感じる作品になりますように。
劇場でお待ちしています！
舞台『終わりの行方』公演情報
スケジュール
2023年1月25日（水）～1月30日（月) シアター・アルファ東京
スタッフ・キャスト
【作・演出】深井邦彦
【出演】郷本直也、貴城けい、里村孝雄、小林美江、有薗芳記、舘智子、辻本みず希、鈴木朝代、岡野一平、遥りさ、長谷場俊紀
