躍進のAぇ! group『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』レポート

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躍進のAぇ! Group『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』レポート

2022年12月19日(月)に東京・グローブ座にて舞台『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』が開幕した。“Aぇ! group”の冠レギュラー番組『THE GREATEST SHOW-NEN』(ABCテレビ)から飛び出した長期興行が、大阪公演を終え東京にやってきた。

“Aぇ! group”は、関西ジャニーズJr.のメンバーたちの仕事の活性化を目指し「新ユニットを立ち上げて後押ししていきたい」という関ジャニ∞の横山裕、大倉忠義の想いを故・ジャニー喜多川氏が汲んで、正門良規、末澤誠也、草間リチャード敬太、小島健、福本大晴、佐野晶哉の6名で2019年に結成された関西ジャニーズJr.のエースユニット。

結成後すぐに東京グローブ座で『僕らAぇ! groupって言いますねん』というお披露目公演を行い、大成功を収めた。そんな思い出の劇場で、新たなエンターテイメントを届ける。

(以下、物語前半のあらすじに触れています)

物語は、世界を救うため冒険の旅に出た勇者たち六人が、ラスボスを倒すところから始まる。素手で技を繰り出す格闘家・ルンダ(草間)、魔法使い・スタッド(小島)、お金やサイコロを投げて戦うギャンブラー・ジャイロ(福本)、斧を振り回し最前線に立つ戦士・オースター(佐野)、傷ついた仲間を薬草で癒す僧侶・アレックス(正門)、伝説の剣でとどめをさす勇者・ゆうや(末澤)。

戦闘中に背後で流れる映像も六人が身に纏う衣装もドット絵調で、ゆらゆらと揺れる動きも、いかにも冒険RPGらしくゲームの世界に観客を誘う。見事にラスボスを倒すと、ある者は婚約者の元へ、ある者は師匠である祖父の元へ、それぞれが自分の居場所へ戻っていく・・・かと思いきや、帰りたくない勇者が5人に頼み込み、打ち上げを敢行する。

六人は焚き火を囲み、旅の思い出を振り返っていく。眩しすぎる光の神殿、石板を拾ったべちゃべちゃの沼、短きダンジョン・・・思い出を語る目はとても輝いていて、六人がこれまでの旅路で多くの体験や感情を共にしていたことが分かる。

おそらく台本にはないであろうかけあいや無茶ぶりも息ぴったり。楽屋でずっと話していると語る六人の仲の良さが伝わってくるようで、グループで数々の経験を共にしてきた本人たちと役の姿が重なる。

しかし、打ち上げをして、エンドロールが流れてもなおゆうやは旅を終えようとしない。痺れをきらしたアレックスは、自らがNPC(ノンプレイヤーキャラクター)であることを明かし、プレイヤーであるゆうやに現実に戻りたくない理由を問う。その理由は――。

劇中には、過去のTHE GRATEST SHOW-NENの演目で実際にAぇ! groupが取得した能力を「百手」「みんなでうたう」「しゃべるようにうたう」といったアビリティとして登場させる粋な演出も。他にも過去の演目を彷彿とさせる演出が散りばめられているので、過去公演を観たことがあるとより一層楽しめるだろう。

また、劇中では佐野が作詞・作曲を手掛けた「ストーリぃ!」という楽曲も披露される。佐野が、作詞も作曲も共に手掛けるのは初めてのこと。この新しい挑戦も、お楽しみに。

また、ゲームの世界と現実の世界を行き来するあたりは、舞台と稽古を一緒に見せる『THE GRATEST SHOW-NEN』の番組自体の構成にも何となく似ている。正に番組の集大成ともいうべき作品でありながら、これで“おしまい”ではない。

終わり方や劇中のエンドロールで役名と共にキャストの名前が記載されていたことを見るに、この舞台は「『GRATEST FANTASY』の勇者御一行の物語」ではなく、「Aぇ! groupの物語」であると感じるのだ。最後の「to be continued」の文字が表すとおり、この舞台を下りた後も、Aぇ! groupの“ガチ”で“ネバーエンディング”なストーリぃは続いていく。

長く続くパンデミックや、デビュー前のジャニーズJr.という立場に、ファンが不安になってしまう瞬間もあるかもしれない。それでも、見終わったあとは六人の輝かしい未来を信じたくなる。この先Aぇ! groupが六人で紡いでいく物語に、期待高まるばかりだ。

公開ゲネプロ後の会見にも、6人は揃って登壇。いよいよ始まる東京公演に向けて、正門は「(東京グローブ座は)僕たちにとっての凱旋とも言える場所なのでとても嬉しいです」と、想い入れの強い劇場でまた公演ができることを喜んだ。

末澤も「初めて立たせていただいたときより、よりパワーアップして皆さんにお届けできるのは、とても嬉しいことですし、さらに広島、名古屋と続けていくためにまずは東京公演を怪我なくしっかりやっていきたいなと思います」と意気込む。すると、隣りにいた佐野が「僕、ちょっと怪我しちゃいました(笑)」と申告。どうやら、武器を振る際に力が入りすぎて指を擦りむいてしまったようだ。

気合の入りようは、草間のへの無茶振りにも現れていた。草間演じる武闘家が“必殺技”を披露するシーンは、毎回アドリブのようだが、「(ゲネプロでも)びっくりするぐらいやらされました!」と訴える。スタッフからも「リチャードのシーン、ちょっと長かったかなぁ」と言われたそうで、本番でも上演時間が伸びる可能性(?)を伺わせた。

そんな彼らのバラエティ力アップは、ここ最近のメンバーの活躍からも感じ取れる。リーダーである小島は「これまでの経験が全部詰め込まれた舞台になっているので、2~3年前の僕らだったら絶対できひん内容になっているという自信があります」と胸を張った。

3年前、グループとして初の単独公演を行った際に「東京グローブ座は感情が渦巻くすごくいい劇場だから、ここで掴みなさい」とスタッフからアドバイスを受けたという福本。「舞台って楽しいなと思って。そうしたら、グレショー(『THE GREATEST SHOW-NEN』)のお話をいただいて、より舞台が好きになりました。大阪ですでに上演しましたが、この東京グローブ座でまた気持ち新たに1からやりたいなと思います」と、これまでの経験が活きているという嬉しい話を語ってくれた。

プロデューサーである横山に、ぜひ観てほしいと声をかけていたという佐野。「お忙しそうだったんですが、連絡を取らせていただく機会がある度にお願いしていたら『じゃあ、予定作って見に行くわ』っていう連絡をくださいました。おそらく、東京公演の間に観に来てくださるのではと!」と、期待を寄せる。

というのも、大阪公演を経てしっかり手応えを感じているから。「舞台って、お客さんが入って成立するものって言いますけど、改めて、ファンの皆さんと生で会えることでパワーをいただいています。それが自信に繋がっています」「過去のグレショーで関わってくださった演出家さんたちが『皆さんの成長した姿が見れて良かった』と言ってくださっていたとお聞きして、自分たちで言うのもなんですけど成長できていると感じますね」と、口々に自信を持って語っていた。

また、年末ということで今年1年の躍進を、それぞれ漢字一文字で表現していたので、以下ご紹介する。

小島:「日」
1日1日、真摯に向き合ってきましたが、1年あっという間でした。来年ももっともっと、1日1日を濃いものにしていきたいです。あとは、ワールドカップで日本代表が活躍したように、奥たちも日本を代表するようなアイドルになれるように!

福本:「会」
僕たちは、今までライブでもグレショーでも、なかなかお客さんと直接会う機会がなかったんですが、今年になってだんだんと会える機会が増えたんです。だから、改めて「会う」ことの嬉しさを感じた1年でした。
そしてもう一つ、僕らライブをするために会議をしたりするんですが、その会議がだんだんとうまくなっているんです(笑)。その2つの意味を込めて「会」です。

正門:「跳」
グループとしても新しいお仕事をたくさん経験させていただいたり、初の単独アリーナコンサートができたり、個人で舞台に立たせていただいたり、充実した1年を過ごさせていただけたので「跳躍」の「跳」です。

末澤:「全」
「全力」の「全」です。全力で走り抜けた1年やったなと思います。全力でやることは当たり前なんですけど、なかなかできないことでもあったりするので。今年1年は特に意識して、目の前にある一つ一つに全力で取り組みました。

草間:「名」
グループでも個人でも、周りの方から「最近よく(名前を)聞くようになったよ」と言ってもらえることが増えて。全国放送にも出させていただいたり、名前がどんどん広がってっいってるなと実感したのが今年でした。いろんな方に知っていただけた1年だったのではと思います。

佐野:「金」
かわいげがないことを言うなと思われるかもしれませんが、ずっと「歌を武器に、テレビに出たいな」と言っていたところ、今年ついにそれが叶い、カラオケ企画の番組に数回出演させていただき、そのうち2回で賞金をいただいたんです。その賞金の一部でMVを作ろうという企画に、大倉(忠義)くんも乗ってくれて、来年にはお披露目できる感じで進んでいます。
そして、今年みんなの活躍がすごかったから、「金メダル」をあげたいな!という意味で、「金」です!

そして、グループとしての漢字は「笑(しょう)」とのこと。その心は「今年、僕らは350日くらい一緒にいたんですが、笑いの絶えなかったんですよね。ライブや舞台という『SHOW』にも、たくさん『笑』が詰まっていて、たくさん笑い合った1年でした」と、グループとしてさらに一歩仲を深めた様子を伺わせた。

彼らの快進撃は、まだまだ続きそうだ。ちなみに、劇中には「ラスボス」と「裏ボス」が出てくるが、Aぇ! Groupの「ラスボス」「裏ボス」は?と問われると、「誰だろう?」「リチャードは幹部、中ボスあたり」「リーダーは最初に出てくるやつ」「誰がスライムやねん!」と悩みつつ、答えは「ラスボスも裏ボスも、どっちも佐野」という答えに。これを受けて、佐野は「2023年、がんばっていこうと思います!」とラスボス・裏ボスとしての決意を顕にしていた。

最後に、正門が「ヨーロッパ企画さんと、エチュードで作ってきた作品なので、RPGファンタジーの中にAぇ! groupらしさを感じてもらえる物語になっていると思ういます。ぜひ日常を忘れて、楽しんでもらえたらと思います。僕たちも、日々新鮮に楽しみたいと思います!」と呼びかけ、会見を締めくくった。

Aぇ! groupの、ガチで、ネバーエンディングな活躍が楽しみだ。

THE GRATEST SHOW-NEN舞台『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』東京公演は2023年1月15日(日)まで東京グローブ座にて。その後、広島、愛知を巡演する。上演時間約1時間55分を予定。

【大阪公演】2022年12月9日(金)~15日(木)森ノ宮ピロティホール※終了
【東京公演】2022年12月20日(火)~2023年1月15日(日)東京グローブ座
【広島公演】2023年1月24日(火)・25日(水)上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
【愛知県】2023年1月31日(火)~2月2日(木)東海市芸術劇場 大ホール

(文/MINE、取材・編集・撮影/エンタステージ編集部 1号)




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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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